【ボクシング】絶頂期にいるクロフォードが王座防衛 “パッキャオ戦”実現はアラム氏の手腕に
日程的にはパッキャオ戦は可能か
絶頂期にあるクロフォードに対し、ピークが過ぎた“フィリピンの英雄”が対戦を望むのだろうか 【Getty Images】
アラムの言葉通り、パッキャオ対クロフォード戦には“新旧世代交代戦”といった趣がある。38歳となったフィリピンの英雄もすでにピークを過ぎて久しいが、依然としてボクシング界の範疇(はんちゅう)を超えた知名度を保っている。そんなスーパースターと対戦し、勝つことが、クロフォードの名前を押し上げる最も手っ取り早い手段であることは明白だ。
パッキャオは7月2日にオーストラリアのブリスベンで当地のプロスペクト、ジェフ・ホーンとの試合を予定。その後のクロフォード戦はスケジュール的にも理にかなう。両雄は同じトップランク傘下だけに、本来はこのファイトの実現は難しくないはずだ。
だとすれば――。
アラム氏「人々が望むファイトをお届けしたい」
「パッキャオ戦はすごい試合になるだろう。私がプロモーターなのだから、人々が望むファイトをお届けしたい」
そう息巻いた85歳のアラム氏は、言葉通りにパッキャオ対クロフォード戦をまとめることができるか。それとも“パッキャオ”という名前をクロフォードの売り出しに利用しているだけなのか。
オスカー・デ・ラ・ホーヤ(米国)はキャリア終盤のフリオ・セサール・チャベス(メキシコ)を、メイウェザー、パッキャオは黄昏期のデ・ラ・ホーヤを下すことで、世界的ビッグネームに飛翔していった。
それと似たような王道を歩むべく、クロフォードにとっても今後約1年が勝負。スター作りの手腕には定評があるトップランクとアラム氏の手腕が、ここで改めて問われることになる。