東大出身のプロ野球OBが語る宮台康平 最強左腕の呼び声も「納得」

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「あれだけの速球の持ち主は少ない」

東京大出身ということで注目を集める宮台だが、井手氏は「自分のペースでピッチングを作り上げてバッターを抑えるだけ。周りを意識しなくていい」とアドバイスを送る 【写真は共同】

 では、後輩である宮台をどう見ているのか。

 何度か神宮球場で観戦しているという井手氏。「まずストレートの速さにびっくりしましたよね。3年春のストレートはストレートと分かっていても打てない。バッターがほとんど差し込まれていましたから」と高い評価だった。

 その後、左肩の故障に苦しんだことについては、「嫌がる球団はあるかもしれませんが、プロはしっかりと休ませてくれるし、1週間に1回先発して、100球を目処に6イニング、7イニングを投げられるならば問題はないでしょう。また、今の大学はプロほどの体のメンテナンスはできませんけど、プロならしっかりと見てもらえますからね」と大きな問題ではないことを強調する。

 実際、中日のフロント時代でも、日本大4年時に右ヒジを骨折していた落合英二投手を「中日なら治せますから」とドラフト1位で指名。1年間リハビリをさせて、その後リーグ屈指の中継ぎ投手に成長させているのだから説得力もある。

 では、球団編成という立場にいたことから何位指名されるかという話も聞いてみた。

「自分は球団編成にもいましたけど、ドラフト候補を何位指名という評価付けはしたことがないんですよね。それはスカウトの仕事でしたから」と前置きはありつつも、「4年秋の慶応戦のピッチングを見たら後輩という贔屓目なしで見ても左の先発がほしい球団は2位か、3位もあるんじゃないでしょうか。今年のドラフト候補を見ても、左投手であれだけのストレートを放れる投手はなかなかいないですよね」と、わくわくした様子で予想してくれた。

「東京大学史上最高左腕と評価もされていますが?」との問いには、「そこは納得ですね。ボールのスピードが違いますもんね」と即答だった。

リーグ戦通算6勝、防御率4.26

 10月24日、宮台にとって東京大野球部での4年間の公式戦がすべて終了した。リーグ戦通算38試合6勝13敗、175回1/3、123奪三振、防御率4.26という成績を残し、いよいよ26日のドラフト会議で指名を待つ身となった。

 井手氏は「体が復活途上だけど、まだまだ良くなると思います。3年春のストレートが投げられるようにしっかりと下半身を鍛えてほしいですね」とエール。また、東京大出身を騒がれることになるが、「あまり意識しなくていいと思います。自分がいいピッチングをして抑えるだけだからね。騒がれたってしょうがないから。自分のペースでピッチングを作り上げてバッターを抑えるだけだから」と、プロを経験しているからこその重みのあるアドバイスを送った。

 東京大出身の選手として6人目のプロ選手となり、そして井手氏以来同校3人目(新治氏が通算9勝、井手氏が通算1勝)のプロでの勝利はなるか。東京大史上最強左腕の今後は!?

2015年に中日を退団した井手氏。現在は母校・新宿高野球部の臨時コーチとして、高校生を指導している 【スポーツナビ】

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