韓国初の代表専任監督になった宣銅烈 日本仕込みの投手運営で期待背負う

室井昌也

日本にもなじみのあるコーチ陣

過去の国際大会では監督選考が難航し、前年度優勝監督が代表監督を務めるという規定を設けたこともあった韓国。そんな中、5度代表チームを率い窮地を救った金寅植(キム・インシク)氏が勇退(写真左)。宣監督にバトンを渡した 【ストライク・ゾーン】

 宣監督の初陣となる11月のアジアプロ野球チャンピオンシップ(24歳以下または入団3年以内の選手が出場)には、コーチ陣に日本でのプレー経験のある李鍾範(イ・ジョンボム/元中日)、鄭ミン哲(チョン・ミンチョル/元巨人)らが名を連ねる。NPBには96年に来日した宣監督以降、韓国人選手が毎年必ず在籍していたが、今年は22年ぶりにゼロ。

 一方で呉昇桓(オ・スンファン/カージナルス)、李大浩(イ・デホ/韓国ロッテ)をはじめとしたスター選手のメジャー入りが続いたため、現在、韓国での日本球界への関心は非常に低くなっている。そのため、今の韓国で日本野球の影響を感じることはあまりないが、宣監督の評価に関しては日本での経験が指導者としての信頼となっている。

11月の投手起用に注目

宣監督は1996年から日本球界の中日で4年間プレー。抑えとして98セーブを挙げた 【写真は共同】

 宣監督は就任会見で今年3月の第4回WBCで韓国代表が1次リーグ敗退した理由をこう挙げた。

「1試合を任せられる先発投手が第1、2回のWBCや北京五輪にはいたが、今回はいなかった」

 アジアプロ野球チャンピオンシップは最大3試合の短期決戦。ゲーム中盤まで最少失点に抑えられる先発投手の存在と、状況に応じてマウンドに上がるリリーフ陣の成否が勝敗を大きく左右する。投手起用に関してメディア、ファン、選手から全幅の信頼を得ている宣監督が若き投手陣をどう操るか。その中から東京五輪で韓国を背負って立つ投手が現れるのか。韓国ではその手腕に期待が高まっている。

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著者プロフィール

1972年東京生まれ。「韓国プロ野球の伝え手」として、2004年から著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』を毎年発行。韓国では2006年からスポーツ朝鮮のコラムニストとして韓国語でコラムを担当し、その他、取材成果や韓国球界とのつながりはメディアや日本の球団などでも反映されている。また編著書『沖縄の路線バス おでかけガイドブック』は2023年4月に「第9回沖縄書店大賞・沖縄部門大賞」を受賞した。ストライク・ゾーン代表。

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