ワグネリアン対ステルヴィオの一騎打ちか 「たけし命名馬」も気になる皐月賞座談会

競馬専門紙「優馬」

二強ムードに割って入るのは 未知の魅力のアノ馬?

ビートたけし命名馬のキタノコマンドール(橙帽)は魅惑の一頭(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

大江原「人気的には“二強ムード”とはいえ、やっぱりダノンの2番手グループが浮上したに過ぎないんだよな。久光も言うように、ステルヴィオはマイラーのイメージが強くて乗り難しいところもあるし、ワグネリアンにしてもあのテンションの高さを考えれば、紛れがあっていいんじゃないかな。だったら、キタノコマンドールの未知の魅力に賭けてみる手。これまた緩いペースしか経験していない点は気になるけど、ディープ産駒特有のキレ味は一級品だし、将来性を含めて考えてみてもダノンプレミアムと同レベルの素材だと思うんだ」

田崎キタノコマンドールの前走は、実戦を一度経験したことで反応がグンと良化しましたし、内にモタれる面が解消すれば更にパフォーマンスが上がるはずです。買うのは一回早いかもしれませんが、今年のレベルなら“アリ”ではないでしょうか」

那谷「最終追いで初めて跨いだミルコは“聞いていたほど歩様は硬くない。大人しくて乗りやすいし、とても賢くて凄くイイ馬。自信を持って臨める”と。新規参入のDMMバヌーシー、時の人ともなっているビートたけしの命名馬、という話題性の高さもあって、多少のリップサービスはあるにしても、好感触は掴んだ様子だったよ。ただ、2戦2勝馬の挑戦例はグレード制導入後で10頭。その最高着順が1993年シクレノンシェリフの3着なら、クールに考えれば人気になり過ぎの感も受けるんだ。初めて経験する多頭数での厳しい流れで、キャリア不足が露呈する可能性も高いんじゃないかな」

デスク「同じ池江寿厩舎でも、担当としてはジャンダルムの方が上という見立てでいいんだな」

那谷「ワンツーフィニッシュを飾った昨年と比べると一枚落ちの感も否めないけど、ジャンダルムに関しては“とにかく乗り味が抜群で頭がいい。ホープフルSの時はレース前からイライラしていて掛かったけど、前走は改善されていたし、一戦毎に確実に成長しているのを感じる”と、武豊騎手も色気を持っている様子。誰も◎を打っていない理由でもある“本質的にはマイラー”という池江寿師の言葉通りの距離不安も、ここ2走である程度は払拭できているし、前走のような正攻法で勝ち切るのが難しい以上、今度は思い切って控えるレースをするんじゃないかと思うんだ。ギリギリまで脚を温存して、マイラー特有のキレが生きる流れになれば、一発があっていいはずだよ」

坂倉「この舞台でGIを勝っていながら、前走でかなり評価を落としてしまったタイムフライヤーですが、これまで敗れた3戦は全てキレ負けと言えるもので、前走にしても上位4頭が内を回った中で大外を回ったのなら仕方のない結果ではないでしょうか。先行馬が揃った今回は、スローの瞬発力勝負になるとは思えませんし、この馬向きの展開となる気がしますね」

瀬古タイムフライヤーはいい脚を長く使えるのが持ち味ですからね。僕も、今回は縦長の展開になると思っていますし、ホープフルSの時のようなロングスパートが決まると見ます」

持木「前走に関しては、スタートで寄られる不利も響いたと言えますし、そもそも新馬戦でも2着に負けているように、叩いて良くなるタイプだと思います。今回は力を見直す手でしょうね」

細川「陣営も、前走の敗因として真っ先に序盤の不利を挙げてましたね。ペースが遅かった上に、自身のエンジンの掛かりも遅く、3コーナーからあれだけ外を回らされては届かなくて当然です。ただ“先週あたりからトモの踏み込みが良くなり、見えない疲れも取れてきた”と、松田国師は状態面での確かな良化を感じ取っている様子でしたし、やはり同じ舞台でのGI勝ちを軽くは扱えないでしょうね」

武井「今回は結構道悪経験のある馬が多いんですが、風雨が強まってタフな馬場になれば、一番の追い風となるのがタイムフライヤーだと思いますよ」

「前走のスプリングSがハナ差惜敗だったエポカドーロですが、“折り合い面に苦労する馬じゃないから前に行く馬がいても変な力みはでてこないよ。前回はいい練習にもなったし、2000mなら1コーナーまでの距離が長くなるので鞍上も楽だろう。トモはまだ緩いが、デビュー当初と比較して徐々に逞しくはなった。現時点では満足できる状態で本番へ臨める”という陣営の声を聞くと、勝ち馬との人気の差が不当ではないかと思えるほどです」

小野智「戸崎圭騎手も“馬は本当にいいですよ。2000mは気持ち長いと思いますが、ハナか番手の自分の競馬をするだけです”と、戦法に迷いはない様子でしたね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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