中日浮上の鍵を握る小笠原の飛躍 甲子園V投手から竜のエースへ

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1年目から1軍起用で2勝をマーク

3年夏の甲子園で全国優勝を果たした小笠原 【写真は共同】

 15年秋のドラフトで高橋純平(県岐阜商高)の外れ1位として中日の指名を受け入団。多くのスカウトが即戦力に近い実力と高評価をしていた通り、1年目から1軍で投げている。1年目と2年目の成績を比較すると、試合数とイニング数が増え、奪三振率は7.22から7.94、与四死球率は5.23から4.08と良くなっている。

2016年:15試合(72回1/3)、2勝6敗、防御率3.36
2017年:22試合(119回)、5勝8敗、防御率4.84

 投球フォームは、1年目はかなり違和感を覚えた。バックスイングに行くとき、高校時代とは変わって外回りするようになっていたからだ。内回りすれば自然とテイクバック時にヒジが高く上がるが、外回りするとテイクバック時に腕が下がり、これを上げるために動きが1つ余計に加わる。これがスムーズな腕の振りを妨げ、ボールからキレを奪っていく。1年目の小笠原は15試合に登板し2勝を挙げているが投球フォームに疑問符がつき、必ずしも前途洋々という印象はなかった。それが17年は内回りになった。

 テイクバック時にヒジの位置が自然と上がるようになり、腕の振りが格段によくなった。

 1年目は高校時代の勝負球であるカーブとチェンジアップのキレが増し、緩急と高低の攻めに奥行きが生まれていた。2年目はストレートに威力が増し、力勝負できる態勢が出来上がっていた。それが12球団ワーストタイ記録の21被本塁打につながっていくのだが、被本塁打は勝負に行っている証でもある。有原航平(北海道日本ハム)、金子千尋(オリックス)が同じ21被本塁打で並び、涌井秀章(千葉ロッテ)が20本で続いている。

 セ・パで被本塁打数を比べると、セの712に対してパは788と多い。逆に四球数はセのほうが多い。パのほうがストライクゾーンで勝負できる投手が多いと考えていいだろう。小笠原の21被本塁打はなかなか味わい深い。

 17年に挙げた成績を少し検証しよう。6月24日の巨人戦は9回裏、マギーに2ランを喫し惜しくも完封できなかったが先発のマイコラスに投げ勝ち、8月27日の広島戦は6回をエルドレッドの2ランによる2失点に抑え岡田明丈に投げ勝ち、9月3日の阪神戦は6回を上本博紀のソロホームランなどによる2点に抑えメンドーサに投げ勝ち、9月19日の巨人戦は村田修一の2ランによる2点に抑え完投勝ちと、内容も見どころがある。ただ、それぞれの試合でホームランを打たれているように、細かなコントロールが課題だろう。

 3年目の来季は5年連続Bクラスが続くチームを浮上させる役目を担う。つまりエース格の働きである。来季は若手、中堅を中心としたローテーションに様変わりする可能性がある。鈴木翔太、柳裕也、若松駿太ら先輩の“若手”を牽引(けんいん)することができるかどうか、小笠原の飛躍がチームの浮上に関わってくる。

(文=小関順二)
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