目指すはUFCの頂点、さらにその先へ UFCチリ参戦・近藤朱里インタビュー

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日本時間29日開催の「UFCファイトナイト・チリ」に出場する近藤朱里にインタビュー 【Zuffa LLC】

 日本時間5月20日(日)開催の「UFCファイトナイト・チリ」には日本の近藤朱里が出場し、ポリアナ・ポテーリョ(ブラジル)と対戦する。昨年の「UFCファイトナイト・ジャパン」でUFCデビュー戦を見事勝利で飾った朱里選手に、今回の試合への意気込みを聞いた。

「UFC初戦はのびのび、楽しく戦えました」

――朱里選手はMMAに取り組み始めた頃から、UFCで戦うという目標を明言し、実際に連勝してチャンピオンになり、目標を達成されました。UFCからオファーがあった時にはどんな気持ちでしたか?

 UFCの映像を初めて見た時から、何てすごいところなんだろう、ここが世界最高峰の団体だと思い、自分もその舞台に上がって戦いたいとずっと思っていました。だから、パンクラスのチャンピオンになり、やがてUFC入りのお話を頂いた時には本当にうれしかったです。この舞台で勝負ができるんだということにワクワクしています。

――UFCジャパンで実際に試合に出場してみて、どんな感想を持たれましたか?

 初戦なのですごく緊張しました。試合前の控室では緊張のあまり、何回もトイレに行ってしまって……トイレに行くたびに、監視係の外国の方がついてくるんです。何度もお手数をおかけしてごめんなさいと謝りながらトイレについてきてもらうのが申し訳なかったです。ただ、試合そのものは落ち着いて、楽しくできたと思っています。終わってみれば、楽しかったという印象ですね。

――本番に強いんですね。

 パンクラスの時より、のびのび戦えたような気がします。

――対戦相手のジョン・チャンミ選手が、気合いを入れるためなのか、ラウンドインターバルにものすごい大絶叫をしたので私はビックリしたのですが、朱里選手はビックリしませんでしたか?

 ああ、覚えてます。何か叫んでおるなとは思いました(笑)。私も若干は叫びましたよ。

試合の中で感じることを大切にして勝ち切りたい

初のアウェイでの試合となるが「やるしかない、頑張るしかない」と意気込む 【Zuffa LLC】

――さて、今回の試合はUFC初のチリイベントへの出場となりました。チリに行かれたことはないですよね?

 ないですね。地球の真裏というか、遠いじゃないですか。行くだけで、米国経由で27時間から37時間かかるらしいので、コンディションを整えるのが大変だなと思っています。

――チリについて、どんな印象や知識がありますか?

 形が細長い国、ということくらいですかね(笑)。

――ですよね(笑)。よく知らない土地、アウェイの環境で戦うことについては?

 MMAを海外で戦うのは初めてなのですが、そこはもう、やるしかない、頑張るしかないと思っています。

――対戦相手のポテーリョについてはどんな選手だと分析していますか?

 私よりも10センチくらい身長が高くて、すごく筋肉質の体つきをしているので、力が強いのではないかと思っています。一体どうやって減量しているのだろうと思うほどです。

――戦績上はノックアウト勝ちが多い選手のようですが?

 でも打撃だけでなく、レスリングや柔術も強いようなので、試合が始まってみて、感じることを大切にして、相手の動きをよく見て、対応できるようにしたいと思います。

――海外メディアの報道によると、ポテーリョ選手はブラジルで昼ドラに出演するなど、芸能活動もやっているとのことなので、どこか朱里選手に似ている面があるのかもしれません。

 へえ、そうなんですか。私は昼ドラなんて出ていないので、それはすごい……。

「ヨアンナの戦いっぷりに刺激を受けました」

「もともとMMAはやりたくないと思っていた」と話す朱里。それでもUFCの映像を見て挑戦を決めた 【Zuffa LLC】

――さて、プロレスやキックボクシングでチャンピオンになるなど、すでに成功していた朱里選手が、そもそもMMAに転向したきっかけは何だったのですか?

 もともとMMAはやりたくない、と思っていたんです。ただ、キックのチャンピオンになって、3回防衛した後に、自分の次の目標が見えなくなってしまって。年齢的にも20代後半だし、やるからには上を目指したいと。そう思っている時にUFCの映像を見て刺激を受けたのがきっかけでした。

――MMAをやりたくなかった、というのは、どういう点で?

 その頃はキックボクサーでしたので、寝技の練習にあまり興味が持てず、どうしても身が入らなかったんです。もちろん今では、寝技もレスリングも一生懸命練習しています。

――UFCの映像をご覧になった中で、とりわけ魅力を感じた選手はいましたか?

 ヨアンナ・イェンドジェイチェク(ポーランド)です。打撃で相手をガンガン破壊していくところが魅力的だなと感じました。

――そのヨアンナとローズ・ナマユナス(米国)の試合(「UFC223」)の感想をお聞かせください。

 すごく面白い試合でした! 自分もあのレベルで戦いたいと改めて思いました。

――ローズがヨアンナに、あえて打撃で勝ったという点が意外だったとの評判が多いと思うのですが?

 もちろん、ノックアウトはすごいことです。ただ、ローズ選手は前から強かったですし、MMAですので、何があってもおかしくないとは思っていました。

目指すはUFCチャンピオン そこからさらに広がる夢

もともと女優志望だった朱里だが、いつかはロンダ・ラウジーのように活躍したいと話す 【Zuffa LLC】

――朱里選手の今後の目標についてお聞かせください。例えばUFCで今後戦ってみたい相手などはいますか?

 誰と戦いたいというよりも、今は一戦一戦を勝ち進んでいくことを考えています。UFCのランキングに入って、チャンピオンを目指すことが一番の目標で、それを実現できるまで勝ち続けることができるよう、頑張りたいです。

 今はそのことしか考えていませんが、あえてその先の目標をあげるとすれば、プロレスでライバルだったアスカ選手が今、米国で大活躍しています。自分もUFCで活躍して、世界の舞台で再びアスカと相まみえることがあれば、夢があるなと思っています。さらには、私はもともと女優志望だったということもあるので、ゆくゆくはロンダ・ラウジー(米国)のように映画の世界でも活躍してみたいです。

――ロンダとはその前にプロレスで戦うこともできるかもしれませんね。

 いやあ、それは本当に夢みたいな話ですね。やってみたいです!

――最後に、ファンの方に向けてメッセージをお願いします!

 今回の試合、気を引き締めて勝利したいと思います。そしてチャンピオンを目指して、日々頑張っていきたいと思いますので、次の試合に注目してください。今後とも応援よろしくお願いします。

(文:高橋テツヤ)
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