ベルトレが史上4人目の快挙間近 今季MLBで達成されそうな記録を紹介
ベルトレは3000安打、450本塁打、600二塁打を達成すれば史上4人目の快挙となる 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
2選手に3000安打達成の可能性〜打者編〜
長いメジャーリーグの歴史でも、昨年のイチローを含めてわずか30人しかいないそのエリート集団に新たに加わりそうなのが、ドミニカ共和国代表として今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)にも出場したエイドリアン・ベルトレ(レンジャーズ)だ。1998年に19歳でデビューし、ドジャース、マリナーズ、レッドソックス、レンジャーズと渡り歩く間に積み上げた安打数は2942本。大記録達成まで、あと58本に近づいている。
今季の開幕直後には38歳の誕生日を迎えるものの、昨年も175安打を放ち、打率3割、30本塁打、100打点をクリアするなど、まだまだ衰えは見られない。ふくらはぎのケガで今季の開幕を故障者リスト(DL)で迎えることになりそうだが、数試合の欠場で済みそうなだけに、「殿堂入りのチケット」とも呼ばれるメジャー通算3000安打は、難なく達成できそうだ。
ドジャース時代の2004年には48本塁打でナ・リーグの本塁打王にもなったベルトレは、通算450本塁打まであと5本。そして、通算600二塁打にもあと9本まで迫っている。この2つを3000安打とあわせて達成しているのは、過去にはハンク・アーロン(元ブレーブスほか)、スタン・ミュージアル(元カージナルス)、カール・ヤストレムスキー(元レッドソックス)の3人だけ。いずれも文句なしに殿堂入りを果たしているこのレジェンドたちに、ベルトレが仲間入りするのは間違いないだろう。
あと175本で3000安打に達成するプホルス 【写真:USA TODAY Sports/アフロ】
ここ数年は足底筋膜炎の影響などで、3度のナ・リーグMVPに輝いたカージナルス時代の輝きも失われつつあったが、昨オフには手術を受けて今春はオープン戦でも打撃好調。昨年は10試合に欠場しながら159安打を放っており、かつてのような安定感を取り戻すことができれば、今季中に3000安打に到達する可能性もある。
もっともプホルスには今シーズン、3000安打以上に希少価値のある記録がかかっている。それが史上9人目の通算600本塁打だ。こちらは残り9本。過去に本塁打王を2度獲得し、昨年も31本塁打を放った彼ならば、これは時間の問題だろう。さらに今季18本打てば歴代8位のサミー・ソーサ(元カブスほか)、21本なら歴代7位のジム・トーミ(元インディアンスほか)、39本で歴代6位のケン・グリフィー・ジュニア(元マリナーズほか)に肩を並べることになるが、どこまでランキングを上げていくかにも注目したい。
ほかには現役唯一の三冠王(12年)で、今春のWBCではベネズエラ代表の3番を打ったミゲル・カブレラ(タイガース)が、通算450本塁打まであと4本。ドミニカ共和国代表のホセ・レイエス(メッツ)は、史上39人目の通算500盗塁にあと12と迫っている。フィリーズ時代の07年にナ・リーグMVPに輝いたジミー・ロリンズは、あと45本で通算2500安打、あと30盗塁で500盗塁に到達する。開幕メジャーを目指し、招待選手としてジャイアンツのキャンプに参加していたが、開幕直前にリリースされてしまった。
日本人選手では、イチローがメジャー通算安打をどこまで伸ばすかが期待される。現在は3030安打で歴代24位。問題はどれだけ出場機会を得られるかだが、メジャーリーグ公式サイトは「9月28日に通算3154安打として、歴代15位のジョージ・ブレット(元ロイヤルズ)に並ぶ」と予測している。
日米通算記録では、侍ジャパンの一員としてWBCで奮闘した青木宣親(アストロズ)が、「名球会」入りの条件となる2000安打まであと35本。これを成し遂げればイチロー、松井秀喜(元巨人、ヤンキースほか)、松井稼頭央(東北楽天)、井口資仁(千葉ロッテ)、福留孝介(阪神)に次いで、日米通算での達成となる。