昨年は桜花賞馬を輩出、Fレビュー分析 強力チューリップ賞組に対抗できる馬は?

JRA-VANデータラボ

前年の阪神JF出走馬の成績

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は、前年の阪神JF出走馬について、それ以来の休養明けだった馬と、他のレースを挟んだ馬の成績を調べたものである。その結果、休養明けだった馬は複勝率34.6%、間に出走していた馬は同16.0%。単複の回収率にも大きな差がついており、直行馬を重視したい。

前年の阪神JFに出走していた好走馬

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 過去10年の3着以内好走馬のうち、阪神JFに出走していたのは表6の13頭。昨年の2着馬・レーヌミノルは同レース3着だったが、ほかに阪神JFで馬券に絡んでいたのは12年の優勝馬・アイムユアーズ(阪神JF2着)だけ。阪神JFで2桁着順の大敗を喫し、それ以来のレースでも3頭が好走している。表5で挙げたように直行馬なら高回収率になるため、あまり同レースでの着順は気にすることなく狙っていきたい。

前走着順・人気別成績(前走中央G1以外)

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は、前走G1以外の馬について、前走着順・人気、そしてレース間隔別の成績をまとめたものである。G1以外で前走6番人気以下や同6着以下の馬は苦戦。そして間隔は中4〜8週あたりが良い。もっとも間隔が開いた好走馬は、昨年優勝したカラクレナイの万両賞(阪神JFの前週)で、前走11月以前は【0.0.0.11】。休養期間の長い馬が人気になることは少なかった影響もありそうだが、一応12月あたりまでを目安としたい。ほかに前走との関係では、1200m戦に出走していた馬は【0.0.0.26】と好走がない。

前走中央G1以外からの好走馬(過去5年)

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表8は、同じく前走中央G1以外に出走していた過去5年の好走馬で、表にある通り、9頭中7頭は前走1着馬。08〜12年は前走G1以外・2着以下でも【3.2.1.28】複勝率17.6%と好走馬も少なからずいたが、13年以降は【1.1.0.37】同5.1%と大幅に落ち込んでいる。好走したソルヴェイグは前走で1番人気、レーヌミノルはこのレースでの1番人気馬。前走1着馬を基本としつつ、前走2着以下を狙うなら前走か今回の1番人気馬になる。

結論

 中位人気勢からも好走馬が多く出ているフィリーズレビュー。前走クラス別ではG1組が良く、その他では500万特別出走馬に注目。G1組なら着順は問わず好成績、その他のレースなら前走6着以下や6番人気以下は苦しく、あまり間隔が詰まったり開いたりしていない馬のほうが好成績だ。

 本年の登録馬のうち、前走クラス別で好成績のG1(表4、5)だった馬は、コーディエライトナディア(抽選対象)の2頭だ。コーディエライトは、09年の優勝馬・ワンカラット(6番人気)と同じく、この距離でファンタジーS連対、マイルの阪神JF大敗というパターン。ナディアは、14年の13番人気2着馬・ニホンピロアンバーと同じく、前々走の秋明菊賞で連対(距離は当時と異なる)して阪神JF大敗と、ともにこのレースで波乱を演出した馬と同じステップを踏んでいる。恐らく人気薄になりそうだが、重賞2着で賞金面はクリアしているコーディエライトはもちろん、出走してくれば1勝馬のナディアにも注目したい。

 その他では、本文でも触れた前走1200m【0.0.0.26】、紅梅S【0.0.0.8】、11月以前【0.0.0.11】などで減点が必要になる馬が、人気馬の中にも多い。そんな中では、500万特別戦の1着馬(表4、8)から、アリア、アルモニカ、アンコールプリュの3頭を挙げておきたい。ほかに上位人気馬も加えるなら、レース直前のオッズを見て1〜2番人気馬(表1、近3年すべて馬券圏内)が候補になる。

文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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