【UFC】円熟のヴェウドゥムが2カ月連続出陣「良い練習できれば試合は普通の1日」
ファブリシオ・ヴェウドゥムが2カ月連続のリングへ 【Zuffa LLC】
代役としてメインイベントに登場するのはベテランのファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)だ。ヴェウドゥムはもともと「UFC 216」(2017年10月)で、ヘビー級赤丸急上昇のデリック・ルイス(米国)と対戦予定だったが、ルイスが腰の負傷で試合直前に欠場、代わってアンダーカードから抜擢(ばってき)されたウォルト・ハリス(米国)と戦った。しかし、ヴェウドゥムは、この相手では物足りないとばかりに、第1ラウンドわずか65秒、アームバーで完勝。ノーダメージ勝利の勢いを駆って、ベテランが2カ月連続の試合にスクランブル発進する。
40歳ヴェウドゥム「あと4、5年は戦う」
ヴェウドゥムはまた、MMAファイターとして世界を股(また)にかけて試合に出場(米国10試合、ブラジル5試合、イギリス5試合、日本6試合)、ラテンアメリカではUFC中継の解説を通じて、MMAのアンバサダーとしても活躍した国際派だ。さらにサブミッション・グラップリングのトーナメントで合計19個のメダルを獲得した世界有数のブラジリアン柔術家でもある。
そんなヴェウドゥムももう40歳になった。自分のキャリアの今とこれからについて、次のように語っている。
「年齢は関係ない。気持ちが大事なんだ。身体も悪くない。ケガはあるが、それは誰しもそうだろうし、幸い骨折などの大ケガはないんだ。だからあと4、5年は戦えると思っている。引退のようなネガティブな話はしたくない。引退しておいて1年や2年で復帰してくるような人にもなりたくない。当面は年に3試合か4試合戦いたいと思っている。目標はベルトだけど、自分にとってはできるだけ多く戦うことも大切なんだ」
「毎日練習している。自分に言わせれば、いい練習さえできていれば、試合はただの普通の1日にすぎない。それでも、オクタゴンに上がって歓声を耳にすれば、ますますモチベーションが高まる。たまにはブーイングも食らうが、それもモチベーションにつながる。力をもらえるんだ」
棚ぼたのチャンスに腕を伏すティブラ
マルチン・ティブラはレジェンドファイターとの戦いにモチベーションを高める 【Zuffa LLC】
試合の6週間前に対戦相手変更の連絡を受けたというティブラは、モチベーションがいっそう高まったと語る。
「ランキング2位の選手と戦えるなんて、本当にすごいことだ。ファブリシオは世界でもトップのヘビー級ファイターに違いない。何せ、全盛期のヒョードル、無敵時代のヴェラスケスにも勝っているんだからね。何か特別なものを持っている選手だ。自分はこういうトップファイターと戦うためにUFCに来たんだよ」
フレッシュな選手の台頭が待たれるヘビー級戦線で、格上ヴェウドゥムを倒すことの意味を、ティブラはよく理解している。
「僕はふだんは試合後のことは話さないようにしている。あくまで目の前の仕事に集中したいからだ。でも、ファブリシオはほんの数カ月前までチャンピオンだった人。そんな人に勝てば、当然タイトル挑戦の資格が生じるだろう」
オージー女傑の果たし合い
他方のクラークはシドニー出身の29歳でMMA戦績は7勝4敗を誇る。自らのファイトスタイルを“典型的なオージー流喧嘩(けんか)屋”だと評するクラークは、もともと出場予定だったジョアン・コールダウッド(イギリス)の代役として、女子格闘技団体Invicta FCから急きょ参戦してUFCデビューを飾る。共に負けられない地元での戦いであり、さらにこの試合で勝てば、現在米国で放映中の「ジ・アルティメット・ファイター(TUF)シーズン26」で決定される初代女子フライ級女王への挑戦に大きく近づくことにもなる。
この他、ベラル・ムハマッド(米国)、粕谷優介と廣田瑞人に連勝している日本人キラーのアレックス・ボルカノフスキー(オーストラリア)、セクシーショットが『ハーレクイン・ロマンス』シリーズの表紙に使われたことがあるという2枚目、エリアス・セオドル(カナダ)など、個性派も名を連ねる「UFCファイトナイト・シドニー」をお楽しみに。
(文:高橋テツヤ)
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