【DDT】大学卒業の竹下がKO−D防衛記録更新 ムタが「最後」のムーンサルト披露で勝利

高木裕美

ムタの魔界帰還にディーノ「勝ち逃げは許さない」と復帰へエール

ムタが「最後」のムーンサルトで試合を決める 【写真:前島康人】

 武藤敬司の悪の化身グレート・ムタが「最後」のムーンサルトプレスを披露。両国のファンを沸かせると、魔界に帰り、長い眠りについた。

 武藤は人工関節の手術を行うため、3.14WRESTLE-1後楽園大会を最後に年内はリングを離れることを発表。そのラストマッチでは、「武藤全日本」時代の教え子たちを集めた6人タッグマッチに出陣し、最後は武藤の代名詞ともいえるムーンサルトプレスで勝利。医師からは「(人工関節の)手術が成功してもムーンサルトプレスはやっていけない」と言われており、武藤自身も「ムタは両国でムーンサルトを出さないだろう」と、ムタの代理人としてコメントしていたことから、この後楽園大会で出した一発が、武藤最後のムーンサルトとして、ファンの網膜と心に刻み込まれていた。

 ムタはヒール軍団「DAMNATION」の佐々木大輔&遠藤哲哉と組んで、男色ディーノ&石井慧介&大家健組と対戦。おどろおどろしいマスク姿で登場したムタは、“DDTの怪奇派”大家の目の前で毒霧を噴いて威嚇すると、「二丁目の住人」ディーノとも対峙。だが、ディーノに股間を握り締められてもビクともせず、ファイト一発からのタイツアピールにも動じず。ドラゴンスクリューからの足4の字固めでもん絶させる。イス攻撃は味方に誤爆してしまうも、ムタに焦りはなし。ディーノの地獄門には毒霧噴射で対抗し、石井にドラゴンスクリュー、閃光妖術を発射。だが、ディーノも地獄門から毒霧を噴き出し、ムタが驚いたところへ大家が炎のスピアーを炸裂。さらにディーノがリップロックを見舞うも、これを見た遠藤、佐々木が自分からディーノにリップロック。再びムタもリップロックを放つと、トリプル毒霧でディーノをダウンさせる。すかさず、石井に対し、遠藤がニールキック、佐々木がペディグリーを繰り出し、ムタがトップロープに上がってのムーンサルトプレスでフィニッシュ。

 顔面も尻も毒霧まみれとなったディーノは「ムタ、あなたの化身である武藤に伝えてちょうだい。アンタも、アンタの化身も、これが最後じゃないでしょ。勝ち逃げは許さない。次はシングルで勝負よ。だから、必ずリングに戻ってきなさい」と、あえて上から目線で、プロレス生命を賭けた大手術に臨む武藤にエールを送り、カムバックを願った。

大社長が身代わりで肛門爆破のエジキに

“ウェポン”大谷がケツバットで大暴れ 【写真:前島康人】

「ウェポンランブル5WAYタッグ敗者肛門爆破マッチ」では、ZERO1の大谷晋二郎が「公認凶器」として登場するサプライズに客席が騒然。混戦の末、中澤マイケル&中邑珍輔組が敗北するも、逃走したマイケルの代わりに、高木三四郎&一般人・澤宗紀さんが肛門爆破のエジキとなった。

 当初は5チームによる「両国国技館全域を使った路上プロレス」を予定していたが、会場からの要請により中止。代わりにウェポンランブルに変更。タライ、サーフボード、ロッカー、T2ひー女子プロレス、僧侶などの奇想天外なウェポンが次々と飛び出す中、木高イサミが高さ3メートル以上のギガラダーを振り回すと、宮本裕向が超巨大有刺鉄線ボードの上に落下。さらにイサミはラダー上からのダブルニードロップを繰り出すも、MAOがラダー上からタライを落とし、カウントを阻止する。

 そして、最後に公認凶器として登場したのは、なんと大谷晋二郎。「笑ってはいけない」の黒子スタイルで登場した大谷が、バットを火祭り刀に見立ててポーズを決めると、全員アウトでケツバットのエジキに。この尻への一撃で大ダメージを負ったマイケルに、マイク・ベイリーが竜巻旋風脚、アルティマウエポン、MAOがキャノンボール450°とたたみかけて勝負を決めた。

 だが、試合後にマイケルが「タイに早く帰りたい」とまさかの逃亡。「肛門爆破のないDDT両国大会はありえない」という追い込まれた状況に、選手たちが次々と立候補し、大谷や松井レフェリーまでもが志願する中、高木がしぶしぶ手を挙げると、全員が「どうぞどうぞ」。仕方なく肛門爆破の舞台に歩み出た高木に、澤も「僕もやります」と志願し、2人で仲良く両国の地に散った。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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