侍J大学代表は世界とどう戦うか!? 投手陣と周到な準備は過去最高レベル

高木遊

関西人らしく盛り上げる辰己主将

生田監督の信頼が厚い立命館大・辰己主将。「関西人らしく明るく盛り上げたい」とチームをまとめる 【撮影:高木遊】

 チーム作りの核となる主将には3年連続の選出となった辰己涼介(立命館大4年)が務める。生田監督は「走攻守すべての面において群を抜いており、プレーで引っ張ることができる」と選考合宿後に高い期待を明かしていた。

 辰己もまたその期待を重く捉えるのではなく「経験を伝えることはもちろんですが、関西人らしくチームを明るく盛り上げたいです」と語っていたように、オンとオフのメリハリが抜群。急造チームとは思えない結束力とコミュニケーションを築いており、生田監督は「真面目な選手、プレーが素晴らしい選手はたくさんいるが、その中で辰己の集中力は違う」と全幅の信頼を置いている。

慣れない長丁場での海外遠征対策

 米国開催では使用球や長距離のバス移動など環境面での対応が迫られるが、これには周到で緻密な準備を施してきた。

 選考合宿から海外社製の大会使用球を使用。また、投手にはチップが埋め込まれた特殊な球を使って回転数や回転軸の傾きを、打者にはスピードガンで打球速度を測るなどさまざまな測定を実施。約50項目からなるアンケートも選考合宿に召集した全50選手に行い、それらも選考材料として「慣れない長丁場の海外遠征にタフな選手」を選んだ。

 そして選ばれた24名には共通のノートを配布し、毎朝の体重や試合時の各種サイン、気づいたことを記入させ提出を義務付けた。生田監督は「(理解しているとか意識できているという)“つもり”ではいけない。これをどう生かすのか、またこちらの言っていることが本当に分かっているのか見ていきたい。高い能力を持った選手に、きっかけを与えていいものを持ち帰ってほしい」と願いを込める。

 3週間を超える長期の海外遠征で日本の大学球界を代表する精鋭たちがどのような結果を残すのか。またそれだけでなく、帰国後どのようなプレーや行動で成長を見せてくれるのか。さまざまな形での“成功”を期待したい。

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著者プロフィール

1988年、東京都生まれ。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。関東を中心に全国各地の大学野球を精力的に取材。中学、高校、社会人などアマチュア野球全般やラグビーなども取材領域とする。

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