ベルギーリーグで輝く2人の日本代表 森岡と久保は特徴の異なるトップ下に

中田徹

開幕当初は迷いが見られた久保

久保はトップ下にポジションを変えてから迷いが見られなくなった 【Getty Images】

 森岡がゲームメーカータイプのトップ下なら、ゲントの久保裕也はシャドーストライカータイプのトップ下だ。

 10月21日のコルトライク戦で、右ウイングとしてプレーした久保は良いところなく64分でベンチに下がった。

「結果を出さないと代えられる気がしていました。もうちょっと試合に出ていたかったですけれど、前半とかで見せないと代えられる立場にいるんだなと思います」(久保)

 この時の久保は右ウイングとしての動きにも迷いが生まれていた。

「相手に引かれたときに、自分が右サイドでボールを受けてから仕掛けるということができていない。それができれば、だいぶ状況が変わると思うんです。今は裏に一本(走り抜ける)というプレーしかない。代表でも右サイドでやっていますし、課題だと思います」

 3日後にはオイペン戦があった。コルトライク戦でピリッとしなかった久保を、控えと予想するメディアもあった。しかし、イベス・ファンデルハーゲ監督は、トップ下に配置転換することで、久保の迷いを取り去った。キックオフから3分、久保は右からのクロスに右足で合わせ、電光石火の先制ゴールを奪ったのだ。

「今はトップ下の方がやりやすいかなと思いました。両サイドは(サミュエル・)カルーと(モーゼス・)サイモンが突破できるので、僕は中で勝負できる。まだちょっとミスが多いですけれど、久しぶりにトップ下をやったので、良い感覚でできたと思います」

契機となったトップ下への配置転換

 さらに、その3日後のシャルルロワ戦で、久保は2戦連続となるゴールを決めた。浮き球を巧みに処理して相手ペナルティーエリア左側に侵入した久保は、左足で切り替えしてシュートコースを作ると、右足でカーブをかけてファーサイドにシュートを突き刺したのだ。「これぞゴラッソ!」と叫びたくなるようなビューティフルゴールだった。

「こぼれ球を拾ったところから自分でいこうと思った。そこからは感覚。シュートの感覚だった」

 今季の久保は開幕から不振を極め、6試合で266分間プレーしノーゴールだった。レギュラーの座を失った時期もあった。しかし、第7節のオーステンデ戦(9月17日)でいわゆる“ごっつぁんゴール”を決めてからゴールの嗅覚が少しずつよみがえり、10月だけで3ゴールを記録。14節を終えた時点で4ゴールだ。

 しかし、本人も少し前に認めていたとおり、試合から消えてしまう時間帯も長い。シャルルロワ戦ではゴールを決めてミスを帳消しにしたものの、失点につながるボールロストもあった。

 11月3日のスタンダール戦で久保は、鋭いミドルシュート、鮮やかなダブルタッチによる突破など好プレーも随所に披露したが、後半のパス成功本数2本という物足りなさも残った。このプレー内容でノーゴールならば、77分で交代させられたのも仕方あるまい。

「めちゃくちゃフィットしているというわけではないですけれど、シーズンの始まりと比べたら徐々に良くなってきている気がしています。このまま続けていくしかないかなという感じですね」

 ベルギーリーグでプレーする、特徴の異なる2人の日本人トップ下。この2人が、ブラジル戦とベルギー戦で、どこのポジションでどのようにプレーするか、楽しみである。

2/2ページ

著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント