侍J大学代表は世界とどう戦うか!? 投手陣と周到な準備は過去最高レベル
敵地で2度目の米国撃破に挑む
生田監督のもと、慣れない長丁場の海外遠征に対して、過去にない周到な準備をして臨む侍ジャパン大学代表 【撮影:高木遊】
侍ジャパン大学代表(以下、大学代表)の生田勉監督は、普段は亜細亜大で指揮を執り、東都大学リーグ6連覇を含む優勝9回、明治神宮大会は3度制しているが、それでもシーズン前は「まずは1部残留を」など慎重な発言が多い。だが今回は力強く「優勝」を口にした。
大学代表が今夏出場するのは「第42回日米大学野球選手権大会」(現地時間7月3日〜7月8日/アメリカ※全5戦)と「第29回ハーレム・ベースボールウィーク2018」(現地時間7月13〜22日/オランダ)。
日米大学野球は米国開催が今回で22回目だが、優勝したのは大場翔太(東洋大4年/福岡ソフトバンクほか)や斎藤佑樹(早稲田大1年/北海道日本ハム)らがいた2007年の1回のみ。過去にはマーク・マグワイアやジャスティン・バーランダーらそうそうたるメンバーが出場してきたMLB予備軍とも言うべき選手たちと、長距離のバス移動などが若き精鋭たちの前に立ちはだかるが、いかにしてその壁に立ち向かおうとしているのか。
実績豊富な投手陣に新鋭も台頭中
先発として期待される日本体育大・松本。150キロのストレートに加えて、海外勢が苦手とされるタテの変化球のキレ味も抜群 【撮影:高木遊】
特に2年連続の選出となる森下暢仁(明治大3年)と松本航(日本体育大4年)の両右腕が先発投手として頼もしい。森下はカーブ、松本はスプリットとツーシームと海外勢が苦手とするタテの変化球を武器にしており、キレ・制球ともにいい。
また、サイドハンドから最速149キロのストレートを投げ込む津森宥紀(東北福祉大3年)も優勝した全日本大学野球選手権から好調が続き、中継ぎ・先発どちらでも活躍が期待できそうだ。ここに先発・リリーフともに可能な本格派右腕・清水昇(国学院大4年)、小島和哉(早稲田大4年)と田中誠也(立教大3年)の両技巧派左腕が調子を上げてくれば心強い。
150キロ台のストレートで真っ向勝負する苫小牧駒澤大・伊藤。首脳陣はリリーフとしての起用を考えている 【撮影:高木遊】
ともに目立った実績を出し始めたのは今春からだが、伊藤は「闘争心むき出しで、ストレートをインコースに真っ向から攻めることができる」、小郷は「タテのスライダーで空振りが奪え、左打者に強い右投手」と生田監督の評価も高い。