武豊キタサンに不安材料「デキ8分」 対するマカヒキは?GI昇格大阪杯を激論

競馬専門紙「優馬」

悲願のGIタイトルをこの舞台で

今回も叩き2戦目で気配上昇のステファノス(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「ただ、ここまで挙がった3頭の中に、この2000mでGIを勝っている馬はいないんだよな。それ以外に◎を打ってきた連中も、狙いはそこにあるんだろ?」

持木ステファノスは、2000mで勝ち鞍こそないものの、内外のGIで2着と3着が2回ずつあることを考えれば、この距離なら勝負になる力を持っていると言えますね。海外遠征帰りの放牧明けだった前走は力を出し切れませんでしたが、叩いた今回は本領発揮となるはずです」

久光「過去のステファノスの叩き2戦目は、1・1・2・2・5・3着という凄い実績で、唯一休み明けより着順を下げての5着が距離がやや長かったと思える宝塚記念なら、確実にパフォーマンスを上げてくると判断できます。しかも、2・2・3着は全て2000mのGIですからね。先行馬が揃っての速い流れも、脚質的に大歓迎でしょう」

「最終追いでは掛かることもなく、鞍上の感触もかなり良かったようです。仕上げはキタサン以外となら五分にやれそうなものがありますね。昨年の宝塚であと1ハロンで失速した走りからも、2000mならと思わせますよ」

武井「馬場の回復が進んで高速決着になることを前提に考えれば、ステファノスが昨年の鳴尾記念でマークした1分57秒6の持ち時計は脅威でしょうね」

瀬古「GIIだったとはいえ、昨年の覇者アンビシャスに、GI制覇の大チャンスが訪れたと僕は思います。人気を裏切った前走は、スローの上がり勝負になったので、折り合い面で不安があって自分から動けないこの馬には辛かったと言えますし、結果4着でも大外を回って上がり最速なら、8分程度の仕上げを考えても十分な内容でしょう。昨年は思い切った先行策でしたが、ペースが流れそうな今年のメンバーなら、本来の末脚を生かす形で勝負になると見ました」

加茂「GIになった言うても、その先の天皇賞や宝塚を見据えた馬も多いことを考えたら、2000mのスペシャリストでここが目イチの勝負になるヤマカツエースの出番と思うんやけど……」

吉田ヤマカツエースの前走は、池添騎手のパーフェクト騎乗もあったかと思いますが、スローだと天皇賞のように制御が利かずに自滅することもあった馬が、ここへきて馬体だけやなく、精神面でも成長の跡が窺えますわ。有馬記念でも、勝負どころで馬群を捌ききれずに直線で何度も進路を切り返していたことを考えれば、逆転可能な差や思います」

桜井「確かにヤマカツエースの有馬記念は、一線級相手でも遜色のない力を付けたことを示しましたね。これまで重賞を5勝しながら、GIでの3戦は全て二桁着順と、厚い壁に阻まれていますが、充実期を迎えた今ならチャンスも十分あるでしょうね」

中邑「僕はミッキーロケットで十分に足りると思っています。秋以降の重賞で崩れた2戦は敗因がハッキリしていますし、2走前により重い斤量を背負って退けたシャケトラが日経賞で強敵相手にあれだけのパフォーマンスを見せたのなら、この馬も現役屈指の能力を持っていると言えますよ」

小桧山「俺はミッキーロケットの神戸新聞杯が印象的だったな。最後に差し返されてクビ差2着だったけど、現役最強の座はサトノダイヤモンドで揺るがないと思っているから、GI級の力は示したと言えるよ。前走だって、出遅れて上がり最速でマカヒキと半馬身差なら、力は互角と見ていいぞ」

桜井「せっかく影を潜めていた出遅れ癖が前走で再発してしまったのは気懸かりですが、内容的にはマカヒキのみならず勝ったサトノクラウンとも同等の競馬をしたと言っていいですよ。実績不足は否めませんが、昨年夏以降の上昇の度合いからも、未知の魅力に賭ける手はありますよね」

瀬古「前走については陣営も“落ち着いた流れだったからスタートでのロスが響いた”と振り返っていました。距離に関しては2000mがベストとは言えないまでも、条件戦で2勝しているんですから対応も可能でしょうね。音無師も“アンビシャスとどっちが先にくるか、甲乙つけ難い”と、結構色気を持ってましたよ」

馬場「色気なら、ここがGI初挑戦となるサクラアンプルールの陣営にも感じましたね。“輸送は特に心配していないし、一戦毎に馬体が増えているのも良い傾向。スローペースでも結果が出せた前走は大きな収穫で、センスの良さを生かしてどこまでやれるか”と。相手強化とはいえ、前走にしても重賞初挑戦で結果を出した馬ですからね」

山崎「さっきから展開の話で名前が挙がっているマルターズアポジーですが、前走は前半1000mが57秒6という、止まって不思議のないハイラップで押し切ったものですから、かなり地力を付けています。最終追いを終えた武士沢騎手も“充実している。いい意味で変わらず来れているし、今回も自分の競馬をするだけ”と、戦法にも迷いはない様子でしたし、可能性はあると思いますよ」

田崎「たとえハイラップになったとしても、マルターズアポジーが引っ張る流れは、後方待機組も脚を使わされますし、意外と前を残す可能性があるんですよね。もちろんマルターズの残り目もアリですが、競り合いを避けて2番手で運べそうなロードヴァンドールが面白い存在ですよ。金曜の雨でパンパンの良馬場にならないのも追い風ですし、キタサンが深追いを避けてくるようなら、なおさら前残りの可能性も高まると思います」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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