DeNA・梶谷、CSへ向け燃える 「1戦1戦集中して向かっていく」

週刊ベースボールONLINE

昨年は「初めて試合に負けて泣いた」

8月23日の広島戦では延長10回に適時二塁打を放ち、サヨナラ勝ちを決めた 【写真:BBM】

 1年前のCSではファイナルステージで広島に敗戦。今年、同じ舞台に立つためには阪神という高いカベを越えていかなければならない。敵地・甲子園での戦いとなるファーストステージ。カギとなるのは技術や戦術とは別次元のものが大切だと梶谷は話す。

──昨年のCSでは骨折しながらプレーするガッツを見せましたが、最後は悔しい思いをしました。あの悔しさ、経験は今年に生かされていますか?

 大きな経験でした。込み上げてくるものがあって、プロ野球に入ってから初めて試合に負けて泣きましたから。今年はなんとか日本シリーズに行きたいという強い気持ちでやっています。やり返したいです。

──マツダスタジアムで敗れたことが今年の原動力となっていた?

 そうですね。昨シーズンの終盤くらいからですかね、本気で試合に勝ちたいと思い始めたのは。それまでも毎試合、勝ちたいと思ってプレーしていましたが、本気ではなかったんだと思います。それよりも自分がプロの世界で生き残ることが最優先。人生や生活がかかっているので、いい成績を残して金を稼ぎたいとか、そっちのほうが大きかった。当時はハングリーというか、そういう気持ちでやらなければ僕のような選手は、この世界からすぐに消えていったでしょう。でも、昨年のCSを経験してから考え方が変わった。「勝ちたい」と思うようになれたんです。

「打撃の調子をピークに持っていく」

──CS開幕まで残り少ない調整の期間です。何を意識して調整していますか?

 打撃の調子をピークに持っていくことですかね。CSに向けてどれだけ詰め込めるかだと思うので。それと同時に、しっかり休みを取ることも大切です。体と頭をしっかり休めること。日本人はなんでこんなに働くんでしょうね(笑)。休むことも練習の一つです。
──9月末、4連休明けの中日戦(9月23日)では初回一挙8得点という試合もありました。

 チームの1人ひとりが試合のない期間に頭を整理して、考えた結果がいい方向に出たのだと思います。阪神とのCS初戦にもそういう形で入っていくのが理想ですけど、相手も強い気持ちで臨んでくるでしょうからね。結局、最後は気持ちの勝負です。人間、腐っても最後はハートなんです。

──打線とは不思議なもので、中日戦のように大爆発するときもあれば、まったく沈黙することもある。特にDeNA打線はその傾向が強いように思います。

 それが野球なんでしょうね。僕らも永遠に分からないかもしれません。自分たちも思いますよ。「こんなに点が入らないことってあるか?」って思う試合もあれば、中日戦のように大量得点もある。生き物みたいで、不思議なものですね。でも、そういうものを引き寄せるのは個々の技術もありますが、やっぱり気持ちなんだと思います。ハートの強さが周囲の心を動かすと思うので。

──CSでどんなプレーを目指しますか?

 どんな形でもいいので、チームの勝ちに関わるプレーをすることだと思っています。

──阪神戦の打率は3割2分6厘と打っています。

 今年、数字がいいですよね。ただ、阪神はリリーフ陣がセ・リーグで一番手ごわいです。勝ちゲームではない場面で登板する投手でもかなりいいですから。冗談抜きにブルペンの投手は全員素晴らしい投手がそろっているので、とても厄介ですね。しっかり対策を立てて、1戦1戦集中して向かっていきたいです。

──阪神戦に向けて意気込みを聞かせてください。

 気持ちで負けたくないですね。負けたら終わり。個人がどうということじゃなくて、高校野球のように1試合1試合、チーム全員で“束になって”戦いたいですね。DeNAはすごく若いチームです。しかし、阪神は若い力もありつつ、いいところでベテランの方が勝負を決める。だから、チームとして強いんだと思います。それでも何とか倒したいという強い思いで臨みます。

──DeNAのストロングポイントはどこですか。

 ハートは僕らのほうが絶対に強いと思っています。あとは、このチームのウリである“乗せたら怖い”という部分ですね。CSの開幕が本当に楽しみです。

取材・構成=滝川和臣 写真=桜井ひとし(インタビュー)、BBM

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