オリックスがパ・リーグ戦線かき回す 豊富な先発陣と打線の破壊力に高評価

ベースボール・タイムズ

大きなカギを握るドラ1左腕

ドラフト1位・田嶋は貴重な先発左腕として躍動できるか 【写真は共同】

 過去10年でAクラス入りは2度のみと低迷が続き、最後のリーグ制覇は1996年と、12球団で最も優勝から遠ざかったチームとなっているオリックス。昨季も借金16で4位に終わったが、2016年の最下位からは確実に上昇気配を見せており、先発陣の頭数がそろい、ドラフトやFAで効果的な補強にも成功した今季は、上位進出が期待できる布陣となっている。

 エース・金子千尋を筆頭に、西勇輝、ディクソンの先発三本柱は、いずれも2ケタ勝利が見込める実績を持ち、ルーキーイヤーから8勝をマークした山岡泰輔までが先発ローテ確定組。4人はいずれも右腕で、左腕の先発候補である松葉貴大や山崎福也らが今ひとつ決め手を欠く中、昨秋のドラフトで目玉選手だった田嶋大樹が大きな戦力になりそうだ。

 埼玉西武との競合で手に入れたアマチュアナンバーワン評価のサウスポーは、オープン戦でも2度の先発登板でしっかりと試合を作る中で150キロ超のストレートを連発し、評判通りの投球を見せている。スライダー、チェンジアップの変化球も大きな武器で、開幕ローテ入りはもちろん、2ケタ勝利で新人王候補の筆頭に挙げられる。この新人左腕の働き次第でチームの戦い方は大きく変わりそうだ。

新助っ人が左腕不足を解消するか

 その他、先発では、昨季高卒1年目ながらシーズン終盤に先発ローテ入りを果たし、プロ初勝利も記録した山本由伸が先発6番手候補として期待される。威力十分のストレートにスライダー、フォークと変化球も多彩で、将来のエース候補として首脳陣の評価も高い。

 リリーフ陣は、昨季まで抑えを務めた平野佳寿がメジャー移籍となったが、FAで北海道日本ハムから増井浩俊を獲得して穴埋めに成功。昨季50試合超に登板した黒木優太、近藤大亮が勝利の方程式を形成し、さらに金田和之、小林慶祐らに加えて、ドラフト2位入団のK−鈴木、2年目の澤田圭佑らがブルペン枠を争う。

 左腕では1軍枠確定は大山暁史ぐらいしか見当たらず、左腕不足を露呈しているが、当初は先発ローテ入りが予想されていた新外国人のアルバースがリリーフに回る可能性もありそう。カナダ代表として2度のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場歴を持ち、韓国でもプレーした技巧派は多彩な変化球を武器としており、対左打者のワンポイント起用でも面白い。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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