【新日本プロレス】棚橋がIC王座V3も試合後にKO ジェリコがUS王者オメガに挑戦表明

高木裕美

怒り狂ったみのるが矢野を粉砕

みのるは因縁の矢野を絞首刑状態で粉砕。NEVER王座を守った 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 NEVER無差別級王者の鈴木みのるは、NEVER史上初となるブルロープ・デスマッチで因縁の矢野通を粉砕した。

 両者の因縁は長年に渡り、みのるが鈴木軍ともども侵攻していたプロレスリング・ノアのリングでも遺恨が再燃。今年の「G1クライマックス」最終公式戦となった8.12両国では、矢野がみのるをテーピングで“梱包”して勝利すると、10.9両国でのタッグマッチでも、矢野が巻かれたロープを脱出して急所蹴りで逆転勝利。宿敵に2度のリングアウト負けを喫した上、ベルトまで盗まれたみのるが「ブルロープで縛りつけてオレと勝負しろ!」と要求した。

 矢野は10.30後楽園大会の前に行われた公開調印式でも「所要のため欠席」して、王者をスカして見せるが、これで怒りが最高潮に達したみのるは、夜の大会でブルロープで矢野を絞首刑。両国で奪われたベルトを奪還していた。

 眉毛まで金髪に染めた矢野は、手首をロープで縛られる前に攻撃を仕掛けるなど、“らしさ”を爆発させるも、みのるは鈴木軍のセコンドを巧みに利用。場外で攻撃を仕掛けてきた金丸義信、エル・デスペラードは、CHAOSの後藤洋央紀が連れ去って排除されるが、矢野がイス攻撃からの鬼殺しを決めると、今度はタイチがレフェリーの足を引っ張ってカウントを阻止。飯塚高史は矢野にイス攻撃を見舞うも、アイアンフィンガーフロムヘルはみのるに誤爆。矢野はすかさずみのる&飯塚に金的二刀流を決め、一気に丸め込むが、カウントは2。みのるは矢野がムキ出しにしたコーナーの金具めがけて矢野を激突させると、ロープを絡めてドロップキック、スリーパー、さらにロープを矢野の首に巻きつけてから、たっぷりと溜めのあるゴッチ式パイルドライバーでフィニッシュ。勝利してもなお、怒りの収まらないみのるに対し、グッタリした矢野、そして巻き添えになったレフェリーたちは、それぞれセコンドに担がれて、無残な姿で退場となった。

オカダと内藤がドーム決戦へヒートアップ

1.4東京ドームに向け、オカダ(中央)が内藤を挑発。しかし内藤はそんなことを気にしない様子だった 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 来年1.4東京ドーム大会でIWGPヘビー級王座を争う王者オカダ・カズチカと挑戦者の内藤哲也が10人タッグマッチで激突。内藤は花道にオカダを連れ出し、ボディースラム、ストンピングから顔面を踏みつけると、場内からは大ブーイング。中盤戦、オカダがDDT、エルボーを放つと、内藤もストンピング、マンハッタンドロップ、ネックブリーカー、雪崩式フランケンシュタイナー。オカダもリバースネックブリーカーで反撃する。10分過ぎ、オカダはBUSHIにドロップキック、ダイビングエルボードロップを決めると、堂々のレインメーカーポーズ。カットに入ろうとした内藤をツームストンで封じ、BUSHIをレインメーカーで仕留めると、試合後、内藤に向かって目を見開くポーズで挑発してみせた。

 因縁の地・大阪でブーイングを食らった上、試合にも敗れ、オカダからは屈辱的なポーズをされた内藤だが、それがどうしたと言わんばかりのふてぶてしい表情で引き揚げていた。

ROPPONGI 3KのSHO&YOHが「Super Jr. Tag Tournament 2017」を制する 【写真:SHUHEI YOKOTA】

「Super Jr. Tag Tournament 2017」優勝決定戦では、ROPPONGI 3KのSHO&YOHが、田口隆祐&ACHのSUPER 69を破り優勝。新たな勲章を手に入れた現IWGPジュニアタッグ王者組に、ヤングバックスのマット・ジャクソン&ニック・ジャクソン組が王座挑戦を訴えた。

 海外修行を経てROPPONGI 3Kへと生まれ変わった元ヤングライオンの2人は、10.9両国で凱旋帰国を果たすと、いきなりIWGPジュニアタッグ王座を奪取。一方、両国ではリコシェとのタッグで王座陥落した田口は、ACHを新パートナーに指名し、さっそくリベンジのチャンスを得た。

 タグチジャパンは10分過ぎ、合体ヒップアタックからYOHに田口がどどん、ACHがミッドナイトスターを決めるも、SHOがカット。ワキ腹の痛みが限界を超えたACHの動きが止まったと見るや、SHOが田口にロコモーション式ジャーマンを決め、合体技の3Kを繰り出すと、ACHにもSHOのバッククラッカー、YOHのジョン・ウーからの3Kで完勝した。

 試合後、元王者組のヤングバックスが登場。かつて、王者組が「テンプラボーイズ」という駆け出しのタッグチームだったROHのリングで、すでにトップチームだったヤングバックスは、ROPPONGI 3Kをヤングボーイ扱いし、上から目線で挑戦表明。これに対し、ロッキー・ロメロ監督は「ROPPONGI 3K、すごいだろ。ヤングバックス、アホだろ」と反論し、タイトル挑戦に対し「OK」と承諾した上で、「泣かすぞ、この野郎。しばくぞ、この野郎。ROPPONGI、最高!」と、日本での下克上実現に絶対的な自信を見せつけた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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