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名古屋のメインに抜擢された矢地祐介
「無責任に、俺らしい戦いをするだけ」
12日の名古屋大会でRIZINでの初メインを飾る矢地祐介にインタビュー
12日の名古屋大会でRIZINでの初メインを飾る矢地祐介にインタビュー【スポーツナビ】

 名古屋大会となる総合格闘技イベント「RIZIN.12」(愛知・ドルフィンズアリーナ)が12日に開催される。全12試合のメインを飾るのは、RIZINではここまで5戦全勝と“新エース”に名乗りを上げている矢地祐介。直前の対戦カード変更となったが、ヴァンダレイ・シウバが送り込む刺客ルイス・グスタボ(ブラジル)と対戦する。


 前回5月のディエゴ・ヌネス(ブラジル)との戦いでは、序盤から矢地が優勢に試合を進めるもKOを奪えず苦戦。辛くもスプリット判定勝利となっている。


 試合を目前に控えた矢地に、インタビュー取材を行った。

東京の猛暑も涼しく感じる!?

RIZINでは連勝を続ける矢地。「純粋に格闘技と向き合えるので毎日楽しくやれています」と話す
RIZINでは連勝を続ける矢地。「純粋に格闘技と向き合えるので毎日楽しくやれています」と話す【スポーツナビ】

――初メインとなる名古屋大会(8月12日、愛知・ドルフィンズアリーナ)が近づいてきましたが、異常気象となる今年の猛暑は大丈夫ですか?


 暑さにも負けず、体調はバッチリです。1回名古屋に行ったんですけど、行った時に39度ぐらいあって、それを経験したら東京はすごく涼しく感じちゃって。ジムのある大田区は都心より1、2度低いみたいなので、なおさら暑さを感じなくて、なんか慣れちゃいました(笑)。日中は外出を控えてくださいって言われていますけど、その時間に走っています。まぁちゃんと小銭とかは持っていくんですけど(笑)。


――SNSでは「ロン毛で迎える初の夏」という投稿も見られました。


 いやー、そことも戦っていますよ。結んじゃえば大丈夫なんですけど、練習が終わったら1回1回シャワーを浴びるから乾かしたりが面倒くさいですよね(苦笑)。でも、なんかキャラもついてきたし、今は伸ばしたい気分なので。あまりロン毛のファイターもいないのでいいかなと思うし、とりあえず気が済むまで伸ばそうと思っています。


――RIZINでここまで5連勝。負け知らずと好調を維持しています。


 以前と比べて体重管理に費やす時間が圧倒的になくなって、肉体的にも精神的にもだいぶ楽になりました。本当、純粋に格闘技と向き合えるので毎日楽しくやれています。前は走ったりバイクを漕いだり、体重のために費やす時間が多くて、そういうのって単調になってくるじゃないですか? その単調な時間が長ければ長いほどつまらなくなってくるし、『何のためにやってるんだ?』と思ったり、弱くなっていく感覚があって、そういうのがすごく嫌だったんです。でも、今はそういうのがまったくなくて、格闘技に向き合えるのでとてもいいです。

「ひと踏ん張り」を意識して練習

前回のディエゴ・ヌネス戦ではKO勝利を飾れず苦戦。その経験から「ひと踏ん張り」を促す練習をこなしてきた
前回のディエゴ・ヌネス戦ではKO勝利を飾れず苦戦。その経験から「ひと踏ん張り」を促す練習をこなしてきた【(C) RIZIN FF】

――今回はRIZINで初の判定決着となった5月のディエゴ・ヌネス戦以来の出場となります。前戦を振り返っていかがでしょうか?


 タフで強い選手だったので気持ちよくは終われなくて、反省点ばかりの内容でした。前半は自分のペースでできていたんですけど、それを壊して無理やり自分のペースにしてこようとする相手に飲み込まれてしまったというか。前半は自分の形で戦えていたし、要所要所ダメージを与えていたので『何とか逃げ切った』っていう言い方が正しいですかね。特に最終ラウンドはだいぶ相手の流れの中で戦っちゃいました。前半、当てていたから、あれで後半動けなくなるかと思ったら、何も失速せずそのまま来たので、まさかのまさかでした。(相手の)今までの映像を見たら大体1ラウンドでバーっと行って、だんだん動けなくなって判定勝ち、みたいな選手だったので。


――そういったことを踏まえ、練習ではどんなことを改善してきましたか?


 やっぱり試合では辛い場面も諦めそうになる部分も出てくるので、練習でその環境を作り出してその精神状態に慣れるというか、そこでひと踏ん張りするっていうのを意識してやってきました。今まではケガのリスクがあるから疲れたら練習を上がったり、ガムシャラにやるのは避けていたんですけど、そういう練習って結局メンタルの部分、辛い時に頑張る力みたいのが身に付くんだなって。ちょっと効率主義に走っていたんですけど、そこで“スポ根”じゃないけど、そういう練習を最近はすごい取り入れています。


――あらかじめ試合のようにキツい、追い込まれる場面を練習で作って慣らしておくと。


 本当に身も心もヘトヘトに追い込まれるっていうのはちょっと忘れかけていた部分だったので、やっぱり普段からそういう免疫をつけておかないと、試合でそうなったとき弱気になっちゃう部分がありました。やっぱり疲れた、ヘトヘトになってからのスパーリングって試合の辛い場面とリンクするというか、それに慣れるっていうのは大事ですよね。今は『この感じ、試合で味わったことあるわ』っていう場面がよく出てくるので、耐性がついてメンタルも強くなってきていい感じです。

メインでも気張らず全力を尽くすだけ

メインでの戦いに期待は高まるが「俺は全力を尽くして俺らしい戦いをするだけ」とコメント
メインでの戦いに期待は高まるが「俺は全力を尽くして俺らしい戦いをするだけ」とコメント【(C) RIZIN FF】

――直前で対戦相手がルイス・グスタボに変わりましたが、対戦相手についてはいかがでしょう。


 またブラジル人で勢いのある選手なので、楽しい試合になるよう、お客さんはやっぱり殴り合いを求めていると思うので、それに答えた上でしっかり勝利するっていうのが目標ですかね。最近はもう物騒な奴ばっかりです(苦笑)。でも、メインは早い気もするんですけど大丈夫ですかね(笑)? ただそうやって抜擢(ばってき)してくれたからにはもちろん俺は全力を尽くして、メインイベンターとして盛り上げるつもりです。


――前回のインタビューで、RIZIN初参戦の時は思い出作りのつもりで思い切って行って、それが秒殺KOにつながり上手くいったと話されていました。


 今回もそうですね。こんな日本トップの団体でメインを張らせてもらえるなんて一生に1回かも分からないですから、ほんと思い出作りだと思って思いっきり楽しみます(笑)。みんな期待していると思うんですけど、あんまりメインだって気張っちゃうといいことはないと思うので、意識せず楽しくやろうと思っています(笑)。


――楽しんでやった方が矢地選手らしさが出ていいかもしれないですね。


 そこはほんと俺は選ばれた身だし、もし俺がコケてもみんなで盛り上げるので(笑)。無責任ですけど、それぐらいの気持ちで、俺は全力を尽くして俺らしい戦いをするだけです。

長谷川亮
病弱だった幼少期にプロレスファンとなり、格闘技ファンを経て2002年に格闘技雑誌編集部入りし、2005年からフリーライターに。スポーツナビにはその頃から執筆。病床で何度も読み返したため「プロレススーパースター列伝」は大体暗記。趣味は下手の横好きでキックボクシングとブラジリアン柔術。

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