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初戦大勝の大阪桐蔭に逸材ごろごろ
藤原、根尾、山田ら2年生が活躍

桐蔭の迫力に目を丸くした敵将

4回に2ランを放った6番・山田。昨秋は4番を打っていたが、不振からスタメン落ちを経験。一冬越えて調子を取り戻した
4回に2ランを放った6番・山田。昨秋は4番を打っていたが、不振からスタメン落ちを経験。一冬越えて調子を取り戻した【写真は共同】

 平田良介(中日)、中田翔(北海道日本ハム)、藤浪晋太郎(阪神)。第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でベスト4に終わった野球日本代表「侍ジャパン」だが、3人は大阪桐蔭の出身だ。人材の宝庫。甲子園でのチームの実績も、追随を許さない。夏は29勝4敗(優勝4回)、春は16勝7敗(優勝1回)と夏にめっぽう強く、1991年の初出場以来8回出場しているセンバツも、実は一度も初戦負けがない。そして9回目の今春も……逸材がそろった。しかも、2年生にごろごろと。


 ベンチ入り18人のメンバーのうち、7人が新2年生。宇部鴻城(山口)との1回戦では5人がスタメンに名を連ね、いずれも躍動した。まずは、1番を打つ藤原恭大だ。宇部鴻城の先発左腕・早稲田玲生の2球目をはじき返すと、打球はアッという間に左中間を破り、持ち味の俊足を生かして二塁に達した。宇部鴻城・尾崎公彦監督が「早稲田の調子は悪くなかったが、それを先頭打者に痛打されて浮き足立った」と語るように、「あれでチームを乗せられました」と藤原も満足げだ。


 同じ2年生の宮崎仁斗が四球で続くと、やはり2年生・中川卓也の送りバントが犠打野選を呼び、山本ダンテ武蔵(3年)の四球でまずは藤原が押し出しのホームを踏む。続いては、「チャンスに1本、先頭打者で1本」をテーマにする根尾昂(2年)が2点タイムリー。さらに2年の山田健太が四球でつなぐなど、大阪桐蔭は初回に5点を挙げ、早々に試合を決定づける。


 昨秋の中国大会覇者である宇部鴻城・尾崎監督は、大阪桐蔭の迫力にこう目を丸くした。


「アウトを取ったにしても、外野フライをフェンス寸前まで軽々と飛ばすでしょう。守備陣に動揺はあったと思います。うちの二遊間の守りは完璧に近いんですが、それが3つもエラーするんですから」


 2年生の活躍は、まだまだ続く。2回にもタイムリーを放った山田は、4回には左翼にライナーで飛び込む2ランホームラン。あるいは、9回に登板した柿木蓮も、140キロ超えのストレートを見せて無安打で締めくくった。終わってみれば、2年生がチーム9安打中5安打、9打点中6打点をたたき出した大阪桐蔭が、11対0で大勝。センバツ初戦は負けなしの9連勝で発進した。

不振だった昨秋4番が大暴れ

NOMOジャパンに選出されるなど中学時代から有名だった根尾。初回に2点タイムリーを放った
NOMOジャパンに選出されるなど中学時代から有名だった根尾。初回に2点タイムリーを放った【写真は共同】

 ここに挙げたうち、根尾がNOMOジャパン、柿木がボーイズ日本代表、藤原は中学時代に4度の全国制覇……と、世代オールスター級がずらりなのだが、この試合では3打数2安打3打点の山田にスポットを当てよう。4回2死二塁から、内角に差し込む球を強く叩いた打球は左翼席に飛び込み、「気持ち良かった。兄の甲子園での活躍は、すごいなと思っていました。全部の試合を見に来た」。


 そう、山田の兄・大地は2014年センバツでベスト4に進出した豊川(愛知)で活躍したレフトだ。そのときの豊川は、準決勝で履正社(大阪)に敗退。「兄の敵を討ちたい」と、あえて同じ大阪のライバルへの進学を決めたという。愛知・東海ボーイズ時代は、選抜チームで根尾とクリーンアップを組んだこともあり、長打力が魅力のスラッガー。昨年秋は4番でスタートしたが、強豪の4番というプレッシャーで打撃を崩し、公式戦打率は2割4分1厘。終盤には、スタメンを外れた。西谷浩一監督は語っていたものだ。


「秋の大会後もしばらく調子が上がりませんでしたが、年が明けて実戦練習が増えるうちに徐々に良くなってきた。苦しんだ分、以前よりもしぶとさがついてきた感じがあり、期待しています」


 初戦でその期待に応えた山田をはじめ、打って、守って、走って。新2年生とは思えない動きはさすがに逸材たちだ。


 山田が「2年生の自分たちが、3年生に負けないぐらい引っ張っていきたい」と言えば、「このチームは2年が打つと乗ってくる」とは、3年生4番の山本。「ただ経験が少ない分、突発事態に”どうしようどうしよう”となりがちですから、そこで声をかけるのが自分たちの役目。ライトのポジションからでも、声の大きさには自信があります(笑)」。


 先発し、7回を2安打無失点と3年生の貫禄を見せた徳山壮磨はこう言った。


「学年に関係なく、43人の部員全員のチームワークで戦っていきます」


 9度目のセンバツも、白星発進。西谷監督が「春の大きな山を登ろうとしている」と言う5年ぶりの優勝に向けて、次戦は秋季東海大会優勝の静岡が相手だ。

楊順行
楊順行

1960年、新潟県生まれ。82年、ベースボール・マガジン社に入社し、野球、相撲、バドミントン専門誌の編集に携わる。87年からフリーとして野球、サッカー、バレーボール、バドミントンなどの原稿を執筆。高校野球の春夏の甲子園取材は、2019年夏で57回を数える。

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