今年は「○○年に一人」の逸材が中心!? 西尾×小関×福田ドラフト鼎談〜野手編〜
慶応大・岩見は「0か10の選手」
東京六大学リーグ通算20本塁打の記録を持つ慶応大・岩見。長打力は申し分ないが、スカウトいわく「0か10の選手」だという 【写真は共同】
西尾:僕らも来る時に話していたんですけど、評価が難しい……。1位2位で取るとちょっとなと思いますね。
――それでも球団によっては外れ1位の候補にしている報道もあります。
小関:六大学で20本ホームラン打ってドラフト1位じゃない選手って誰がいるんだろうってなりますね。
西尾:20本打った選手がそんなにいないですからね。慶応だし下位じゃ取りづらいかなってことで上がってくると思うんですけど。
小関:3位以上で指名されなかったら取らないとかね。
――そういう縛りもありますよね。
福田:きのう北海道日本ハムの山田(正雄)スカウト顧問に聞いたんですよ。こういう座談会に出るので、岩見どうですかって。そしたら「0か10の選手」だって。インコースがどうしても弱点で、切れのある球をプロの選手に投げられたらゼロになると。それをスイングスピードと技術の向上で克服できたら10になれると言ってました。
――慶応で日本ハムといえば、同じスラッガータイプの横尾(俊建)がブレイクしましたが。
西尾:横尾のほうが器用だと思いますね。
福田:4位とかで取って10になってくれればものすごい価値のある選手になる。1位で取って20〜30発打つのは当たり前だし、打てなくなったら大きな失敗になりますね。
――通算で50安打21ホーマーですね。二塁打が3本ですね。
西尾:2年まではほとんど出てなかったんですよ。出始めたのは3年からですね。
福田:練習を一生懸命やるし、試合にもちゃんと取り組むし、レフトの守備を見ても必死にやってるし。プロに行かなかったら野球やめるっていう心意気はある。
西尾:一浪しているんですよね。
――一浪してますね。
小関:慶応は毎年そういう選手がいますね。指名されなかったらやめるって。
西尾:1位2位はちょっと……と思いますね。とはいえ、これだけ打ったのはすごいと思いますよ。
岩見の打撃フォーム動画
一芸系が多い大学生野手
西尾:山崎は失敗しないと思いますね。あれだけ足速くて守備もうまくて。すごい選手にはならなかったとしても、戦力には絶対になると思いますね。
小関:なんか東京ヤクルトに多いタイプですね。谷内(亮太)とかね、右左の違いはありますけど。
福田:セカンド専門職?
西尾:大学ではそうですね。今年はプロを意識して、スイングが大きくなって。無駄はありますけど、そこまで悪い印象は受けないですね。
小関:大きく振るのはいいけど、ちょっと大きすぎるかなと。振りが強すぎるんですよ。
福田:プロ入ったらもうちょい粘っこくね。そういう選手にならないと。
西尾:通算100安打はすごいですよ。打率も高くて3割2分〜3分打ってるんですよね。これだけ打てるのはなかなかいない。
小関:感じとしては、いって3巡目かなと。
西尾:100安打打ったのは箔ついたなって感じがしますけどね。
――セカンド専門職というのはあまり悪い印象にならないですか?
西尾:ならないんじゃないですかね。
――逆に専門でやる人ってあまりいない?
小関:サードやショートから回る人が多いですからね。
西尾:宮本はまさにそうで、ショートもやりセカンドもやりサードもやるみたいな。ジャパンでもそうですし。
小関:長打力がありますよね。神宮(大学選手権)で満塁ホームラン見ました。
西尾:年々重心が下がっていって、今はノーステップみたいな形に。ちょっと珍しいですけど、間違いなく指名されると思います。3位4位って感じですかね。守備もうまいですし、足も山崎ほどじゃないですけど速いですし、走れますからね。
――東北福祉大の楠本泰史はいかがでしょうか? 大学ジャパンの4番です。
小関:バッティングがいいですよね。
福田:ファースト守ってたね。
西尾:今はセンターですね。外野からのスローイングは悪くないです。足も速いですし。
福田:高校(花咲徳栄高)では内野手でしたね。
西尾:バッティングは楠本のほうが山崎、宮本よりいいですよ。ホームランバッターじゃないですけど、中距離打者でいいバッティングしますよね。
――1年目から1軍でやれそう?
福田:出せば打ちそうですよね。
西尾:3位4位ぐらいでは指名されそうですね。
――上武大の島田海吏もいますね。
西尾:足はすごいですね。一番じゃないですかね。スピードを緩めないのがすごくて、ヒットで4秒ジャストぐらいを見たんです。間違いなく戦力になると思います。
小関:1番を打ってるのが想像できますね。
福田:上武の選手って鍛え抜かれてる感じありますよね(笑)。高校からファームで学ぶことを全部やってる。日常生活の厳しさが出ている。
西尾:昔の亜細亜大みたいですね。
小関:昔亜細亜、今上武ですね。関甲新学生リーグは投手力が高いんですよ。白鴎大とか新潟医療福祉大とか。その厳しいリーグで頭角を現すのは本物ですよね。
――他は誰がいますか?
福田:横浜商大の佐藤・デシャーン・広之。1回か2回しか見たことないけど、そのとき打ったんだよね(笑)。
西尾:運動能力は高いですけど、バッティングはうまくないですね。
福田:なんか見栄えがするんですよね。オコエ(瑠偉/東北楽天)みたいなね。
西尾:一芸系なら九州産業大の原田拓夢がいいですね。守備と足はめちゃくちゃすごい。ショートの守備なら宮本とかを上回ると思います。細身で2番を打ってるんですけど、春のリーグ戦で5割以上打ちました。まだまだ非力ですが、うまくいけばショートのレギュラーもあるんじゃないかと。即戦力じゃないですけど、なれると思いますね。守備と足はピカイチです。プロ志望届出さないと思ったんですけど、出したので。下位でどこか狙ってると思いますね。
小関:守備範囲の広さだったら諸見里匠(国学院大)も。
西尾:諸見里、バッティングも渋い感じで悪くないですね。東都を見ていたらビデオ回す球団多かったですよ。
小関:北村拓巳(亜細亜大)もいますね。
福田:北村はショートができればいいですね。ショートやったとき一瞬いいかなと思ったんですけど。
西尾:微妙なところですね。あと、上位じゃなければ奈良学園大の村上海斗は体大きいし肩強いので、育成になるかもしれないですけどプロが好きそうな選手。
――スケール感のある選手ですね。
西尾:東農大オホーツクの周東佑京も出しましたよね。これもいい選手ですよね。
小関:足速いですよ。
――一芸系が多く出てきてますね。
西尾:大学生は1位2位でいくのは微妙ですね。
小関:あって岩見ぐらいですかね。
西尾:野手は3位、4位が多いですしね。