アウェーで“おいしい敵”をいただこう! 食いしん坊ライター大島のスタグル6選

大島和人

スタグルの宝庫カシマにある幻の一品

飛騨牛串焼き(450円)。岐阜県が誇るブランド牛の飛騨牛をていねいに焼きあげた絶品 【写真提供:飛騨牛のこもり】

 スタグルの定番と言ったら肉だが、いくつかの会場の中でベストだったのはFC岐阜(岐阜メモリアルセンター長良川競技場)の「牛串」だ。脂が程よく乗った飛騨牛のグリルで、単純に肉質が良い。ビールに合いそうなやや強めの塩で、「仕事なので飲めない」という自分の立場を呪った記憶がある。500円でおつりがくるという現実的な値段設定もあり、サイズ的にはやや小ぶりだが、予想外の旨さに驚いた。

メロンまるごとクリームソーダ(900円)。メロンの在庫状況により販売が実施されるという幻の一品 【(C)KASHIMA ANTLERS】

 ここまでご飯ものや麺、肉と紹介してきたが、最後にデザートを紹介したい。それは鹿島アントラーズ(県立カシマサッカースタジアム)の「メロンまるごとクリームソーダ」だ。

 そもそもカシマといったらスタグル界の聖地的な存在。鹿島サポの知り合いに以前「何がおすすめ?」と聞いたら「何を食べてもおいしい」とキレ気味に答えられた記憶がある。モツ煮、ハム焼きは定番中の定番だろうし、確かにどの売店で何を食べても期待以上だ。

 ただそんな中でも「メロンまるごとクリームソーダ」は販売期間が限られる幻のスタグル。今季は4月30日の鳥栖戦で発売されたが限定200個だった。次回は7月29日のヴァンフォーレ甲府戦で登場する見込みで、他のホーム戦については現時点で未定となっている。値段は900円と一見高くも思えるが、新鮮なメロンを丸ごと一個使うのだから実はお値打ちだ。そのレア感も含めて究極、至高のスタグルと言っても過言ではない。

 おいしくないはずはないのだが、スタグル強者の私もこれはまだ味わったことがない。今回はあらゆる伝手を駆使して、30日の鳥栖戦で購入に成功したサポーターの突撃取材に成功した。彼のコメントをお届けしたい。

「まずソーダを飲み干すくらいじゃないと、アイスクリームが中に入った時にあふれて外にこぼれてしまう。ソーダを飲んだらスプーンでまずアイスを食べる。そこを片付けないとメロンの身まで届かない。アイスをある程度まで食べ終えたら、メロンの果肉にチャレンジ。両手の親指で皮を外側から揉み込むと、中身がほぐれやすくなる。凍ってシャーベット状になった果肉は上品な甘さ。残ってるアイスやソーダと絡めるとバリエーションがついて良い。いろんな作業をすることで食べることが楽しめる。そして、うまい!」

 なお「マイスプーン」を用意した人には、アイスクリームが追加で一個サービスされるとのこと。200個限定とあって争奪戦は激しいが、私にとってはいずれ必ずチャレンジしたい“夢のスタグル”だ。

 Jリーグは平和なアウェーが多く、旅の喜びはきっとストレスを上回る。スタジアムではその土地の名産が売られていて、スタグルはアウェーほど楽しい。シーズンも佳境を迎え、ゴールデンウィーク、夏休みと遠征に出ていくサポーターも多いだろう。そんな方はぜひアウェーの“おいしい敵”にチャレンジしてほしい。

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著者プロフィール

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都北区に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。取材対象はバスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、ハンドボールと幅広い。2021年1月『B.LEAGUE誕生 日本スポーツビジネス秘史』を上梓。

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