堂安律がオランダで自身の成長を実感 精神面での糧は「A代表という目標」

中田徹

開幕戦は「満足していないかった」

堂安はフェイエノールト戦のエル・アーマディ(右)とのバトルで手応えを感じたという 【Getty Images】

 成長を感じたのは、相手の激しい圧迫を受けてもフィジカル負けすることなく、ボールをつなげることができたこと。

「簡単にボールを失わなかったですし、相手が後ろから強く来てもうまく反転して抜けたり、8番の選手(エル・アーマディ)がつぶしにきていると感じても、肩で抑えながらターンしたりできていた。言い方は悪いですけれど、個人的には満足したというか、可能性を感じることのできた試合だったと思います」

 左サイドで堂安がエル・アーマディとのバトルをし続けた結果、中央にスペースが生まれ、味方にこぼれ球が落ちてカウンターの起点になったシーンがあった。ペルー代表のセンターバック、レナト・タピアの背後からのマークをターンで振り切り、スルーパスを通した場面もあった。こうした一つ一つのプレーに「自分の特徴である“身体の強さ”をやっと発揮できている」と堂安は実感した。

 13節を終えたところで8試合出場1ゴール2アシストの堂安は、オランダリーグデビューイヤーをどう捉えているだろうか。

「(プレーの)中身が良くなってきています。開幕戦(対ヘーレンフェーン)は中身もクソもなかった。あの時にもし点を取っていたとしても、記事だけ『堂安すごい』となるだけであって、自分の中では満足していないかったです。(ゴールやアシストという)結果に関して何を言われても仕方ないですけれど、今日のフェイエノールト戦や、この前のフィテッセ戦は自分の成長を感じられています」

 そして、次節のADOデンハーグ戦に向けて、堂安はこう言って意気込むのだ。

「俺が何とかしてやろうと思います」

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著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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