アーモンドアイ強すぎ二冠制覇 “ジェンティル以来の衝撃”だ!

スポーツナビ

「向こう正面で勝てると思った」

好位6番手追走から上がり33秒2の異次元脚! これでは他馬は抵抗できない 【写真:中原義史】

 しかし、ここからすぐに立て直すのが超一級のスターホースなのだろう。2コーナーから向こう正面に入るころには落ち着きを取り戻し、ジョッキーの意のままに折り合いはピタリ。この時点でルメールはもう、勝利を確信したのだという。

「向こう正面ですごくリラックスしてくれた後は、楽な流れになりましたし、ちょうどいいポジション。リズムも完ぺきでしたし、外からのプレッシャーもなかった。ちょうどいいレースになったと思いましたね。そこで勝てると思いました」

 これは傲慢な物言いでもなんでもない。百戦錬磨の世界的名手が、自分の馬の状態と他馬の能力、レース状況を冷静に分析して得た答え。事実、レースはそうなった。

直線で入れたステッキは「左にモタれたところをまっすぐにするために」入れた2発だけだったという 【写真:中原義史】

 4コーナーから最後の直線、好位6番手から一気に前を襲いにかかるアーモンドアイ。そのシャドーロールが突如視界に入ったラッキーライラックの石橋脩は「4コーナーでもうこんな位置にいるのか」と度肝を抜かれ、桜花賞に続き抵抗する間もなく置き去りにされた。「今日のあのポジションからでも、今までと同じ加速力でした」とルメールが目を丸くして語ったとおり、上がり3ハロンは驚愕の33秒2。2番目に速い脚をつかったリリーノーブル、ラッキーライラック、レッドサクヤが33秒9なのだから、数字の比較からしていかにアーモンドアイが図抜けた脚を使ったかが分かるというもの。前めの位置からこんな異次元脚を繰り出されたのでは、他の16頭がちょっとかわいそうにも思えてくる。

三冠へ、ますます深まる自信

秋は秋華賞で三冠チャレンジ、そして“その先”の戦いも今から楽しみだ 【写真:中原義史】

 走破タイム2分23秒8は、レースレコード2分23秒6のジェンティルドンナに0秒2と迫る好タイム。競馬のタイムは馬場状態、ペースにも大きく左右されるために単純な比較はできないのだが、同じ二冠達成であり、その勝ちっぷりも含めると、このオークスはまさに“ジェンティル以来の衝撃”だったか。国枝調教師は言う。

「最初に見たときからいい馬だなとは思っていましたが、調教を進めていくうちにこれは“モノが違う”と思いました。その通りの走りでここまで来ることができて良かったと思いますし、今後はさらに成績を残せるように何とか三冠に行きたいですね」

 もちろん、桜花賞V後すぐに“トリプルクラウン”と口にしたルメールも、有言実行にますます自信を深めた様子だ。

「はい、三冠を考えてしまいますね。この馬のベストの距離は2000メートルだと思うので、秋はちょうどいい距離かもしれないです。また、前のポジションからでも競馬ができると分かったのはジョッキーにとってもすごくいいポイント。スタートの後にプランを変えることができますし、乗っている方としては楽ですね」

 デビューから5戦。これまでゆったりとしたローテーションを歩んできたアーモンドアイにとって、中5週の競馬は初めて間隔を詰めて走ったレースだ。また、ルメールいわく「初めて精一杯走らせた」レースだという。それだけにレース後の疲労は濃かったようで、国枝調教師は秋華賞ぶっつけも示唆したが、いずれにせよこの後は秋に備えてゆっくりと休息を取る充電期間となる。そして、来たる牝馬三冠……いや、その瞳が捉える焦点は、すでに“その先”にあるのではないか。

ハッピーバースデー、ルメール!

5月20日はルメールの39回目の誕生日、おめでとうございます! 【写真:中原義史】

 ちなみに、この5月20日が39歳の誕生日で、自ら花を添えたルメール。JRA発表のアラカルトによると、ジョッキーの誕生日当日のGI勝利は1984年のグレード制導入以降、初めてのことだそうだ。ルメール騎手、おめでとうございます!

(取材・文:森永淳洋/スポーツナビ)

2/2ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント