宝塚記念過去10年の好走データまとめ 大外8枠、牝馬の激走に要注意
前走G1レース別成績
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走天皇賞・春出走馬の各種データ
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走G2・G3出走馬の前走着順別成績
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
過去1年の重賞1着実績・距離別成績
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
まず前走天皇賞・春組は、着順ではなく人気を重視するのがポイントだったが、今年はもっとも上位でもアルバートの6番人気だった。そのアルバートは過去10年に好走例がない7歳馬で、スマートレイアーは8歳馬。もう1頭のミッキーロケットは、5歳馬という点はいいのだが、天皇賞・春の人気が9番人気だった。今年の春天組には食指が動かない、というのが正直なところである。
ほかに前走でG1に出走したのは4頭で、国内G1となると前走大阪杯のサトノダイヤモンドしかいない。その大阪杯では7着に敗れているが、昨年のサトノクラウンも6着からの巻き返しだった。ローテーションは悪くなく、好走例の多い5歳馬でもある。本来の実力は折り紙付きだけに、とにもかくにも当日の状態次第だろう。
ドバイ遠征以来となるのがサトノクラウンとヴィブロス。6歳馬の前者は昨年の勝利が過去1年以内の芝2200m重賞1着に相当し、5歳馬の後者は当レースで活躍が目立つ秋華賞好走馬。香港以来となるダンビュライトも、芝2200m重賞のAJCCを今年制しており、この3頭は、いずれも十分な可能性を秘めている。
前走G2・G3出走馬は1〜3着に入っていることが条件で、前々走でも重賞で好走しているとさらにいい。この観点から浮上するのは前々走の日経新春杯で1着、前走の目黒記念で3着に入っているパフォーマプロミスだ。また、前走で芝2000mの鳴尾記念を勝ったストロングタイタンにも警戒はしておきたい。菊花賞馬のキセキは、前走の日経賞で9着に終わっており、データからは推しづらい。
最後に香港馬のワーザーだが、海外馬の出走自体が21年ぶりとあって、データから語るのは難しい。ただ、香港の実績ではあるものの、過去1年以内に芝2000m重賞1着は持っている。また、7歳馬ではあるが、生まれが半年遅い南半球産ということを考慮すると、実質的には6歳馬と考えてもいい。昨年12月の香港カップ2着時には、今回も出走予定のステファノスやスマートレイアーに先着しており、実力を発揮できればチャンスはありそうだ。
文:出川塁(でがわ るい)
1977年熊本県生まれ。上智大学文学部卒業後、出版社2社で競馬専門誌、競馬書籍の編集に携わり、2007年からフリーライターに。「競馬最強の法則」「サラブレ」「優駿」などへ寄稿するほか、出版社勤務時代を含めて制作に関わった競馬書籍は多数。馬券は単勝派だが、焼肉はタン塩派というわけではない。メインの競馬のほか、サッカーでも密かに活動中。