【GLORY】日本格闘界がオランダに与える影響 新K-1に合わせて軽量級にスポットも

遠藤文康

「GLORY45」 試合結果

5Rに胴回し回転蹴りを駆使したアダムチャク。思わぬ飛び道具にロスマレンも意表をつかれ動きが止まった 【(C)Glory/Eric Jackman】

<65キロ級タイトルマッチ>
○ロビン・ファン・ロスマレン(オランダ)
(判定5−0)
●セルゲイ・アダムチャク(ウクライナ) 

【ロスマレンが王者防衛】
 元GLORY70キロ王者だったロスマレン。シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)に敗れて王座陥落後は階級をひとつ落とし、今は65キロ王者に。GLORYでの二階級制覇は1つの偉業だ。その防衛戦。対するアダムチャクはGLORYの元65キロ王者。つまり新旧65キロ王者によるタイトルマッチとなった5ラウンド戦。

 序盤から最後まで展開は同じだった。リングを回るアダムチャク。ひたすら前に前に出て追うロスマレン。的確な当たりはアダムチャクでロスマレンの顔は腫れた。逆にロスマレンのパンチは上手くアダムチャクに交わされたものの圧倒的に手数ではロスマレン。最終ラウンドに胴回し回転蹴りという飛び道具を駆使したアダムチャクは場内をわかせた。互いに決定打がなく前に前に出た印象点と手数の差で判定はロスマレン。無事に防衛に成功。

蹴りの軌道を見誤ったヘルヘスはまともに食らって昏倒 【(C)Glory/Eric Jackman】

<ヘビー級ワンマッチ>
○ムラデン・ブレストヴァッチ(クロアチア)
(1R0分37秒 KO ※左ハイキック)
●ヘスディ・ヘルヘス(エジプト)

【ブレストヴァッチが左ハイでヘルヘスをKO】
 チャクリキが解散したことでボスジムへ移籍したヘルヘスだったが、慣れ親しんだ恩師トム・ハリンク会長の指導を求めると、ハリンク会長は「ヘルヘスのためだけに」との条件で復帰。今回はクロアチアのブレストヴァッチとの一戦。両者パンチからミドルの攻防が何度か繰り返され、再びブレストヴァッチの左ミドルへガードを構えたヘルヘスだが、ブレストヴァッチはがら空きとなったヘルヘスの頭部へ左ハイをたたき込んだ。大木が倒れるようにマットに沈んだヘルヘス。しばらくして起き上がったもののその表情は失意に溢れ、ブレストヴァッチに一言声をかけてから早々にリングを降り一人控え室へ戻ってしまった。

予選を36秒KOで上がったドゥットは決勝も12秒KO。ともに左フックでのKOだった 【(C)Glory/Eric Jackman】

<85キロ級コンテンダートーナメント セミファイナル第1試合>
○マイケル・ドゥット(オランダ)
(1R0分36秒 KO ※左フック)
●ドラゴス・ズブコ(モルドバ)

【ドゥットが決勝進出】
 ズブコが軽快な動きで出入りよく手数を出し攻め込んで行ったものの一瞬の隙をドゥットが左フックでアゴを打ち抜きズブコはマットに沈んだ。まさに閃光の一撃。

<85キロ級コンテンダートーナメント セミファイナル第2試合>
○メニー・マンチャ(米国)
(2R1分22秒 TKO ※ハダル右拳負傷で続行不能)
●イマド・ハダル(モロッコ)

【ハダルが無念の右拳負傷でマンチャが決勝へ】
 序盤から圧倒したハダル。ダウンを奪われロープ外に転がり落ち散々なマンチャ。2Rに入りハダルは勝利目前にしてスリップし不自然な態勢でマットに手をつき拳を負傷。試合続行不能に陥りまさかのマンチャのTKO勝利。よもやの事態に、サンドバッグ状態だったマンチャへ拍手喝さいと大爆笑が場内からわき上がった。

<85キロ級コンテンダートーナメント ファイナル>
○マイケル・ドゥット(オランダ)
(1R0分12秒 KO ※パンチ連打から左フック)
●メニー・マンチャ(米国)

【ドゥットが意気消沈のマンチャを秒殺KO トーナメント制覇】
 これ以上ないという暗い表情でコーナーに立つマンチャ。予選で一方的に攻められボロ雑巾のようになりながらも相手自滅という極めて不本意な勝利で決勝に上がったことで、全身から嫌々感がにじみ出ている。決勝にこんな表情で登場する選手も珍しい。そして場内全員が思った通り、そして恐らくマンチャ自身も予感した通り、ゴングが鳴るやドゥットから一方的にパンチが襲いかかり強烈左フックでマンチャ昏倒。数分間マットから起き上がれなかった。トーナメントを制したドゥットがタイトルマッチへ挑む。
<スーパーファイト 65キロ級ワンマッチ>
○ザカリア・ゾウガリー(モロッコ)
(判定5−0)
●マサロ・グルンダー(オランダ)

【ゾウガリーの動きがグルンダーに勝り判定勝利】
「GLORY」の判定は5人制。その5人全員がゾウガリーに判定を上げた。ともにスピーディなファイターだが、ゾウガリーの仕上がりが一枚勝ったという印象。とはいえ互いに決定打を許さず最後まで目の離せない攻防となったが、スピード・手数・ムーブメントのすべてにおいてゾウガリーがグルンダーを上回った。

 序盤は差異がなく一回り大きいグルンダーに勝機があるようにも見えたが、中盤終盤に進むにつれゾウガリーの軽快な動きにグルンダーは一拍遅れる印象となり判定は5−0。負けたグルンダーもゾウガリーの動きの良さに脱帽しその勝利を素直に褒め称えていた。しかしながらこの両者。再戦があればまた違う結果になるとも思われ実力的に五分。今回はゾウガリーの日だったということだろう。

<73キロ級ワンマッチ>
○ケビン・ヘッセリング(オランダ)
判定5−0
●ストイアン・コプリフレンスキ(ブルガリア)

<77キロ級ワンマッチ>
○エイファン・ダネンブルグ(オランダ)
(2R1分50秒 TKO ※3ダウン)
●ウェリントン・ウエガ(ブラジル)

<70キロ級ワンマッチ>
○ティヤニ・ベズタティ(モロッコ)
(判定5−0)
●ヨドクンポン・シットモンチャイ(タイ)

<85キロ級ワンマッチ>
○ユスリ・ベルガロウイ(チュニジア)
(1R2分47秒 TKO ※ドクターストップ ウィルニスが左目上裂傷)
●ジェイソン・ウィルニス(オランダ)

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