本田真凜、再認識した“自分らしさ”「守りに入る必要ない」演技構成変更へ

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「この演技ではシニアで通用しない」

7日のジャパンオープンでは、参考記録ながら自己ベストを上回る得点を挙げた本田真凜。しかし6選手中5位という結果に終わった 【写真:坂本清】

 16歳の本田真凜(関西大中・高スケート部)にとって、シニア2戦目となる7日のジャパンオープンは、自身を見つめ直すという点において、意義深い試合となった。

「ジュニアのときならこの演技で満足できたと思いますけど、シニアですごい選手と滑ってみて、本当に足りないところがたくさんあると思いました。久しぶりに悔しい気持ちがあるので大切にしたいと思います」

 フリーのみで争われる同大会で、本田は133.41点と参考記録ながら自己ベストを上回る得点を挙げた。しかし、結果は6選手中5位。日本から共に出場した2歳上の三原舞依(シスメックス)とは14点差、昨シーズンの世界ジュニア選手権で優勝を争った1歳下のアリーナ・ザギトワ(ロシア)にも11点差をつけられた。

 ベストをマークしたのだから、本田の演技が悪かったわけではない。後半の3連続ジャンプこそ最初の3回転フリップをミスし、単独となってしまったが、最後のダブルアクセルに2つのジャンプをつけて、なんとかリカバリーした。それでも1位のエフゲーニャ・メドベージェワ(ロシア)、2位の三原が技術点を70点台後半、演技構成点も70点台に乗せたのに対し、本田は共に60点台(技術点69.20点、演技構成点64.21点)。そこにあるのは純然たる実力差だ。

 本田自身もそれを痛感したのだろう。「この演技ではシニアで通用しないと思ったので、自分の演技をもう一度見つめ直したい」と語っていた。

より難易度の高い構成に変更か

チームメートだった三原(左)とも実力差を見せ付けられた。ジャパンオープンを振り返り「悔しかった」と話す 【写真:坂本清】

 そして一夜明けた8日。本田の気持ちには変化が生じていた。

「昨日の試合が終わってから、やっぱり守る必要はないんじゃないかと感じました。シニア1年目の私には、この試合が悪いからと言って特別失うものはない。昨夜は悔しかったので、自分ができる演技の中で一番点数の高い構成をひたすらノートに書いていました」

 シニアデビュー戦のUSインターナショナルクラシックで優勝。注目度が高まる中、無意識のうちに気持ちが守りに入ってしまっていた。ジャパンオープンの前日にも「皆さんの足を引っ張らないように、ミスのない演技をしたい」と話しているように、心の比重が“守”に傾いていたのは否定できない。もちろん団体戦ということもあり、自身のミスがチームの結果に直結してしまうため、慎重にならざるを得ない事情はあった。とはいえ元来は怖いもの知らずで、難しいことに挑戦しながら実力を伸ばしてきたタイプ。そんな自分が「ミスのない演技を目指したいなんて、らしくない」と感じた。

「私は挑戦していく側だと思っているので、今後はもっと楽しく、緊張感を持って臨める試合にしていきたいと思います」

 実際に考えたのは3回転ルッツ+3回転ループを入れた演技構成。元々そのコンビネーションは得意としていたが、難易度が高く、ループのリスクを考えて外していたという。

「もうそんなこと言っていられないです。ノーミスを目指したいという目標自体がまず間違っていました。今よりも難しい構成で挑戦して、失敗してもいいくらいの気持ちでたくさんやっていかないと、シニアでは相手にならないと思ったので、帰ったら必死で練習します」

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