苦難乗り越え出産したミス・モンゴル “お母さんレスラー”として再スタート
妊娠後も苦労はあったが無事に出産
妊娠中、出産でも多くの痛みと戦ったが「プロレスで大変な思いをしてきたおかげ」で耐えられたと話す 【ミカエル・コバタ】
妊娠公表前、最後の試合は、昨年8月27日、新木場で開催された大仁田興行でのMr.ハゲ戦。その後は、セコンドや裏方業務に専念していたが、同10月31日、後楽園での師・大仁田厚の引退興行で、“開会宣言”を行い、これをもって産休に入った。
妊娠後、逆流性食道炎との戦いも大変だったというが、昨年末に無事、帝王出産で3180グラムの女の子を授かった。
「誤解しないでほしいんですけど、お産や帝王切開は、もちろん楽ではないし、痛いです。でも、FMWでの新人時代を思えば、そんなに大変じゃなかった。痛みも、腕を骨折して、手術したときや、腰の椎間板ヘルニアで歩けなかったときのことを思えば、耐えられました。プロレスをやってきたことで痛みの経験値が高いので、出産の痛みには冷静に向き合えました。産後の回復も、体力があるので、一般の人より早かった。今まで、プロレスでたくさん痛い思い、大変な思いをしてきたおかげです」
師匠・大仁田は「2カ月で復帰? ホント邪道な弟子」
「いずれ子どもをおんぶして、売店に立ちたい」と“お母さんレスラー”として再スタートを宣言したミス・モンゴル 【ミカエル・コバタ】
復帰にあたって、ネックになるのが、現場に行っている間、子どもをどうするかだ。夫の豊本さんは芸能活動で多忙。モンゴルの実家は札幌とあって、親に預けることもできない。
「広田選手は、会場に子どもを連れて行ったりしてるんですけど、女子団体だから理解も得やすい。その点、私は男子の団体に出ることが多いので、どうかなと思ったけど、出産前から、先輩方やレスラー仲間の皆さんが、『みんなの子だから、みんなで育てよう』と言ってくれていて、それに甘えることにしました。保坂(秀樹)先輩は子煩悩だし……。基本的に会場に連れて行くことにしました」
3月7日の後楽園では、試合中、みなみ飛香(フリー)が子守りを担当。半年ぶりの“プレ復帰戦”はセミファイナル。参加選手27人中、25人が男子という圧倒的に不利な状況だったが、大型のKENSOらを相手に大奮闘。得意のムチ攻撃も冴えわたり、あれよあれよという間に、最後の2人に残った。モンゴルは、これまた大型のブルアーマーTAKUYAを、絶妙の首固めで丸め込んで3カウントを奪い、“プレ復帰戦”で白星を飾った。
「特に緊張もせず、半年のブランクも感じなかった。初顔合わせの人もいたし、体力的には疲れましたけど、肩慣らしにちょうどよかった。バトルロイヤルだったので、普通の試合ではこうはいかないので覚悟します。リングは楽しかった。やっぱりプロレスのない人生は送れない。デビュー戦とも違う、なんか不思議な感じでした。これから“お母さんレスラー”として再スタートします。いずれ子どもをおんぶして、売店に立ちたいと思いますし、できればもう1人子どもがほしい。限界に挑戦します」
“本格復帰戦”は、超戦闘プロレスFMWの4月7日・青森はまなす会館、同8日・弘前市河西体育センター大会になる予定。いきなり地方での試合となるが、モンゴルは子どもを連れて、青森へ向かうという。モンゴルの“ママさんレスラー”として、新たなチャレンジが始まった。
また、復帰にあたって、4月に行われる佐賀県神埼市長選(同8日告示、15日投開票)への出馬を表明している師・大仁田氏は「モンゴルには、心配ばっかりかけられるけど、無事に子どもが産まれてよかった。ボクは男だから、よく分からないけど、2カ月で復帰って、随分早くないか? ホント邪道な弟子だな(笑)。お母さんになったんだから、体には気をつけて、がんばってほしい。陰ながら応援してるよ。あっ、お祝いに友だちに選んでもらって、ベビー用品贈ったんだけど、娘に似合ってるかな?」とコメント。
これに対して、モンゴルは「大仁田さんには、お祝いをいただいて感謝しています。うちの子には、まだちょっと大きいので、あと半年くらいたったら着せます(笑)。よく似合うと思います」と笑顔で語った。2人の師弟の絆は固いものがあるようだ。