「秋にはGIへ」デキ文句なしのアストラ 実績馬たちも虎視眈々、エプソムC座談会

競馬専門紙「優馬」

新鋭に古豪 入り乱れての伏兵多し

3年連続のエプソムカップ参戦となる7歳馬フルーキー(奥)(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「そんな坂倉は、フルーキーに◎ときたか。このレースは3回目の挑戦になるが、7歳という年齢を考えれば微妙なところだと思うが…」

坂倉「一昨年がコンマ2秒差4着、昨年がコンマ4秒差2着でしたが、昨年はルージュバックには完敗したものの、今年と同じ58キロを背負っての強い内容でした。前走を見る限り、年齢的な衰えは感じられませんし、得意の舞台で今年こその期待をかけていいと思います」

桜井「勝ち味に遅いところのある馬で、勝ち鞍も一昨年の暮れが最後となってますが、前走の新潟大賞典なども、先行馬同士の決着をメンバー最速の上がりで追い上げるなど、ここへきて状態は持ち直しています。あくまで展開次第ですが、前が速くなる流れになれば、チャンスはあるでしょうね」

大江原「俺は、ヴィクトリアマイル2着のデンコウアンジュがずいぶんとバカにされていると思うんだよな。2歳時にはメジャーエンブレムを差し切った実力馬が、以来の東京マイルで復活したと見るべきだし、距離の1ハロン延長も全く問題ないだろ。牡馬相手でも小粒なメンバーのGIIIなら、足りていいはずだぞ」

守屋「直線で前が塞がったオークスは参考外として、ノビノビ走れる東京コースは、気難しいデンコウアンジュにとって能力を発揮できやすい舞台なんでしょうね」

瀬古「確かに、決め手は牡馬相手でも全く見劣りはしませんよね。目標だったGIの直後とはいえ、坂路での最終追いに乗った佐藤助手が“手応えが楽すぎて時計が遅いのかと思った”のに52秒8の好タイムで、乗り手の感覚よりも速い時計が出るのは好調の証しです。再度の東京コースなら引き続き目が離せませんよ」

西田「私は、期待された前走の凡走で人気を落としているナスノセイカンを。その前走は、仕上りは良かったんですが、いつも以上に馬がピリピリしていて掛かり気味で外目を追走する形になり、脚が溜まるシーンがなかったように思います。陣営も“最後も馬がトボケて力を出していない。嫌な予感はあったが、走らない時のパターンになってしまった。もう少し内へ入れていれば違った結果になったかもしれないが、少頭数ということもあってうまく噛み合わなかった”と、力負けではないことを強調していました。4着だった金鯱賞くらい走れば足りていいメンバー構成ですし、馬群の後方で脚を溜めて直線で外に回す得意の戦法が取れれば、勝ち負けになっていいと思います」

伊利「これまた人気急落も予想されるベルーフですが、不良馬場の前走と休み明けだった3走前を除くと、1800mでは全て勝ち馬からコンマ3秒差以内に駆けているんですよ。中でも4走前のチャレンジカップは、勝ち馬マイネルハニーより2キロ重い斤量でクビ差2着でしたが、同じ斤量となる今回は負けられませんよね」

那谷「以前のベルーフは、内回りで淀みない流れの2000m戦が好走の場、というイメージもあったけど、昨年の秋以降は外回りの1800mでも結果を出して、一皮むけた感を受けるよな。今年は不振とはいえ“ここを目標に調整。気難しい面があって堅実に走るタイプではないけど、噛み合えば勝ち負けになる”と、陣営も前向きだったし、京成杯勝ちをはじめ重賞で4度の連対実績を軽くは扱えないよ」

デスク「過去の実績、という話になれば、メンバー唯一のGI馬クラリティスカイも黙っちゃいないだろ」

坂倉「そんな実績ゆえに、ハンデ戦ではどうしても斤量を背負わされますし、前走にしても、もともとがそんなにキレるタイプでないとはいえ、斤量で伸びも鈍った印象を受けましたね。別定で56キロの今回は“久々にいい斤量で出走できるし、休み明けを叩いた上積みもある”と、陣営も条件の好転をアピールしていましたよ」

デスク「あと、人気のアストラエンブレムを前走で負かしているのに、意外と支持が薄いタイセイサミットだが」

守屋「レースセンスがあって、前走の時計も文句なしですが、前走より2キロ増えてアストラエンブレムと同斤量になることは、やっぱり気掛かりですね。伸び盛りの4歳馬だけに、今の勢いでクリアできることも十分有り得ると思いますが、アストラ以上の重い印は打てませんね」

細川タイセイサミットは、もともと陣営の期待も高かった馬ですが、以前は素質の割りにパンチ不足だったのに対し、“勝ち切れるようになったのは馬の成長”と、陣営も評価しています。目下の勢いに加えて、まだ良化中とのことですから、斤量の問題だけで軽視するのもいかがなものかと」

デスクダッシングブレイズも、重賞勝ちがないとはいえ、重賞で何度も1番人気になっている実力馬だよな」

那谷「3歳の秋に3連勝した頃は、重賞はおろかGIまで視野に入っていた馬だけど、東京新聞杯の落馬から狂ったリズムが完全に戻ってはいないよな。ここで勝ち負けになって不思議のない実力を持っているのは確かだし、陣営の感触も悪くはないんだけど、アテにならない面があるし、自信を持って推奨、というわけにはいかないよ」

デスク「あと気になっているのが、前走がやたら強かったマイネルミラノだよ。さっきの坂倉の話では、今回はハニーのアシストに回るようだが、前走でも控える形で結果を出しているからな」

小島「前走については“ジョッキーが上手に乗ってくれて、持ち味を最大限に引き出してくれた”と、相沢師も満足気でしたね。ただ、ポイントとなるのは、東京コースと58キロの斤量でしょう。昨年は逃げて3着に粘りましたが、当時は56キロでしたし、“以前ほどハナにこだわらない競馬ができるようになったし、自分のペースで行ければ”と言いつつも“小細工がしにくい東京コースでは…”という弱気な一面も見せていました。個人的に、狙いは連覇のかかる函館記念ではないかと思っているんですが…」

木谷「その、小島さんのお言葉は、ローカル担当の僕としてもしっかりと頭の隅にとどめておきますが、とりあえず先週の結果報告をさせてください。“馬券1万円勝負”でまさかまさかの、343日ぶりの的中!だったんですけど、払戻額は堀君の方が上だったんですよね。まぁ、僕と本命が被ってたデスクの複勝200円的中に比べれば全然マシですけど。今回はシルク丼、マイネル丼、池江丼と迷ったんですが、クラリティシチークラリティスカイの兄弟丼で先週のプラス分を更にドン!と増やしますよ〜」

デスク「まだまだあるぞ、馬と鞍上で“ジジイ丼”のヒストリカル、これが来たらいくらつくんだ?の吉田兄弟丼とかな。俺は素直にアストラエンブレム◎なんだが、ダイワメジャー丼で相手もタイセイサミットに絞ろうか。って、あんまし面白くはない馬券だが…」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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