横山典アエロを追う武豊リスグラシュー どっちが有利?混戦・秋華賞の記者座談会

競馬専門紙「優馬」

トライアルの勢いをそのままに ディアドラ&ラビットラン

東のトライアル紫苑Sを勝ったディアドラ(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

武井「春のクラシックホース2頭が、秋緒戦でともに掲示板にも載らぬ惨敗を喫したことからも、今年は春の勢力図を鵜呑みにできないと思いますし、夏以降の成長の度合いが鍵となるでしょう。そしてもう一点、道悪になることも考え併せれば、ディアドラに注目したいですね。外を回って押し切った紫苑Sも強かったですが、それよりも評価したいのは古馬の強敵を捻じ伏せた2走前のHTB賞。当時が力の要る洋芝での稍重馬場だったことを考えれば、かなりの道悪適性があると見ていいはずです」

西田ディアドラは、ここ2走とも小回りの2000mできっちりと結果を出している点が魅力ですよね。着差こそ僅かですが、相当強い内容だったと言えますし、京都内回りでの大一番でも、差し切ってくれると信じてます」

佐藤直「強力な先行馬2頭がともに初距離なら、おそらく流れは後半勝負になるはずだよ。オークスは前半こそスローだったけど、後半の5ハロン57秒8は史上最速だったんだ。その流れを上がり最速で4着だったディアドラは、後半勝負に強いと見ていいし、道悪の桜花賞でも上がりは最速だったんだから、天気も追い風となるだろうな」

デスク「ただ、ここ2戦が小回りコースで外を回っての差し切りだけど、さすがにGIの舞台で同じ競馬では厳しいんじゃないか?」

加茂「そのあたりについて陣営は“ベストは外回りだけど、使いながらレースが上手になっているので、今なら馬込みに入れて競馬もできる”と。前走のように大外を回らなくても、巧く捌ける可能性が高そうですわ。“セールスポイントは精神面がしっかりしていてタフなところ”と橋田師も言うように、デビュー以来体調を崩したことがない馬やし、状態面に関しても太鼓判が押せまっせ」

デスク「対して、ローズSのラビットランは8番人気での勝利だったけど、何よりインパクトのある勝ち方だったし、陣営も手応えがあったんだろ?」

目黒「いえいえ“正直、びっくりしましたね。距離もギリギリかな……と思っていましたし、中京戦では凄い脚を使ってくれましたが、500万条件でのものでしたから”と陣営も驚きを隠せない様子だったんですよ。タピット産駒といえばダートというイメージ通り、実際にデビュー戦はダートで大楽勝。芝で2連勝をして一躍、注目馬となったわけですが、担当の辻野助手は“体付きもさらにパワーアップしている感じですね。芝・ダートの適性がどうというより、根本的に身体能力がかなり高い馬。和田騎手も無理に出して行かないようなレースをして、この馬の瞬発力を最大限に引き出してくれるはずですし、距離もこなしてくれると思います。あとは馬場ですね。ダートを走るパワーがあっても、芝の道悪を走る力とイコールじゃないですから。あれだけ瞬発力があるので、やはり良馬場でやらせたい”と期待を寄せてましたよ」

吉田「僕は、ラビットランは道悪になっても大丈夫だと思ってます。ダートで結果を出している馬で、芝の道悪が苦手という馬は少ないはずです。前走がフロック視されとるのか、道悪や距離が嫌われとるのか、いずれにしろ思ったほど人気にならないんやったら馬券的にもおいしいですわ」

デスク「そのローズSで惨敗して株を下げたかと思ったファンディーナも、結構◎がたくさん付いているな」

小野智「ローズSのファンディーナは、仕上り途上だったと見ていいはずです。前哨戦は捨てて本番に全力投球、という形でしょうし、好位でセンスよく立ち回れるのもここでは大きな強味になると思います」

須藤「前走は明らかにソフトな仕上げでの始動戦でしたからね。敗れても、フラワーCまでの“世代牝馬のトップクラス”という評価は下がらないはずですよ」

坂倉「7着だった皐月賞にしても、内容は評価すべきものだったと思います。外回り1800mでのものとはいえ、2戦2勝の京都コースも合うはずですし、今回はチャンスでしょう」

伊利ファンディーナは、中3週で時計5本と調教が強化されていますし、さらにはデビュー以来初めてとなるコースでの最終追い切りも敢行しています。天才少女の衝撃的な走りが蘇ると見ていいでしょうね」

那谷「俺はローズSの結果にかかわらず秋華賞の◎はファンディーナにするつもりだったんだけど、“負けるとすれば息ができていなかったということ”と岩田康騎手が言っていた通りの負け方だから、今回に向けては何の不安もないよな。ただ、今回の最終追いを終えて岩田康騎手は“もうひと沈みがあってもいいけど……”と、少し納得のいかない表情だったんだ。これをどう判断するかは難しいけど、“能力的にはファンディーナが一番”という関係者の声は何度も聞いているし、初志貫徹で行こうと思ったんだよ」

広田「高野師も“一度実戦を使った効果で、アバラが浮き出て見えるようになり、明らかに体が引き締まってきた”と、確実に良化していることをアピールしていましたが、一週前の追い切りが少し軽過ぎたようで、何とか最終追いまで試行錯誤を繰り返しながら調整を進めてきたようです。正直言って、まだ良くなり始めたところかと個人的には思ってますが、それをカバーして勝ち負けになるだけの地力があることも確かですからね」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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