ベテラン競馬記者の◎は3歳馬か古馬か? “女子ばっかり”エリザベス女王杯を激論

競馬専門紙「優馬」

伏兵と呼ぶには失礼な馬も TMイチ押しの穴馬は

田崎「僕も久光君同様に、今年の3歳馬のレベルを疑問視していますが、古馬の中でも不当に評価が下がっているように見えるのがミッキークイーンです。ぶっつけで3着だった昨年と同じように、今年もまた坂路のみでの仕上げですが、坂でしか仕上げられなかった昨年とは違い、万全を期してのものに映ります。牡馬の一線級と伍して戦ってきた力を見直したいですね」

那谷「古傷である左前靭帯を痛めてぶっつけ本番となるのは同じでも、確かに今年の方が仕上がりはいいと思うな。池江寿師も“昨年は腫れ物に触るような仕上げだったけど、今年はできる範囲の中でキッチリ仕上げることができた”と。対して浜中騎手は“動きも反応も息遣いも悪くはなかったですが、順調度で他の馬とは差がありますし、一回レースを使ってグンと良くなる馬ですからね”と、さほどトーンは上がらないけど、休み明けの実績はイメージほど悪くはないんだよ。3着だった昨年以上のデキなら、当然警戒は必要だろうな」

久光「ただ、昨年よりはメンバーが揃っていることも確かですし、昨年同様に坂路のみの調整でどこまで状態を持って来れるかに不安は残ります。ミッキークイーンの力を認めつつも、評価としては4番手が精一杯ですかね」

広田「急遽の乗り替わりもあって株を落とした感のあるスマートレイアーですが、武豊騎手は“以前よりも折り合いがスムーズになったことで操縦性が高くなった”と褒めてましたよ。思えば3歳4月の遅いデビューながら、陣営は早くから“GIでもやれる器”と期待していて、初のGI挑戦となった秋華賞で2着した時には、勝つチャンスもすぐだと思ったんですが、気が付けばタイトルを獲れないまま7歳の秋ですからね。ただ、ここは千載一遇のチャンスでしょうし、強敵揃いのここでも牡馬をねじ伏せた前走の走りを期待したいところです」

目黒「前走が強敵相手に大金星と言える重賞初勝利だったクロコスミアですが、夏場に1000万を勝ってから急激に力をつけたような印象もあるとはいえ、2歳時から重賞路線で健闘し、3歳時もローズSではハナ差2着など、もともと重賞レベルの実力はあった馬です。ただ、大崩れするケースもあってやや安定感に欠けていた馬ですが“以前と比べてレース後の回復も早くなった。カイバもバリバリ食べるようになったから、追い日以外もコースや坂路でしっかり乗り込めるようになったからね”と、西浦助手は体質の強化をアピールしていました。今回は初距離に加えて初騎乗の鞍上がポイントとなりますが“正直、2200mは微妙に長いかもしれないね。岩田康騎手や戸崎圭騎手が乗っている時の様に、逃げる形でも頭を上げさせず、しっかりとタメが利いた走りができるかどうかだろう。和田騎手も今年は乗れているし、うまく持ち味を引き出してくれんじゃないかな”と西浦師。折り合って運べるかが鍵となりそうですね」

那谷ジュールポレールも、阪神牝馬Sやヴィクトリアマイルの内容からここでも大きな力の差があるとは思えないよ。前走はプラス14キロの馬体重だったけど“ビシビシ追ってのものだから全て成長分。背が伸びてトモに筋肉が乗ったし完成期に入った”とは西園師。勝ち鞍は1800mまでだけど、同厩舎だった半兄のサダムパテックがフジキセキ産駒ながら菊花賞で5着と健闘していて“オルフェーヴルが早目に動かなかったらもっと粘れた。母父がエリシオだから大丈夫”と、師はスタミナ面の不安も一蹴しているんだ。人気はなくとも、押さえておいた方がいいと思うな」

デスク「あと、さすがに軸にするわけではないが、ちょっと前まで俺が追い続けてきたウキヨノカゼはどうなんだ?」

小桧山「展開に紛れがあれば……というのはいつも通りだけど、デキに関しては年齢を感じさせない文句なしの状態だよ。ただ、GIで買えるかとなると、如何ともし難い差があると思うけどな」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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