2019年、日本で一生に一度の経験を ラグビーW杯ボランティアプログラムとは

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提供:(公財)日本ラグビーフットボール協会

第82回のみなとフォーラムはラグビーワールドカップ2019(RWC2019)日本大会公式ボランティアプログラム「NO−SIDE」実務責任者の神野幹也氏が登壇した 【スポーツナビ】

 公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団と、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会が主催する「みなとスポーツフォーラム 2019年ラグビーワールドカップ(W杯)に向けて」の第82回が4月17日、東京都港区の麻布区民センター区民ホールで開催された。

 今回は「RWC2019ボランティアプログラムが描く『特別な』世界観」というテーマで、公益財団法人ラグビーワールドカップ2019組織委員会 公式ボランティアプログラム「NO−SIDE」実務責任者の神野幹也氏を招き、ラグビージャーナリスト・村上晃一さん進行のもと講演が行われた。

ボランティアも大会の顔

 あと1年余りに迫った自国開催のワールドカップ。大会の成功にはボランティアスタッフの奮闘が不可欠だ。4月23日から応募が始まった公式ボランティアプログラムは全国12開催都市で1万人以上の採用を図る予定だ。

 同プログラムの実務責任者である神野氏は簡単な自己紹介のあと、このプログラムのコンセプトを語り始めた。

「ワールドカップの特別感を一緒につくる仲間としてぜひ加わっていただきたい、一緒になって雰囲気をつくっていきましょう、ということです。ボランティアのみなさんにとって、一生に一度の経験になってほしい」

 実際、試合観戦に訪れた観客や海外のメディア関係者たちともっとも多く接するのは、ボランティアだ。神野氏のように、組織の一員として働く人は決して多くはなく、必然的にボランティアの活躍が求められる。

「ボランティアのみなさんも一緒に活躍していただくので、大会の顔であり、ある種の宣伝、広告塔の位置付けになります。大会の価値やラグビーの魅力、そういうところを一緒になってやっていただけるのであれば、ぜひ仲間に入っていただきたいです」

 特別感を一緒につくった事例として、神野氏は2011年のニュージーランド(NZ)大会の例を挙げた。同大会のボランティアは、このとき優勝を果たしたオールブラックス(NZ代表チームの愛称)とともに、大会終了後の記念パレードで街中を練り歩いた。この試みが上手くいっただけではないだろうが、活動を終えた後のアンケートで「ボランティアに参加して経験できたこと」を尋ねたところ、1番多かった回答は「母国や地元の役に立つことができた」ことだったという。

 神野氏は「チケットを買って試合を見るよりも、スポーツボランティアとして大会の当事者になって参加して、特別な経験をしたほうが楽しいと思ってもらえるプログラムを練り上げたい」と目標を高く掲げる。

「NO−SIDE」に込めた意味

講演は印象的な写真や図を用いながら進められた 【スポーツナビ】

 一生に一度の特別な体験をしてもらいたいと高い目標を掲げる、今回の公式ボランティアプログラム。その名称として、「NO−SIDE(ノーサイド)」が名付けられた。

「NO−SIDE」は、試合終了時にレフェリーが用いる用語として浸透。現在は世界的に「FULL TIME(フルタイム)」が使われるものの、日本ラグビー界にとっては今も大切なワードだ。

 神野氏は「NO−SIDE」に込めた意味を次のように話す。

「日本のラグビー界がとても大切にしてきた、ただ単に試合終了という意味だけではなく、試合が終わると敵味方サイドがなくなって、みんな仲良くする。それは選手同士はもちろん、観客同士もそうですし、関係者みんなが仲良くするという考え方を持っています。みんなで一緒になってワールドカップの成功に向けて頑張るというコンセプトにマッチしていると思い、こういう名前を付けています」

 また、神野氏は「NO−SIDE」をプログラム名に掲げた背景を3つ挙げた。

1.日本で育まれたノーサイド精神で、日本中、世界中からのお客様を迎え入れたい。
2.アジア初のラグビーワールドカップにおいて、参加者にとってもお客様にとっても、日本ならではの「特別な体験」を提供したい。
3.TEAM NO−SIDEがノーサイド精神の体現者となり、ラグビーやスポーツの枠を超えて、その精神を国内外に広めたい。

 ラグビーにおいて「サイド」という言い方は、「チーム」にも置き換えられる。ノーサイドは、試合が終わりどちらのサイドも無くなるゆえに、名付けられたもの。それが日本で意訳され、終わったらみんなで仲良くする、リスペクトし合うことと同義になった。わが国ならではのホスピタリティの象徴として、「NO−SIDE」以上にふさわしい言葉はない。

具体的な募集内容、本番までの流れは?

 ここまでは、公式ボランティアプログラムのコンセプトや名称について紹介してきた。以降は具体的な募集の内容、大会本番で活動するまでの流れを追っていきたい。

 ボランティアプログラムは組織委員会と12の開催都市が共同で運営。大会によっては会場内が組織委員会、会場外は開催都市が募集する形もあるが、一つのチームとしてまとまっての運営にこだわりを見せる。

 ボランティアが実際にどんなことを担当するか、気になる人もいるだろう。今大会では具体的に次のような活動例が想定されている。

1.観客サービスサポート:会場周辺で観客のサポートを行う。
2.現地案内サポート:会場周辺や主要駅、空港などで、会場案内をサポートする。
3.輸送サポート:シャトルバス乗り場などで観客の移動をサポートする。
4.ファンゾーン運営サポート:ファンゾーン(イベントゾーン)運営のサポートを行う。
5.アクレディサポート:関係者パス(アクレディテーションパス)の発行などをサポートする。
6.ワークフォースサポート:スタッフ・ボランティア向け休憩所の運営をサポートする。

 また、志望者がプログラム参加の応募をし、ボランティアとして活動するまでに、インタビューとトレーニングに臨む必要がある。

 インタビューについては、会議室で行うような堅苦しい面接ではなく、ワールドカップならではの特別感を感じてもらえるような場所、コンテンツとして行われる。前回大会を例にすると、担当者と面談するゾーンだけでなく、ワールドカップの紹介ビデオを放映するゾーンや、楕円(だえん)球に触れられるゾーンなどが設けられた。なお、インタビューに参加しないと応募辞退と同じ扱いになるのでご注意を。

 無事インタビューに合格し大会ボランティアへの採用が決まると、トレーニングを受けることになる。内訳は、大会の説明やボランティア同士の“チームビルディング”を行う共通研修とeラーニング、担当する役割が決まった後に行う活動別研修の3項目。eラーニングと活動別研修については必修で、こちらも参加しないと辞退の扱いになるため、予定を調整して臨みたいところだ。

 最後に、応募から大会本番までのスケジュールを記す。

・応募期間:4月23日午前12時〜7月18日午前11時59分
・インタビュー日時調整:7月末〜
・インタビュー実施:8月下旬〜12月下旬
・採否通知:19年1月ごろ
・共通研修:19年1月以降
・希望活動日確認:19年4月ごろ
・活動内容決定:19年6月ごろ
・活動別研修:19年6月以降
・大会開幕:19年9月20日(@東京スタジアム)

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