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今年は「○○年に一人」の逸材が中心!?
西尾×小関×福田ドラフト鼎談〜野手編〜

剛の者・安田。中村は「打てる捕手」に!

履正社・安田(写真左)と広陵・中村(右)も確かな実力を持つ。中村は捕手というポジションゆえ「20年に1人」という評価もある
履正社・安田(写真左)と広陵・中村(右)も確かな実力を持つ。中村は捕手というポジションゆえ「20年に1人」という評価もある【写真は共同】

――東に清宮がいるなら、西には履正社の安田がいますよね。安田に関してはいかがでしょうか?


小関:タイプは清宮と違いますね。清宮は柔軟な感じがするんですけど、安田は最初からカチッと構えてて、動きは大きくないですけど、待ち構えて狙いすまして打つ。松井秀喜(元ヤンキースほか)のようなタイプですね。


――柔の清宮に剛の安田って感じですかね?


西尾:まさにそれです!


小関:U−18ワールドカップでも3割2分以上打って、木製バットでしっかり結果残してますから。いろいろな球種にもしっかり対応できるバッターですね。剛の者にして柔の部分も持っているってことですね。


――安田も頭のいい選手という印象を受けますが。


西尾:考えてやってるんじゃないですかね。直接話したことはないですけど、インタビューとかを聞いてると。あと取材した関西の人に聞いても、あんまり変な方向にならないと言ってました(笑)。


小関:当初は代表候補に選ばれてなかったんですよね。そのときは大阪のライターが「なんでですか!」って怒り心頭で。選考する側の言い分としてはやっぱり「大物打ちは1人でいい」「足が遅い」とかですね。そのうわさを聞いて「下手じゃないし、肩もあります!」ってことを言ってて。確かに肩はありますね。守備もうまくもなければ、下手でもない。走るのも三塁打で12秒10というのが日本大との壮行試合で出ています。ちゃんと走ればみんな速いんですよ、あの辺は。清原だってよく走ったじゃないですか。


――三拍子そろっているほどじゃないけど、一定の水準は達しているのですね。


西尾:バッティングだったらこれも何年かに1人しか来ないレベルじゃないですかね。


小関:花園球場(大阪)でホームランを見たんですよ。低いライナーで一直線。


西尾:見るからに打ちそうですね。オーラがすごい。


小関:打つ選手って間の取り方がゆったりしています。緩急やいろんな球種に対応しようってことで。そうすると動きが小さくなって、バッテリーが威圧されているのが目に見えるんです。「ちょっとこれはまともに投げられないな」っていう怯えが。ちょっと甘いところに吸い込まれるように入っていくとボーンといかれる。


――福田さんは安田についてどう見ていますか?


福田:イメージ的にはポジションを見ても高校時代の松井秀喜のような感じがしますね。ただ、カナダに行く前にスカウトの人に聞くと「清宮に比べるとちょっと落ちるぞ」と話していた。かと言って、悪いわけじゃないですけど。体も強そうだし、清宮と同様にいいコーチと出会って、3年ぐらいがんばって練習して、不動のレギュラーになるぐらいの力はあるんじゃないですかね。

安田の素振り動画

(撮影:沢井史)

――中村についてはいかがですか?


小関:清宮が10年に1人だったら、こちらは本当に20年に1人ぐらいですよ。キャッチャーとして。広島の苑田聡彦スカウト部長に聞いたら「谷繁(元信/前中日監督)以来じゃないかな」って言ってましたね。僕は城島(健司/元マリナーズほか)以来じゃないかと思いますね。彼が指名されたのが1994年ですから、23年ぶりに現れた超大物。こういう選手って本当に少ないですよ。出てきたらキャッチャーがいないところは取りに行かないと一生悔いが残る。ピッチャーに行ったらダメなんですよ、こういう選手がいるときは。


西尾:県大会で見たときはそんなに打つと思わなかったんですよ。バッティングがそこまで良くなくて、デッドボールが当たったこともあり、下位を打っていました。今思うと本調子じゃなかったのかも。肩はすごいなと思ったんですけど。やはり甲子園に行ってから劇的に良くなったと思いますね。1回戦の中京大中京戦、あそこからゾーンに入ったように見えました。


――あの試合はどちらも右方向へのホームランでした。


西尾:右方向にあれだけ打てるのはすごいなと思いましたね。


小関:人が打てないコースを打ちますよね。内角の高め、胸元なんて一番苦手にするんですけど、その辺をホームランにできちゃうのは坂本勇人(巨人)みたいですね。


――なんとなく打ち方も似てますよね。


西尾:肩に関しても、タイムだけでいったら中村より速い選手もいるんですよ。二塁到達タイムで1.8秒台はなかったんですけど、ボールの伸びというか質が違う。あとバント処理。あれはちょっとすごかったですね。


小関:小フライをダイレクトで捕るのもあったし。ゴロになったのも脱兎のごとくビャッと行く。2−6(キャッチャーからショートへの送球)とかね、そういうプレーは狙ってないとできないですから。参加意識が強いってことですね。


西尾:あと足が速い! すごい速いです。盗塁もよくしています。


小関:実戦での肩が魅力ありますよね。二塁にランナーがいるときにけん制をよくやってたんですよ。肩を見せたがるというのもあるんですけど(笑)、それが2秒ジャストとかが多かったですよ。


――球団によっては中村をキャッチャーではなく内野手でやらせたいところもあるとか。広島ってそう言いますよね。


福田:坂倉(将吾)っていうのがいてね、あの子を育てたいみたいなので。ただ地元球団だからね……取るとしたら「サードやってくれたらいいんだけどな」と言ってましたけどね。(※14日のスカウト会議で中村の1位指名を明言)


西尾:小関さんは坂倉を外野にしたらいいんじゃないかって言ってましたね。


小関:ソフトバンクの永山(勝)さん(アマスカウトチーフ)に「広島は坂倉がいるので中村は厳しいですかね?」って聞いたら、「いやいや、坂倉を外野にすればいいじゃないですか」と(笑)。坂倉は高校3年でキャッチャーになって、それまでは外野のいい選手だったんですよ。


――そういう共存の仕方もある。


西尾:キャッチャーとしての肩でいったら中村のほうが全然上だと思います。


福田:キャッチングがね、ちょっと課題があるって言う人もいますね。


――ちょっとミットが流れてしまうとか。


福田:あと、止めるとかね。


小関:森(友哉/埼玉西武)とかもそうだけど、バンッて上からいってしまう。これは一番嫌われますね。


福田:この前国体見に行ってきたんですけど、タイム測ってみたら1.8秒台をきちっと出していました。ただ、後ろに逸らしたりっていうのはありましたから、言われてみると多少課題があるのかなと。


西尾:まだ高校生ですからね。


――そこはプロの練習を積んでいいキャッチャーになればいいって感じですね。


西尾:バッティングは捨てないでほしいですね。


福田:どうしても守備優先になっちゃうからね。


――今のプロ野球界がそういう流れになってますよね。


西尾:打てるキャッチャーがいない。


福田:2割5〜6分は打ってほしいよね。このくらいの選手なら。

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