ミッキークイーンに浜中は「絶対の信頼」 一昨年は2千万馬券ヴィクトリアM座談会

競馬専門紙「優馬」

歴史を振り返れば… 波乱の主役はコレだ

デスク「ただ、おととしには3連単で2000万円台の大波乱。僅か11回の歴史で二桁人気の馬が5頭も連に絡んでいるように、基本的には荒れるGIなんだよな」

伊利「けっしてこの馬が来て“波乱”とは言えませんが、スマートレイアーに今年こその期待をかけたいですね。昨年の4着は、かなり先行勢には厳しい流れで“負けて強し”と言える内容でしたし、マカヒキを抑えた前走の京都記念の内容からも、7歳にして衰えはないと判断できます」

広田「その前走については“うまく折り合いを付けて末脚を生かせた。精神面での成長も大きく、以前より距離に融通性が利くようになった”と、陣営も衰えどころか成長をアピールしてましたね。一週前にはジョッキーが乗ってコースで好時計、直前は坂路で終い重点と、いつものパターンで態勢は整っています。大久保龍師は“行く馬がいなければハナへ行ってもいいし、この馬のリズムを崩さないように乗ってもらいたい”と。マイル戦にしては先行馬が少ない印象も受けますし、スンナリ先行できれば昨年以上の結果も十分アリでしょうね」

久光「そういう逃げ馬不在の組み合わせで重要なのは、“好位で立ち回れる器用さ”と“高速上がりに対応できるか”の2点だと思いますが、ジュールポレールの2走前の走りはまさに理想的で、今回のレースの“色”に最も適した存在に感じます。“阪神の重馬場”という、底力が問われる条件だった前走でミッキーとコンマ3秒差なら、十分に逆転の可能性を残した3着と見ていいですし、2枠3番も言うまでもなく絶好枠ですよ」

瀬古「今週からの仮柵移動で、これまでも内枠の馬の好走が目立つレースですよね。前走は初の重賞出走で、しかも正攻法のレースですから、勢いのみならず実力も十分に示したと言えます。ペースも落ち着きそうですし、この馬のレースセンスの良さが生きるはずですよ」

持木ジュールポレールの前走は、道中でかなりノメっていましたから、良馬場ならもっと際どい競馬になったはずです。デビューが3歳の4月と遅れた馬ですが、その分だけまだ伸びしろも十分ありますね」

那谷「これも俺の担当だけど、鍵となる輸送は、昨年夏に小倉へ長距離輸送した2戦がともに馬体減なしだったから、問題ないだろう。ミッキーの相手としては、筆頭の評価だよ」

デスク「その2頭に前走で割って入ったアドマイヤリードも、これまた那谷の担当か」

那谷「これがミッキーの相手2番手だな。前走のようなタフさを求められるレースが合う馬だから、今回はジュールポレールの方を上位に取ったけど、今回も雨の影響が残る馬場になれば、こっちが上に来るかも。2週続けて追い切りで跨いだルメール騎手も“馬の後ろに付けて我慢が利いていたし、追ってからの反応が凄く良かった。キレ味には自信があるし、ミッキーをマークして運びたい”と、一発を狙っていたぞ」

坂倉「近走こそ不振のアットザシーサイドですが、現4歳世代のトップレベルと差のない競馬をしてきた馬であり、東京コースでフルに能力を発揮できれば面白い存在だと思います。理想はパンパンの良馬場でのキレ味勝負なので、ちょっと厳しい面もありますが、馬場の回復次第ではチャンスもあるはずです」

小島アットザシーサイドは、馬柱に載っている近5走中、3走までが馬場に泣かされてますからね。桜花賞3着の力は、ここに入っても見劣りしませんし、今回は田辺騎手が新しい面を引き出してくれるのでは、との期待もありますよ」

デスク「そういう“狙ってきた”◎もチラホラ見られる中で、直ちゃんは一段と攻めてきたな」

佐藤直「荒れるレースだからと言ってむやみに穴を狙うモンではないが、実力を不当に評価されて人気のない馬は狙い目だよな。それがアスカビレンに◎を打った理由でもあるんだが、おととしの秋華賞で最後は息切れしてしまったものの、一瞬は突き抜けるかの勢い。勝ったミッキークイーンとは僅かコンマ3秒差だ。3走前の府中牝馬Sでもスマートレイアーとは半馬身の差なんだよ。これまで出世を妨げてきた折り合いの課題も、前走ではかなり我慢ができていたし、より流れも速くなるGIなら、もうワンランク上の走りも期待できるよな」

須藤アスカビレンは、これまで色々な距離を使われてきましたが、秋華賞のレースぶりを考えても、ベストはマイルだと思います。着実に力も付けてますから、人気薄の気楽さから、ハマる可能性も十分ありますね」

小桧山「あとは、ウキヨノカゼもバカにできないぞ。先週、GI勝ちを果たした厩舎の勢いは、この馬の前走で火を付けたと言っていいけど、“中2週でも反動はなく、前走のいい感じを維持できている。高速馬場への対応として、今回は気を入れるためにメンコを外して臨むけど、雨の影響が残る馬場になれば食い込みもある”と、菊沢師も満更でもない様子だったからな」

守屋「その前走の福島牝馬Sでは惜しい2着だったフロンテアクイーンですが、パドックでも道中でも落ち着き、しっかり折り合えて進めたのが終いの伸びに繋がったと思います。3走前の準オープンを勝ったときも落ち着きがあったのが勝因ですから、今回も同じような状態で臨めるかがカギでしょうね。そのあたりを国枝師は“前日輸送してもしなくても、イレ込むことがあってよくわからない。当日次第なんだよね”と苦笑していましたが、“巧く脚がたまれば終いは来るから、ロスなく運んで食い込みたい”と話していました。3歳時のクイーンCではメジャーエンブレムに離された2着とはいえ、1分33秒3と上々の時計で走っていましたし、3走前の走破時計も時季こそ違いますが、昨年の府中牝馬Sのクイーンズリング、毎日王冠のルージュバックとコンマ1秒差ですから、能力さえ発揮できればそこまでの差はないはずです」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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