【UFC】“スーパーヒーロー”目指すモダフェリ 「TUF27」フィナーレに挑む
「TUF27フィナーレ」でホンチャックと対戦するモダフェリ 【Zuffa LLC】
連敗中によぎった“引退”の2文字
日本の英会話学校で働いていたモダフェリ。「スーパーヒーローになりたい!」という気持ちで格闘技を始めた 【Zuffa LLC】
子どもの頃からアニメが大好きで、大学で日本語を専攻しました。翻訳者・通訳者になろうと思っていたんです。でも、大学の4年間の勉強だけでは、よい翻訳・通訳をするには不十分だと感じて。そこで、英語教師の職を得て、渡日したんです。
――では格闘技をやるきっかけは何だったのですか?
米国で『秘密戦隊ゴレンジャー』を見て、「スーパーヒーローになりたい!」という思いが高まり、テコンドーを始めました。その後、柔道、キックボクシングをへて、大学生の頃から総合の練習を始めることになります。『ドラゴンボール』にも影響を受けました。フリーザのように戦いたい、強くなろうと思ったのです。
――日本時代で一番思い出に残っている試合はどれですか?
「K−GRACE」という大会で、無差別級のワンデイ・トーナメントに出場し、1日3試合に勝ち抜いて優勝したことです(※07年5月27日、イ・ヒジン、藪下めぐみ、マルース・クーネンに連勝)。それから、赤野仁美選手に判定負けしたのが、自分では勝ったかなと思ったので、すごく悔しかったことも覚えています(※11年7月、「JEWELS」)。
――日本での最後の頃には、6連敗をするなど、不調な時期もありました。これは何か原因があったのですか?
練習は頑張っていたのですが、技術的な面で上達が頭打ちになっていました。正直、勝てないことが続くと、「もうやりたくないな」と思う時もありました。それと、ハードな練習をしていたので、身体もボロボロでした。ちょうどそんな時に、「TUFシーズン18」のお話が来たので、チャレンジしてみることにしたのです。
TUF出場が飛躍のきっかけに
UFCに復帰するため、日本の仕事を辞めて米国へ 【Zuffa LLC】
そうです。そして、TUFの合宿所で実際にトレーニングをしてみて、米国のコーチはこんなふうに教えてくれるんだということを経験して、これならまだ自分は成長ができると考え、現役を続けることにしたんです。「TUF18」の撮影が終わった頃、日本での仕事を辞めて、本格的に米国に帰国し、シンジケートMMAというジムに入会しました。
――では「TUF18」の撮影中は日本での仕事はまだ辞めていなかったんですか!
そう。上司に「ちょっと6週間ほど休んでいいですか」とお願いしてね(笑)。私は『ベルリッツ』で教えていたんですけれど、本当にいい学校だったので、辞めないといけないのはつらかったです。
――モダフェリ選手は「TUFシーズン26」にも出場されましたが、これはどういう事情だったのですか?
UFCに復帰するためにはTUFに出演することが一番の近道だから、ちょっと大変だったけど、割り切って参加しました。やっと私の階級であるフライ級ができたわけですから、どうしてもUFCで戦いたかったんです。
ポジティブ思考でさらなる高みへ
7年前に敗れたホンチャック(左)に対してリベンジを果たすことができるか 【Zuffa LLC】
毎日の練習や試合で、これまでに学んだことを試してみたい、新しいことに取り組んでみたい、という気持ちを持っていることでしょうか。マーシャルアーツでは、毎日少しずつでも上達したい、という気持ちが必要だと思います。
――モダフェリ選手は、『How to be positive; Mental Training』というモチベーションの本を書かれていますね。例えばどんなことが書かれていますか?
「ネガティブな考えを止めることはできないけれど、それをポジティブな考えに置き換えることはできる」といった教訓が書いてあります。足が痛くて練習できない時でも、頭を切り替えて、パンチの練習をすればよいのです。私はスーパーヒーローになりたいから、本を通して他の人を助けたい。だから私は本を書くのが大好きなんですよ。
――前回はUFC女子フライ級タイトルに挑戦されました。特に第5ラウンドのアームバーはあと一歩でしたね。(※17年12月の「TUF 26フィナーレ」では、ニコ・モンターニョとシジャラ・ユーバンクスによる王者決定戦が組まれていたが、ユーバンクスの欠場に伴い、モダフェリが代打出場を果たした。結果はモンターニョの判定勝ち)
あれは残念でした。試合は計量の日の午前2時、私が寝ている間に決まりました。もっときちんと準備をして試合に臨みたかったという気持ちもありますが、ラッキーな経験でした。
――そして今回の対戦相手、ホンチャック選手については、モダフェリ選手はかねてから戦いたかった相手だとおっしゃっています。
前回、7年前に対戦した際には、リアネイキドチョークで負けました。今回はリベンジしたいと思います。彼女はレスリングが強いのですが、私も最近はレスリングを練習しています。打撃からレスリング、そして柔術へとつないで勝ちたいと思っています。スクランブルに注目してください。
――これまでのUFC戦績は0勝2敗です。
そう、だからこそ、今回は勝たなきゃならないです。
――最後に日本のファンに一言、メッセージをお願いします。
日本の皆さん、私のことをずっと応援してくれて、どうもありがとうございます。日本語でも書いていますので、是非ソーシャルメディアで声をかけてください!
(文:高橋テツヤ)
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