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羽生結弦にとって意義深い成功体験
自身初の「後半に4回転3本着氷」

試行錯誤を繰り返したシーズン

「自身にとって史上最高難度」となるプログラムを演じ切り、男子FS1位となった羽生結弦
「自身にとって史上最高難度」となるプログラムを演じ切り、男子FS1位となった羽生結弦【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

「挑戦し続けた」羽生結弦(ANA)のシーズンが終わった。今季は4回転ループと、昨季は取り入れていなかった4回転サルコウ+3回転トウループのコンビネーションをプログラムに組み込み、フリースケーティング(FS)では4本の4回転にチャレンジ。「自身にとって史上最高難度」のプログラムを演じ切るために、試行錯誤を繰り返した。


 シーズン最終戦の国別対抗戦でも、羽生の挑戦は続いた。20日のショートプログラム(SP)でまさかの7位に終わった中、迎えたFS。冒頭の4回転ループはGOE(技の出来栄え点)で2.57点が付くきれいなジャンプだったが、続く4回転サルコウは1回転になってしまう。


 しかし、ここからが羽生の真骨頂だった。演技後半、まず「今季ずっと課題にしてきた」4回転サルコウ+3回転トウループを成功させる。さらには次の4回転トウループも決めると、4回転トウループ+1回転ループ+3回転サルコウの3連続まで着氷させたのだ。後半に3本の4回転を着氷させたのは、自身にとっても初のこと。その3つの要素だけで実に49.24点を稼いだ。


「今日の目標としては、(FSの歴代最高得点を更新した)世界選手権並みの演技をしようと思っていましたが、それと同時に自分の中で挑戦するという気持ちを強く持っていました。課題だった後半のサルコウもきれいに決めることができたし、試合で初めてやった4回転トウループ+1回転ループ+3回転サルコウの3連続も、なんとか跳ぶことができたので、ある程度は満足しています」


 最後のトリプルアクセルがシングルになってしまったものの、FSの得点は200.49点で1位。SPの失敗を見事に取り返した。

SPの失敗で4回転5本を決断

4回転を5本跳ぶことを決断したのは、SPで悔しい思いをした日の夜だった
4回転を5本跳ぶことを決断したのは、SPで悔しい思いをした日の夜だった【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

 演技前半のサルコウが1回転になったこともあり、認定されたのは4本だったが、羽生はこのFSで5本の4回転にチャレンジした。2月の四大陸選手権でも後半のサルコウが2回転になってしまったため、リカバリーで結果的に5回挑むことになったが、最初から予定していたのは今回が初めてだった。挑戦することを決めたのは、SP後の深夜だったという。


「やっぱりすごく悔しかったので、なかなか寝付けずに3時とか4時までずっとイメージトレーニングばかりしていたんです。そのときに『こんなに悔しいんだったらもう1回、4回転をやってしまえよ』と思い、それで決めました」


 SPでは冒頭の4回転ループが1回転になり0点。続く4回転サルコウ+3回転トウループもミスし、83.51点と不本意なスコアに終わった。「悪い癖が出た」「本当に成長していない」と自身を責め立てた羽生だが、その後悔が今回のチャレンジにつながった。


「SPでのループは目を閉じれば、いつでも思い出すことができるくらい脳裏に焼き付いています。自分が見ていた光景、テレビで見た光景、ファンの方々が見ていたであろう光景がすべて焼き付いていて、それが出てくるたびに目が覚めて眠れずといった感じでした。ただ、そうした悔しさがあったからこそ、そして国別対抗戦だったからこそ思い切った演技ができたんだと思います」


 前日の険しい表情とは違い、FS後の羽生は達成感に満ちていた。

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