テニス全米OPが28日開幕、優勝候補は? 杉山愛コラム「愛’s EYE」

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ムグルサに漂い始めた“女王の風格”

2016年の全仏、今季のウィンブルドンを制するなど、女王への階段を上るムグルサ 【写真:アフロ】

 女子に目を移すと、優勝争いと並行して、カロリナ・プリスコバ(チェコ)とシモナ・ハレプ(ルーマニア)の世界ランキング・ナンバーワン争いが焦点のひとつです。2位のハレプがきん差で迫り、今大会の結果次第で女王交代もありえます。

 前哨戦のシンシナティ(ウエスタン&サザン・オープン)で優勝したのは同3位のガルビネ・ムグルサ(スペイン)でした。決勝でハレプにわずか1ゲームしか与えない、劇的な優勝でした。彼女はウィンブルドンで優勝しても冷静で、勝って当然のように振る舞っていましたが、この結果を見ると、そうした心の持ちようがうまく作用しているのかなと思います。2016年の全仏で四大大会を初優勝した時とはレベルが違う彼女がいるような気がします。
 そのムグルサが女王になる可能性も徐々に高くなってきました。立ち居振る舞いにもすでに女王の風格を感じます。人間的にもナンバーワンにふさわしい“中身”を持っていて、さらに華やかさも兼ね備えた選手ですね。そういう選手が女王の座に着くとツアーは盛り上がるでしょう。

 前哨戦のひとつ、トロント(ロジャーズ・カップ)の優勝はエリナ・スビトリナ(ウクライナ)でした。今季だけで5つ目のタイトルです。1年を通して好調を維持し、今、一番安定している選手と言っても過言ではないでしょう。

米国女子に黄金時代の予感

 ほかには、米国勢が再び黄金時代を迎えようかという勢いです。前哨戦ではマディソン・キーズ、スローン・スティーブンス、ココ・バンダウェイらが活躍。さらに、若いキャサリーン・ベリスもいます。

 キーズはコーチのリンゼイ・ダベンポートさんとの相性の良さを感じます。キーズが故障から戻ってきた頃、リンゼイは「彼女は良くなるわよ」と話していたのですが、その言葉通りの成績です。この2人は、クリーンな当たり、厚い当たりを持っているところなどテニスも似ていますし、コーチがうまくリードしていると想像できます。

 スティーブンスは、フォームに力感がまったくないのにボールの威力は素晴らしく、これは才能だなと思わされる選手です。ただ、以前はプレーがあっさりしていて、ポテンシャルが十分には発揮されていませんでした。彼女もまた、故障を経て気持ちの面で大きな変化があったように感じられます。

 ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)はお子さんの親権をめぐる元パートナーとのトラブルで、欠場が決定しました。ついこの間、仲むつまじい姿を見て、本人とも話していたので、ショッキングなニュースでした。

シャラポワがワイルドカードで出場

 マリア・シャラポワ(ロシア)はワイルドカードでの出場が確定しました。復帰後も故障がちで、大会にはあまり出ていませんが、彼女のことですから、しっかり準備して万全の状態で出てくると思います。

 出場停止明けの彼女に大会側がワイルドカードを与えることで、バッシングが起きましたが、彼女自身はなんとも思っていないでしょう。自分のプレーをよくすることしか考えていないと思います。トレーニングも順調に積めているようです。これまでも常に彼女はプロフェッショナル精神を見せてきましたが、今回も調整してベストパフォーマンスを見せると想像できます。上位に食い込んでくる可能性は高いと思います。

 ただ、試合の緊張の中で体を動かし続ける負荷はトレーニングとは別のものなので、2週間7試合を戦いきる持久力、体力があるか、というのは「?」マークです。そこもまた注目ポイントですね。
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