七夕賞は二ケタ人気馬の激走を覚悟せよ SS×クロフネ産駒が波乱呼ぶ!?

JRA-VANデータラボ

過去10年の七夕賞出走馬のハンデ別成績(11年を除く)

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に七夕賞出走全馬のハンデ別成績を見ていく(表3参照)。穴馬はハンデ55キロ以下の軽ハンデだったこともあり、その他の好走馬は重いハンデという傾向。重いといっても定量になるのだが、57キロの馬が【5.1.1.15】でかなり好走馬を出している。ハンデ58キロでも【0.2.1.3】となっており、未勝利ながら複勝率は50%と高い。重い馬でも十分にやれる。ただ、57.5キロはやや不振。56キロは【1.1.2.19】で悪くはないが、好走率は55キロの方が圧倒的に優秀だ。

結論

表4 今年の七夕賞出走予定馬 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 それでは今年の七夕賞を占ってみよう。出走予定馬は表4の通り。

 現時点では当日のオッズはわからないが、マルターズアポジーやゼーヴィントが上位人気に支持されそうだ。ともに昨年の福島記念で好走。格もさることながらコース実績があるという点で、かなり評価されそうな雰囲気だ。ハンデはかなり近いが、好調な57キロであるゼーヴィントを上位に取ってみたいところ。AJC杯2着以来の久々だが、ギリギリ半年以内の休み明けということで、克服できるだろうか。同じハンデ57キロのマイネルフロストも有力候補と見るべきか。

 問題はハンデ55キロ以下の馬だ。穴馬探しとして、こちらの方が重要だし、難しい。前走条件クラスの馬はタイプが異なるので軽視するとして、当日の人気は不明だ。血統面から入ると、パドルウィールにまず注目が集まる。父はクロフネで、母父がサンデーサイレンス。近2年の穴馬と全く同じ配合だ。過去に金鯱賞2着の実績などがあり、格上実績馬なのだが前走エプソムCがしんがり負け。ローテーション的には順調で逆に不満なのだが、人気はなさそうだ。

 あとは、バーディーイーグルが気になる。父はブライアンズタイムで、かつての大物種牡馬。芝とダート両方で強いG1馬を輩出している点が魅力だ。本馬自身はダートでの勝ち鞍が多いが、最近は芝を使い、オープンクラスでも惜しい競馬が続いている。人気がなければ、かなり面白い存在となりそうだ。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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