菅野、田口に続く3番手以降が飛躍の鍵 V奪還狙う巨人の先発ローテを占う

ベースボール・タイムズ

若手の成長、台頭はあるか

長身から威力のあるボールを投げ込む新加入のヤングマン。外国人枠の関係もあるが、先発の一角を担い、マイコラスの穴を埋めたい 【写真は共同】

 若手の成長も期待したい。筆頭はプロ2年目の畠世周だ。昨季は右肘手術の影響で出遅れたが、7月の1軍デビューから13試合に登板(先発12試合)して6勝4敗、防御率2.99の成績を収めた。今キャンプでは初日から4日連続でブルペン入りしたが、周囲との競争には「自分との勝負。しっかりと自分を持つことが大事」とキッパリ。地に足を付けた調整を続けている。

 3年目の中川皓太も先発入りを狙っている一人。ドラフト7位入団ながらファームで実績を残し、2年目の昨季最終戦で1軍初先発。秋季キャンプでもアピールし、今季から背番号を斎藤雅樹(現1軍投手コーチ)が背負っていた「41」に変更。首脳陣の期待も高まっている。今月24日に24歳となる伸び盛りの左腕が先発ローテに食い込んで来れば面白くなる。

 また、上半身のコンディション不良で3軍スタートとなったドラフト1位ルーキーの鍬原拓也も今後の状況次第で抜擢の可能性あり。3年目を迎えたかつてのドラ1右腕・桜井俊貴も虎視眈々とブレークを狙っており、これらの新しいパワーの台頭が、チームに勢いを与えることになる。

ベテランが復活してこそ…

 その他、吉川光夫(昨季12試合1勝3敗、防御率5.87)、山口俊(昨季4試合1勝1敗、防御率6.43)と期待を裏切った実力者2人の巻き返し。同じく昨季13試合で4勝4敗、防御率5.09と振るわなかった大竹寛の奮起。さらに2年間1軍登板のない杉内俊哉の復帰登板も期待したいところだ。だが、最も影響力があるベテランは、やはり内海である。

 プロ1年目の04年以来のキャンプ2軍スタートとなった元エースは、「まだ始まったばかり。ぼちぼち頑張ります」と言いながらも2日連続でブルペン入りし、第1クール最終日だった4日は全球種を、実戦形式にコースを指定しながら計92球を投げ込んだ。見つめるのは恩師である小谷正勝巡回投手コーチ。昨季2勝7敗、防御率5.77からの復活へ向けて調整を続けている。

 エース一人だけが頑張っても、チームの貯金はなかなか増えない。新戦力の活躍、若手の成長が不可欠であると同時に、ベテランの働きも大事になる。それでこそチームに一体感が生まれ、打線へも好影響をもたらすことになる。キャンプはまだ始まったばかりだが、巨人の18年型先発ローテが、「奮輝」への大きな原動力となる予感は、ひしひしと伝わっている。

2/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

編集部ピックアップ

韓国アマのリ・ヒョソンが「15歳176日…

ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント