2歳牝馬の新星は現れるか!? ファンタジーS過去10年好走データまとめ

JRA-VANデータラボ

前走クラス別成績

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表4は前走クラス別成績。上から順に見ていこう。前走新馬戦というのは、要するに前項で確認したキャリア1戦と同じ。そして、好走した2頭には「前走1、2番人気」「前走上がり1、2位」「ノーザンファーム生産馬」という共通項があり、これらを満たす馬がいれば狙ってみる価値はありそうだ。前走未勝利戦は、好走例が9頭と最多。3着が多く、複勝回収率198%となっているので、軸馬というよりは相手に選ぶイメージか。前走500万下と前走オープン特別は、いずれも好走率がいまひとつ。ただし、前走オープン特別は回収率がかなり高く、その点は侮れない。前走G3や前走G2の重賞組は、さすがに好走率が高い。特に前走G2はかなりの確率で好走していたのだが、該当するデイリー杯2歳Sの施行時期がファンタジーSよりあとになった、前走G2という馬が出走することは不可能になった。今後は前走G3組が中心になってくるのかもしれない。

前走未勝利戦出走馬の各種データ

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は前走未勝利戦出走馬について、前走人気別成績と前走からの距離変化をまとめたもの。このデータを見る限り、前走が未勝利戦だった場合は、そこで1〜4番人気に推されていることは絶対条件といえる。また、前走より距離延長だと3着どまりなのに対して、同距離や距離短縮のほうが明らかに高い好走率を残している点も見逃せないところだ。

前走500万下・オープン特別出走馬の前走着順別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表6は、前走500万下およびオープン特別出走馬の前走着順別成績を示したもので、大きな特徴はふたつ。まず、好走の大半が前走1、2着馬に限られること。そして、前走1着より前走2着のほうが明らかに優秀な成績を残していることだ。しかし、前走3着以下だと【0.1.0.37】で、かなり厳しくなってしまう。昨年、12番人気のショーウェイが2着に突っ込んだ例はあるものの、この好走率では過度の期待はかけられない。

前走G3出走の好走馬

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は、前走G3出走の好走馬を前走レース別で一覧にまとめたもの。なお、TARGET frontier JVにおける集計では10年2着のホーマンフリップも前走G3出走に含まれるが、実際には新潟2歳Sで競走除外となっており、ここでは含めないこととする。

 好走例が3頭と最多なのは前走函館2歳S。3頭とも函館2歳Sで連対しており、上がりも1位か2位という好内容の走りを見せていた。こうした馬が出てきたら有力候補となりそうだが、今年の登録馬には前走函館2歳Sという馬が見当たらず。来年以降に期待したい。前走小倉2歳Sは好走例が2頭いる。より注目したいのは、小倉2歳Sで1番人気2着だったベルカントより、7番人気13着だったクールホタルビだろう。ここから巻き返したクールホタルビは、小倉2歳Sで4角5番手とある程度の先行力を見せており、ファンタジーSでも4角3番手から激走を果たした。小倉2歳S組に関しては、前走着順を問わず先行できそうなら警戒を払ったほうがいいかもしれない。前走新潟2歳S組の好走は、前述したホーマンフリップを除けばエイシンパンサーのみ。さすがに1頭では傾向を読み取りづらいが、この馬と同等以上の結果を収めているようならチャンスがあるのではないだろうか。

結論

 以上の分析に従い、今年のファンタジーS登録馬で有力と思われる馬を、前走クラスに分けてに挙げていきたい。

 まずは前走G3出走馬で、今年は3頭が該当する。新潟2歳Sで2着だったのがコーディエライト。過去10年で好走例が1頭しかない前走新潟2歳S組だが、唯一の好走例となったエイシンパンサーより着順は上。キャリア3戦で臨むのも好材料で、侮れない1頭になりそうだ。モズスーパーフレアは前走小倉2歳Sで1番人気を裏切る7着に敗れたものの、4角を1番手で通過していた。表7の項で述べた通り、小倉2歳Sで先行していた事実を重く見て、巻き返しの可能性はあると考えたい。

 続いて、前走500万下およびオープン特別出走馬を確認する。表6の通り、この組は前走1、2着には入っておきたいところで、特に2着なら抜群の成績を収めている。今年該当するのは、もみじSで2着だったアーデルワイゼ。名牝ビワハイジの孫という血統からも注目の1頭といえるだろう。あとは、前走2着に比べると好走率は下がるが、前走中京2歳S1着のアマルフィコースト、前走カンナS1着のペイシャルアス、前走ひまわり賞1着のレグルドールの3頭もノーチャンスとはいえない。

 前走未勝利出走馬の場合は1〜4番人気に収まっていることが絶対条件だったが、今年は該当馬がいない。そして、前走新馬戦出走馬からは、表4の項で述べた「前走1、2番人気」「前走上がり1、2位」「ノーザンファーム生産馬」をすべて満たすベルーガに注目だ。

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