筋肉の付けすぎ不要! ケガ防止程度に 速く走りたい人のための『猫トレ』講座(3)
【写真提供:ワハハ本舗】
猫さんも大腰筋をマシントレーニング中心に鍛えた 【スポーツナビDo】
お笑い芸人ながら、カンボジア代表としてリオデジャネイロ五輪の男子マラソンに出場した猫ひろしさんのトレーニングを紹介するこの『猫トレ』講座(『猫トレ 猫ひろしのマラソントレーニング』/ベースボール・マガジン社)。今回はマラソンを走る上で必要な「筋力トレーニング」について解説してもらいました。
東京・神保町にあるランニング専門ジム「ハイテクスポーツ塾」の主宰者である中島進コーチ曰く、筋肉は「重りになってしまうから、あまり付けると不利になる」とのこと。では、どうやって筋力トレーニングをすれば、効果的にマラソンが速くなるのでしょうか?
東京・神保町にあるランニング専門ジム「ハイテクスポーツ塾」の主宰者である中島進コーチ曰く、筋肉は「重りになってしまうから、あまり付けると不利になる」とのこと。では、どうやって筋力トレーニングをすれば、効果的にマラソンが速くなるのでしょうか?
脳に速い速度を覚えさせることも重要
――フォームに続いて、マラソンを速く走りたい人のための筋力トレーニングについて解説をお願いします。
筋力はあくまで走るための筋力が必要で、腕にコブのような筋肉はいりません。筋肉は重たいですから、あまりつくと不利になります。50キロの人と100キロの人で40キロを走ったら、単純な話で100キロの人は50キロの人の倍近いエネルギーが必要です。だから体重は軽い方が有利で、余計な筋肉はつけない方がいいです。
――では逆に、必要な筋肉というとどういった箇所になるのでしょうか?
これは前回少しお話した通り、腰骨・腰周りのインナーマッスルです。
筋力はあくまで走るための筋力が必要で、腕にコブのような筋肉はいりません。筋肉は重たいですから、あまりつくと不利になります。50キロの人と100キロの人で40キロを走ったら、単純な話で100キロの人は50キロの人の倍近いエネルギーが必要です。だから体重は軽い方が有利で、余計な筋肉はつけない方がいいです。
――では逆に、必要な筋肉というとどういった箇所になるのでしょうか?
これは前回少しお話した通り、腰骨・腰周りのインナーマッスルです。
――前回、フォームについてお話を伺ったとき、その中で足を前後に動かすインナーマッスル=大腰筋を使って走るのが1番速く走れるというお話がありました。猫さんは「ハイテクスポーツ塾」内のマシンを使ってインナーマッスルを鍛えていましたが、器具を使わずにインナーマッスルを鍛える方法はありますか?
今はいろいろな方法が言われていますが、インナーマッスルを鍛えるのは難しいんですよね。ただ動かしながら筋肉を鍛える、エキセントリック(伸縮性収縮)とコンセントリック(短縮性収縮)のトレーニングをしなければいけないと思います。
もちろん筋力トレーニングは必要ですが、あくまでも速く走るための補強で、実際は走りの中で作っていきたいですね。逆に筋トレだけで、マラソンを2時間30分で走り切れるようにはなりません。
――やはりランニング用の補強は、動作の中で鍛えるものがよいのですね。
短距離でもよくやりますけど「バウンディング」(跳ねるように走るトレーニング)とかを長距離でも取り入れるようになってきました。今年フルマラソンに初挑戦した大迫傑選手もそのような練習を取り入れていたようです。あとは下り坂を走ったりして自分の限界を超えた速さを脳に焼きつける練習をやったりするのもいいです。昔はオートバイに引っ張ってもらったり、下り坂を走ったりしてその練習をしましたが、いまは「ドリームハンター」といって、空気を圧縮して体重を50%にして走れる機械があって、脳に速い速度を覚えさせるために使っています。
今はいろいろな方法が言われていますが、インナーマッスルを鍛えるのは難しいんですよね。ただ動かしながら筋肉を鍛える、エキセントリック(伸縮性収縮)とコンセントリック(短縮性収縮)のトレーニングをしなければいけないと思います。
もちろん筋力トレーニングは必要ですが、あくまでも速く走るための補強で、実際は走りの中で作っていきたいですね。逆に筋トレだけで、マラソンを2時間30分で走り切れるようにはなりません。
――やはりランニング用の補強は、動作の中で鍛えるものがよいのですね。
短距離でもよくやりますけど「バウンディング」(跳ねるように走るトレーニング)とかを長距離でも取り入れるようになってきました。今年フルマラソンに初挑戦した大迫傑選手もそのような練習を取り入れていたようです。あとは下り坂を走ったりして自分の限界を超えた速さを脳に焼きつける練習をやったりするのもいいです。昔はオートバイに引っ張ってもらったり、下り坂を走ったりしてその練習をしましたが、いまは「ドリームハンター」といって、空気を圧縮して体重を50%にして走れる機械があって、脳に速い速度を覚えさせるために使っています。
腕振りは気にする必要なし バランスを取る程度で
――そのほかは腕振りのために肩周りの筋肉などは必要になりますか?
腕振りのことをよく言う人もいますが、小林先生の理論では腕振りは体を支えるためだけのもので、さほど重要視はしていません。よく「後ろに腕をしっかり振れば速く走れる」と言いますが、それは意識上ではあっても、バイオメカニクス的には疑問です。
かつての“馬軍団(女子中・長距離で一世風靡した中国のランナーたち)”や、今年の名古屋ウィメンズマラソンで日本人トップになった安藤友香選手も、腕を振る走りをしているわけではありませんでした。それでもあれだけの記録が出たのは、やはり小林理論は正しいなと改めて思いましたね。
腕振りに関して、自分の体を支えるために利用し、それのための筋肉もあまり意識しなくて良いと思います。
腕振りのことをよく言う人もいますが、小林先生の理論では腕振りは体を支えるためだけのもので、さほど重要視はしていません。よく「後ろに腕をしっかり振れば速く走れる」と言いますが、それは意識上ではあっても、バイオメカニクス的には疑問です。
かつての“馬軍団(女子中・長距離で一世風靡した中国のランナーたち)”や、今年の名古屋ウィメンズマラソンで日本人トップになった安藤友香選手も、腕を振る走りをしているわけではありませんでした。それでもあれだけの記録が出たのは、やはり小林理論は正しいなと改めて思いましたね。
腕振りに関して、自分の体を支えるために利用し、それのための筋肉もあまり意識しなくて良いと思います。
膝を痛めないよう足回りの筋肉を鍛えるのは大事
――では先ほどお話に上がったインナーマッスルに関しては、どの部分を鍛えておけばよいのでしょうか。
大腰筋、腸腰筋です。ここは徹底して鍛えて下さい。その他の筋肉も必要ですが、走っていると必要な筋肉はついてくるし、足を太くするほどの筋トレはしなくて良いと思います。そうなると逆に走るのに不利になってしまいます。また、ケガや個々特有の体質で、走るのに直接は必要ない筋肉を鍛えておく時もあります。
――それはどの部分になるのでしょうか。
個人差がありますが、主に大腿四頭筋・大臀部・ハムなどですね。ランナー膝と言われる故障を予防したりもします。
(次回は、ランニングに必要な心肺機能を鍛えるための具体的なトレーニングです)
大腰筋、腸腰筋です。ここは徹底して鍛えて下さい。その他の筋肉も必要ですが、走っていると必要な筋肉はついてくるし、足を太くするほどの筋トレはしなくて良いと思います。そうなると逆に走るのに不利になってしまいます。また、ケガや個々特有の体質で、走るのに直接は必要ない筋肉を鍛えておく時もあります。
――それはどの部分になるのでしょうか。
個人差がありますが、主に大腿四頭筋・大臀部・ハムなどですね。ランナー膝と言われる故障を予防したりもします。
(次回は、ランニングに必要な心肺機能を鍛えるための具体的なトレーニングです)
※リンク先は外部サイトの場合があります
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ