エリザベス女王杯を勝ち切る馬の要素は? 過去の傾向から徹底分析!
脚質別成績
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
種牡馬別成績(過去5年)
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
日本馬の前走クラス・レース別成績
表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走秋華賞からの好走馬
表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走秋華賞以外からの好走馬(日本馬、11年以降)
表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
結論
今年は5歳以上にも上位人気に推されそうな馬は少なくないが、表2にあったように、近年のエリザベス女王杯は3〜4歳馬が中心のレースだ。中でも注目は、昨年の秋華賞馬・ヴィブロス。今年はドバイターフを制し、それ以来の一戦だった前走・府中牝馬Sでは1番人気2着で表8はクリア。ディープインパクト産駒(表5)、差し脚質(表4)という点も好材料だ。
同じ4歳で穴っぽい馬を探すなら、その府中牝馬Sでヴィブロスを下したクロコスミア。同レース7着以内の4歳馬(表8)で駒を進めてきたのは、本馬とヴィブロスの2頭だけだ。ステイゴールド産駒は過去10年【0.0.0.8】だが、全馬8番人気以下。サンデーサイレンス系という点では好走傾向に合致はしており、近年好走の多い5〜7番人気までに入れば楽しみがある。8、10年前とはいえ逃げ切りの例もあるだけに、ハナを切れるとみれば一発の期待もかけられる。
一方、今年は秋華賞上位馬のみの参戦となった3歳勢で、同レース3番人気以内の連対馬(表7)はディアドラだが、ハービンジャー産駒という点がどう出るかがカギ(表5)。4番人気でも、2着のリスグラシューはハーツクライ産駒だけに、対ディアドラなら大きなマイナスにはならなそうだ。ただ、減点材料を抱える3歳馬との比較なら、5歳馬から、ここにきて好走馬の出始めたオールカマーを制したルージュバック(父マンハッタンカフェ)や、昨年3着と同じく休養明けで出走してきたミッキークイーン(父ディープインパクト)、そして昨年の覇者・クイーンズリング(父マンハッタンカフェ)あたりを買う手もある。この5頭、いずれもG1連対実績馬だが、前述のように近年は5〜7番人気の健闘が目立つだけに、配当のつく馬から順に候補に入れてもおもしろい。
文:浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。