連覇の広島か、勢いのDeNAか セCSファイナルステージ見どころ

ベースボール・タイムズ

「田中&バティスタ」対「ロペス&筒香」

CSファイナルへ向けて、本拠地で入念な調整を行った広島 【写真は共同】

 乱打戦も予想される今カード。両チームの打者陣の中からキーマンを探したい。

 広島では今季の通算打率2割9分0厘だった田中広輔が、DeNA戦では打率3割4分6厘、4本塁打、18打点、の好成績で、盗塁も6個成功させている。投手別に見ても、石田にこそ6打数1安打だが、浜口には8打数4安打の打率5割で、今永に19打数8安打、ウィーランドにも14打数6安打でともに打率4割台。同じくDeNAと対戦した昨季のCSで12打数10安打の活躍でMVPに輝いたリードオフマンが再爆発できるか。また、バティスタも12試合で打率4割2分3厘、4本塁打、8打点の好相性を誇る。12日の練習試合でも特大アーチを放っており、けがの鈴木誠也に代わって打線の起爆剤になっている。

 一方のDeNAでは、ロペスが今季の広島戦で打率3割4分7厘、7本塁打、26打点の大暴れ。薮田に5打数2安打、野村に16打数7安打、大瀬良に8打数3安打、中村祐に9打数4安打と、先発が予想される投手たちから軒並み好成績を残しているのが頼もしい。そして主砲・筒香嘉智も今季通算では打率2割8分4厘だったが、広島戦では打率3割2分3厘、6本塁打、19打点の好相性。阪神とのCSファーストステージでも、ロペスが打率4割2分9厘(14打数6安打)、筒香は打率3割5分7厘(14打数5安打)と快音を響かせ、勢いに乗って広島入りした。好調な彼らの前に、どれだけ走者を置けるかも重要になってくる。

セ初の3位からの下克上は可能?

 過去10年のセ・リーグのCSファイナルステージを振り返ると、2位チームが日本シリーズに進出したのは2回(07年中日、14年阪神)あるが、3位チームが勝ち上がったのは0回。パ・リーグでは10年の千葉ロッテが、レギュラーシーズン3位から埼玉西武、福岡ソフトバンクを連破し、そのまま日本一まで駆け上がった“史上最大の下克上”があるが、セ・リーグではその例がない。

 また、2007年の中日、14年の阪神はともにファーストステージを2試合で終え、迎えたファイナルステージでは負けなしの4連勝を飾っている。1勝分のハンデだけでなく、日程面の不利を抱えてのスタートになるが、それが影響する前に、そして優勝チームの調子が整う前に、勢いに乗って一気に駆け上がったことが分かる。

 広島が有利なのは間違いない。戦力的にも整っている。同じカードとなった昨季のCSファイナルステージでも、広島が4勝1敗とDeNAを一蹴した。だが、今季のDeNAには、8月の広島戦で3試合連続のサヨナラ勝ちを見せた勢いと、CSファーストステージでも初戦黒星から逆境を乗り越えてきた力強さがある。再び広島が強さを見せるのか。それともDeNAが昨季のリベンジを果たすのか。いかなる結末であろうとも、おそらく熱い戦いになることは間違いない。

2/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント