猫ひろしを五輪へ導いた小林寛道理論! 速く走りたい人のための『猫トレ』講座(1)
【スポーツナビDo】
猫ひろしさんのコーチである「ハイテクスポーツ塾」の中島進さん 【スポーツナビDo】
そんな猫さんが、テレビ番組の企画から五輪の舞台まで上り詰めたトレーニング方法をまとめた書籍が『猫トレ 猫ひろしのマラソントレーニング』(ベースボール・マガジン社)として発売。
今回は「猫さんのように速くマラソンを走りたい!」というランナーの皆さんのために、『猫トレ』のエッセンスを5回に渡って紹介! まずは猫さんのコーチでもあり、東京・神保町にあるランニング専門ジム「ハイテクスポーツ塾」の主宰者である中島進さんに、マラソンを速く走るためのコツを聞きました。
トレーニングは正しい理論で!
「ハイテクスポーツ塾」ではランニングのためのトレーニング機器がそろい、科学的トレーニングができる 【スポーツナビDo】
はい、タバコをやめるのがきっかけで(笑)。その前は何も運動はやっていませんでした。
――ベストタイムは2時間27分とお聞きしましたが、未経験からでもそこまで記録を出せるのですね。
それは小林寛道(元東京大学教授、日本陸上競技連盟初代医科学委員長)理論です。JISS(国立スポーツ科学センター※)のセンター長である川原(貴)先生が小林先生の東大教授時代の助教授だったのですが、その川原先生が「ちゃんと理論に則ってトレーニングをした方が効率がいいよ」と声を掛けてくれたんです。それで東大生じゃないのに先生の研究所へ行って(笑)。受講じゃないですけど勉強をして、やらせてもらってきました。
※日本スポーツ振興センター(JSC)が日本オリンピック委員会(JOC)や国内外のスポーツ研究機関と連携して、日本のスポーツ競技力を高めるために作られた施設
――ではよい先生に師事して、正しい理論に則ったトレーニングをしてきたことが良かったのですね。
そうですね、やはり正しい理論がありますから。当時は瀬古(利彦)さん、宗(茂・猛)兄弟、中山(竹通)さんが全盛の頃でした。選手たちは科学的なトレーニングは意識しておりませんでした。小林先生は日本陸連の初代医科学委員長として「もっと科学的にトレーニングをしないといけない」ということで、そういう時代から始まって、今はもう完全に科学者の意見を聞かないといけないということで監督さんはみんな動いています。
大事なのはフォーム・筋力・スピード感覚・心肺機能
男性で42歳だったら、2時間27分は練習次第ではまだまだ行ける記録ですよ。
――それは市民ランナーや同年代の方には勇気づけられるお話ですね。そして、そういったご自身の経験や小林先生の理論を元に猫さんを指導し五輪選手に導きました。
特別にやったというよりは、うちの「ハイテクスポーツ塾」のいち塾生として指導をしました。もちろん個人の顔や性格が違うように、体も違えば環境も違うので、全員が同じやり方というのは無理なので、個人に合わせたやり方でやります。それぞれに合わせたトレーニング方法はありますが、基本は小林寛道理論となっています。
――では、その小林寛道理論の幹となる部分を教えてください。
それは、フォーム・筋力・スピード感覚・心肺機能、この4つになります。そして、それに合ったトレーニングをしていくことです。猫さんも最初はフォームは全然よくありませんでしたが、今はあれだけ小さいのに大きくて綺麗なフォーム、効率のよいフォームができ上がっています。
――フォーム・筋力・スピード感覚・心肺機能の4つのうち、最初は何から取り組むのがよいでしょうか?
どれが最初かということはないですね。同時に4つの悪いところを直していきます。
――分かりました。では、次回以降4点(フォーム・筋力・スピード感覚・心肺機能)のトレーニング方法についてお聞きしていきますので、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
(次回は、フォーム改善についての具体的なトレーニングです)
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