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2連覇狙うトヨタ自動車の戦力充実
社会人野球・都市対抗見どころ

「1年間連覇を求めてやってきた」

昨夏の都市対抗で18回目の出場にして初優勝を遂げたトヨタ自動車。昨年度の社会人野球ベストナインのエース・佐竹を中心に若手の台頭もあり、今季も戦力充実で、今大会の優勝候補筆頭に挙がる
昨夏の都市対抗で18回目の出場にして初優勝を遂げたトヨタ自動車。昨年度の社会人野球ベストナインのエース・佐竹を中心に若手の台頭もあり、今季も戦力充実で、今大会の優勝候補筆頭に挙がる【写真は共同】

■第88回都市対抗(7月14日〜12日間/東京ドーム)


「都市対抗で3連覇したい!」


 昨年12月。2016年度の最多勝利投手賞(8勝0敗)、最優秀防御率賞(0.81)、ベストナインを受賞しての表彰式で、トヨタ自動車・佐竹功年(早稲田大)主将はそうぶち上げた。17年は都市対抗連覇を目指すが、それで満足するつもりなら連覇など容易ではない、3連覇を目指してチームづくりをしなくては――というのがその真意だ。


 昨年悲願の都市対抗初優勝を果たしたトヨタ自動車(愛知県豊田市)にとって、3連覇よりまずは史上7回目(6チーム目)の連覇がかかる大会。橋戸賞を獲得したエース・佐竹は優勝した3月のスポニチ大会MVPと健在で、打線にも藤岡裕大(亜細亜大)らドラフト候補がそろい、5年目の辰巳智大(慶応義塾大)もスポニチ大会で首位打者賞と急成長。大会前、出場32チームの監督による優勝候補アンケートでも、トップの得票だった。


 推薦出場で予選を免除され、今季は厳しい修羅場の経験不足を懸念するムキもある。だがトヨタは、選手35人という大所帯。定位置をめぐる競争は熾烈で、中軸を打つ藤岡にしても、ルーキーだった昨年は本来の内野ではなく、出場機会を求めて自ら外野転向を申し出たほどだ。「この1年間、連覇を求めてやってきました。勝つための野球をしたい」とは桑原大輔(立命館大)監督。開幕試合、5年ぶり出場の九州三菱自動車(福岡県福岡市)との初戦がまずカギとなるが、開会式からプレーボールまでの時間をシミュレートし、対策を練習メニューに組み込むなど抜かりはない。

日立製作所、七不思議解消にチャンス

 ここからは、トーナメント表の左から8チームずつを順にA〜Dブロックとしよう。まずトヨタ自動車と同じAブロックには、東京第1代表と投打に充実したNTT東日本(東京都)、過去2回優勝のHonda(埼玉県狭山市)がいる。昨年、連続出場が12で途切れたHondaは岡野勝俊(青山学院大)監督、14ホーマーという大会歴代最多記録を持つ西郷泰之(日本学園高)コーチ、筑川利希也(東海大)コーチらの新スタッフが、いずれも09年の優勝メンバー。5試合の戦い方を知り抜いたベンチが、新人も多い若いチームをどう導くか。


 昨年準優勝の日立製作所(茨城県日立市)はBブロック。北関東2次予選は王手をかけてから2試合完封負けと苦しんだが、「苦しい予選を勝ち抜いて、チームがさらに成長した」と和久井勇人(東海大)監督。いまだ優勝がないのは“社会人野球の七不思議”と言われているが、ベテランと若手がうまくかみ合ったチーム力は投打ともに高い。優勝候補アンケートでは2位の得票で、創部100周年の今年、七不思議解消の大きなチャンスだ。


 ただこのブロックには、11年に優勝、12〜13年を準優勝した強豪・JR東日本(東京都)がいる。また、過去7回優勝の東芝(神奈川県川崎市)と、好投手2枚を持つ日本新薬(京都府京都市)が初戦で激突。どちらが勝ち上がるにしても、手強い。

楊順行
楊順行
1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。高校野球の春夏の甲子園取材は、2016年春で50回を数える。