仏メディアも絶賛アルファセントーリ 曽祖母ミエスクに並ぶ日も近いか

JRA-VAN

ハリントン調教師「本当にすごい馬」

一気に抜け出した末脚はおそらく32秒台前半 【photo by Yasufumi SAWADA】

 中継中に計時された通過タイムは最初の600mが38秒70。レースが動いた1000m通過が61秒85。勝ちタイムから逆算すると日本流で言う「上り3ハロン」は32秒42ということになるが、C.オドノヒュー騎手の手が動いて馬がギアを上げたのは1000m通過してからなので、アルファセントーリはおそらく32秒台前半の脚を使って勝負を決めたことになる。

 アルファセントーリの勝因は一にも二にも彼女自身の「実力」。女性調教師のハリントンは「本当にすごい馬だと思います。レースでは2番手の良いところにつけて、途中から先頭に出たのは、まさに馬自身がレースを分かっていて、それが彼女の仕掛ける最高のタイミングだったのだと思います」と愛馬のメンタルとフィジカルを褒めたたえた。

 木曜日に降った雨の影響でレース当日、馬場の硬さを表すペネトロメーターの数値は3.4と重馬場に近かったが、映画「男と女」の舞台となったドーヴィル海岸に近いロケーションにあり、ベースが砂地で水はけのよい芝コースに燦燦と降り注いだ夏の強い日差しによって陣営が許容した「稍重」を実現した。

 陣営は先月13日のG1ファルマスSから僅か1カ月の間に体重が増えたことを明らかにしていたが、これもさらなるパワーアップを実現させた。

米G1ブリーダーズCマイル参戦プランも

伝説のマイラーでもある曾祖母ミエスクに並ぶ活躍を見せるか 【photo by Yasufumi SAWADA】

 アルファセントーリは次走、アイルランドに戻ってレパーズタウン競馬場の牝馬限定戦のG1メイトロンS(9月15日、芝1600m)に出走予定。その後、これも牝馬だけで行われる英国ニューマーケット競馬場のG1サンチャリオットS(10月6日、芝1600m・直線)からマイル王を決めるアスコットのG1クイーンエリザベス2世S(10月20日、芝1600m・直線)に立ち向かい、馬の状態次第ではアメリカのG1ブリーダーズCマイル(11月3日、チャーチルダウンズ、芝1600m)まで足を伸ばすプランもあり得ると言う。

 現地マスコミはこのパフォーマンスを絶賛。曽祖母のミエスク級と呼ぶには時期尚早かもしれないが、そのスピードとパワーは間違いなく一級品。アルファセントーリは芦毛で毛色こそ異なるものの眼のあたりはミエスクのそれに瓜二つ。2着となったレコレトスを送ったウィッパーの父ミエスクズサン(キングマンボの全弟)もミエスクの直仔。3着ウィズユーの父ダンシリも1999年のジャックルマロワ賞でドバイミレニアムの3着した実績があり、このレースに縁のあった実力馬が持てる力を存分に発揮した素晴らしいレースだった。

(サラブレッドインフォメーションシステム 奥野 庸介)

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