神戸新聞杯出走のダービー馬に死角なし? データ鉄板も馬券妙味は別馬にあり

JRA-VANデータラボ

前走1000万下組の3着以内馬の前走成績(過去10年)

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表5は前走1000万下組の3着以内馬6頭の前走成績。これら6頭はすべて前走古馬相手の1000万下を連対して臨んでいた。また、6頭すべて今回距離延長で、4頭は前走上がり2位以内で好走していた。

 1000万下組からは勝ち星こそないものの、オウケンブルースリ・ビッグウィーク・トーホウジャッカルの3頭が続く菊花賞を制している。素質馬が夏場に力をつけて、ダービー組との対戦で実力の間合いを試されるレースといえるかもしれない。昨年のミッキーロケットは直線で見せ場十分のクビ差2着と、1000万下組が勝利してもおかしくはない。

今秋の3歳トライアルの結果

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表6はこの秋の3歳トライアルの結果をまとめたもの。牡馬・牝馬合わせて3レースともに、前走条件戦を使ってきた馬が勝利している。ディアドラはオークス4着、ミッキースワローも京都新聞杯5着といったG1・重賞での実績はあったが、夏に古馬相手の条件戦を使われた強みが出ているのだろう。

 賞金が足りている実績馬ではなく、夏に条件戦を使われた上がり馬が勝ち切る流れがこの秋にはあるようだ。

結論

表7 今年の神戸新聞杯の出走予定馬(9/20現在) 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今年の神戸新聞杯の出走予定馬は表7のとおり。

 今回はダービー馬のレイデオロが参戦。休み明けだった皐月賞5着以外はすべて勝利しており、実際にかなり人気を集めそうだ。これまでのデータ的にもダービー1着馬【3.1.0.0】から鉄板とも見えるが、結論として今回は敗れるという方に張りたい。その理由としては、まずこれまでの5戦がすべて東京・中山で関西圏での出走がなく、初の長距離遠征になるということ。また休み明けだった皐月賞で敗れており、前走勝利したダービーにしてもスローペースで長距離適性が証明されたわけではないことが挙げられる。レース傾向から崩れることはないだろうが、馬券的な妙味から他馬に敗れるシーンを想定しておきたい。

 これまでのデータから推奨するのは、マイスタイルキセキの2頭。マイスタイルは皐月賞こそ16着と大敗したが、マイペースで逃げた前走のダービーは見せ場十分の4着。マイペースで行けるとしぶとく、前走のように速い上がりが使える。今回の有力馬は差し・追い込みタイプが多く、鞍上は先日のローズSでカワキタエンカで2着逃げ粘った横山典弘騎手が騎乗予定。主導権を取って、そのまま逃げ切ってしまうシーンは十分考えられる。

 キセキは前走新潟の1000万下・信濃川特別を快勝。春の毎日杯でアルアイン、サトノアーサーの3着だった馬が、この夏500万下・1000万下と連勝してスケールを増している。表6で示した今秋の前哨戦で上がり馬が連勝している流れから、この馬が勝ち切っておかしくない。実際にここで上位に来るようだと菊花賞が相当期待できそうだ。今回はこの2頭が1着になる想定で馬券を組み立ててみたい。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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