羽生、まさかの7位「悪い癖が出た」 宇野は1位も反省「攻めきれなかった」
宇野「演技以上に自分に負けた感じ」
宇野は自己ベストに近い得点で1位 【写真:坂本清】
4回転+3回転が、4回転+2回転になってしまったんですけど、「なってしまった」というより「してしまった」という感じです。朝の練習でもセカンドジャンプが調子が良くなくて、6分間練習でも跳んだ感じが良くなかったので、ただ思い切りやろうと思いました。これはチーム戦ということでミスをしたら、大きく点を落としてみんなに迷惑をかけるなという思いで、3回転トウループをつけられなくはない4回転トウループだったんですけど、2回転トウループに逃げてしまったかなと思いました。
――それはむしろ冷静だったように感じられるが?
跳んだ感じでは「いけるかな」とも思ったのですが、2回転トウループで下りて、次のトリプルアクセルを跳べば、100点を超えてチームに迷惑をかけないなと一瞬思ってしまって、最後まで攻め切ることができなかったなと思います。
――日本開催ということでやりやすかった?
温かい声援の中で、かつコンディションも時差がなくて、そういう不安がないだけで、大きく違ってくるなとあらためて実感しました。
――得点にはどう感じている?
計算通りです。終わった時点で想像した点数と近い点数でした。
――大きなミスがない中で、演技が終わった瞬間、無表情だった。どういう気持ちだった?
良い言い方をすれば、チームのためにという言い方になるかもしれないんですけど、4回転+3回転に朝の練習から少し自信がなくて、6分間練習も良くなかったので、あまり自信がない中で試合に挑みました。(最初の)4回転フリップはなんとか着氷することができて、次の(連続ジャンプの最初のジャンプだった)4回転トウループも下りたんですが、決してすごく良い状態で下りたわけではなくて。ただ、少し乱れたかなと思いながらも、3回転トウループを付けられなくはない着氷でしたが思わず逃げてしまって……。(連続ジャンプの後半は3回転予定だったが)2回転トウループにして、次のトリプルアクセルを跳べば、チームにも迷惑がかからないし。でも自分への逃げが入ってしまって、演技以上に自分に負けたという感じがありました。
――悔しかった?
申し訳なかったです。自分にも、みんなにもです。
「計算通り」と話したスコアで1位となった宇野だが、演技後は反省の弁を口にした 【写真:坂本清】
どうなんですかね。個人戦だったらとかそういうことを言うわけではないんですけど、まだまだ守りに入る選手ではないので、攻めたかったんですけど、攻められなかったことに申し訳なかったなと思います。
――2回転トウループになったあとも、演技は続いているわけだが、そのときもそういう計算は頭に浮かんでいるもの?
跳んだ瞬間は2回転トウループにすれば、迷惑をかからないだろうなと。このままアクセルを跳んだら100点という計算をしていたので、それまでの攻めた姿勢が逃げに変わってしまって、アクセルは落ち着いて跳べたんですけど、申し訳ないなと思いました。
――冷静過ぎたという感じか?
試合前から冷静ではありましたね。
――今季最後のショートプログラムだが、表現の面でどういうふうに伸ばしていきたいか?
具体的なものはないんですけど、毎日の反復練習が少しずつシーズン始めよりも良くなっている気がするので、このショートプログラムは自分でも好きになりました。
――ジャンプで守りに入ったと言う分、演技後半の表現面は良かったように感じるが?
もっと滑ることができたなと感じます。特に4回転フリップの後から4回転トウループの前までがスピードがなかった。もっと押せたんですけど、自分の気持ちが足を止めてしまったと。全体的に冷静に攻めよう、思い切りいこうという気持ちと少し守りに入ってしまった気持ちと両方が出てしまったのかなと思います。
――前日の会見で、来季を見据えていろいろ試せることは試そうと言っていたが、ショートではどういう部分をチャレンジしようと思ったのか?
特に今回のショートではなかったです。フリーで4回転フリップを後半に跳ぶということだけなんですけど、フリップが最初の方でしか跳べないという自分の基準から、どこでも跳べるという基準に変えたいなという思いで4回転フリップを後半に入れることを、フリーではやりたいと思っています。
――フリーに向けて。
ショートはすごく悪かったわけではないですけど、後味の悪い演技をしてしまい、自分にも申し訳なかったし、チームということに逃げてしまったそんな自分が、みんなに申し訳ない気持ちでいっぱいですけど、フリーは自分のやりたいことをやって、チームに貢献できればいいかなと思います。