凱旋門賞 特別インタビューvol.03 里見氏「ダイヤモンドは人生で最高の馬」

JRA-VAN

海外でも十分やれるんじゃないか

サトノダイヤモンドは「馬主人生で最高の馬」と絶賛 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

――そうした良い流れの中でいよいよ凱旋門賞が迫ってきましたが、意気込みを教えてください。

「サトノダイヤモンドには、かなり期待しています。ただ、エネイブルという3歳牝馬でとても強い相手がいますね。しかも斤量の差(4.5キロ差)もありますので、その辺がどうなるかなと思っています」

――サトノダイヤモンドもブックメーカーで上位人気に推されていますが?

「それなりに評価して頂いているのかなと感じています。オルフェーヴルの2着2回など、日本馬には過去の実績がありますから」

――サトノダイヤモンドの強さは、里見オーナーから見ていかがでしょうか?

「これまでの馬主人生で200頭以上を買ってきましたが、その中でも最高の馬だと思っています。まずはとても頭が良いですね。ジョッキーの意のままに走ってくれますし、入れ込んで行きたがることもありません。有馬記念では8番手くらいから特に押していかなくても、勝負どころでキタサンブラックの後ろにすっとつけましたよね。自在性に優れ、それでいて最後の脚もありますから。余計な力を使わないので安定感がありますし、海外でも十分やれるんじゃないかと思っています」

――宝塚記念をパスして、凱旋門賞に照準を絞ってきました。

「実は有馬記念の前から“有馬記念に勝ったら凱旋門賞に行こう”と、(池江泰寿)調教師とも話をしていたんです。ですから今年は、凱旋門賞に照準を合わせてどのレースを使うかを決めてきました。池江調教師は、フランスの2400メートルはとにかくタフだと言っていて、日本で走らせるなら長距離を使おうと。そこで距離をこなせるのならば、フランスでも大丈夫という計算のもとで、阪神大賞典と天皇賞(春)を走りました。宝塚記念を使う、使わないについても調教師にお任せしていました。正直、私としては(優勝した)クラウンもいましたしね(笑)。フォワ賞は凱旋門賞と同じコースと距離ですから、強めの調教くらいの気持ちで走って、本番に照準を合わせてもらえればいいと思います」

凱旋門賞は最も勝ちたいレース

「良い結果が出るように願っています」 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

――有望な馬を数多く所有していますが、海外競馬への野望はありますか?

「それは大いにありますよ。来年もできればドバイやイギリス、さらに凱旋門賞などに行きたいと思っています」

――その中でも凱旋門賞は特別でしょうか?

「そうですね、最も勝ちたいレースです。いまだ日本馬が勝っていませんから。最も印象に残っている海外レースも、やはり(2012年の)凱旋門賞のオルフェーヴルです。勝ったと思ったら最後の最後でね、本当に残念でした。私の所有馬ではありませんが、日本馬に勝ってほしいと思いながら見ていました。今になって思えば、日本馬が初めて勝つチャンスがダイヤモンドに回ってきたとも言えますね」

――サトノダイヤモンドもオルフェーヴルと同じ池江調教師ですね?

「そういった面でも信頼できますよね。お父さん(池江泰郎元調教師)とともにディープインパクトで行って、オルフェーヴルでも2回行ってますので、現地の状況や環境をすべて熟知していますし、レースへの持っていき方も分かっています。もちろん勝負事なので負けることもありますが、私は池江調教師を100%信頼しています」

――馬主として海外の種牡馬についてはいかがですか?

「非常に良いんじゃないですか。海外から買ってきた馬の仔も、日本でもしっかり走ってますし。ただ、アメリカは中心がダートなので、日本のニーズとは少し差があるのかなと感じます。ヨーロッパは芝なのでガリレオにしても、フランケルにしてもいいと思いますよ」

――昨年の凱旋門賞から海外馬券が発売となりましたが、里見オーナーはどうお考えでしょうか?

「すごく良いことだと思います。売上云々というのもありますが、やはり“馬券が買える”ということでファンの関心度がまったく変わってくると思いますね」

――ありがとうございます。では最後に応援する日本のファンにメッセージをお願いします。

「もし凱旋門賞を勝てば、日本馬として初の快挙になります。そうなればもちろん私も嬉しいですが、応援してくれる方たちへの一番の恩返しにもなりますので、是非応援してもらえればと思います。私が頑張っても仕方がないのですが(笑)、しっかりと現地で応援して、良い結果が出るように願っています」

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