筋肉発達2歳王者vs.百日草組アウト 競馬記者が激論、レベルが高いのは…

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 日曜中山では、皐月賞最終トライアルのスプリングSが行われる。昨年の2歳王者サトノアレスがここからの始動となるが、本番への優先出走権獲得を目指すライバル達の鼻息も荒い。注目の一戦を優馬TM(トラックマン)陣が激論!

2歳王者サトノアレスに挑戦状を アウトライアーズが叩きつける

始動戦を迎える昨年の2歳王者サトノアレス(桃帽)(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】

デスク「いまだ混沌としている牡馬のクラシック戦線だけど、ここは真打ち登場。2歳王者サトノアレスがどんな走りを見せるのかが、最大の注目点だろうな」

佐藤直「朝日杯FSの勝ち時計は、阪神JFと比べても見劣るし、低レベルだったんじゃないかと思っていた時期はあったけど、そこから3ヶ月でのサトノアレスの成長ぶりが凄いんだよな。大きく発達したトモと胸前の筋肉は、元来のキレ味により磨きをかけると思うぞ。仮に朝日杯が低レベルだったとしても、当時よりも相当パワーアップしたのなら、素直に◎でいいだろ」

小野智「前走は、17番という不利な枠順も克服しての勝利ですし、どんなコースでも結果を出しているように、ペースなどに対する順応性も確かですよね。初コンビとなる戸崎圭騎手も“一週前に乗りましたが、かなり操縦性の高い馬で変な癖もありませんでした。この乗り味なら、いい勝負ができると思います”と、楽しみな様子でしたし、そもそも鞍上を選ばずに走っている馬ですから乗り替わりも全く問題はないですね」

馬場「未勝利勝ちまで3戦を要しましたが、一戦ごとに良くなってきた馬です。直さんも言われたように、馬体に厚みが出てもう一回り成長していますし、“カイ食いが良く、思い描いた通りの調教をこなせた”という陣営のコメントからも、逆らう手はないでしょうね」

デスク「ただ、本紙武井は逆らったんだよな」

武井「別に逆らったわけではないんですが、それ以上の魅力をアウトライアーズに感じたんですよ。ここが重賞初挑戦となりますが、2走前にコンマ1秒差だった1・2着馬がその後に重賞を勝ち、前走の3着馬もオープン勝ちと、レースレベルの高さは他の実績馬と比べてヒケを取りません。加えて、過去2戦2勝とも加速ラップを抜け出したものだった中山コースへの適性も見逃せませんね」

坂倉「そのレベルが高かった2走前の百日草特別ですが、終始掛かり通しだったもので、田辺騎手も“その日は最後のレースまで腕のシビレが収まらなかった”と言っていたほど。それでコンマ1秒差3着なら、能力は計り知れませんよね。スタンド前発走での歓声は気になりますが、力を出し切れるようならチャンス十分と見ていいはずです」

小島アウトライアーズの2走前については、折り合いが付かなかったこともありますが、僕は左回りの東京での走りがぎこちなく映りましたね。いずれにしろ、得意の中山なら問題はありませんし、課題の折り合いも調教を見る限りでは解消されつつあるように感じます」

山崎「陣営によると牧場からいい状態で帰ってきたようで“とても落ち着きがあって、いい雰囲気”とのことでした。3頭併せの最終追いでは、内から他の厩舎の馬に絡まれる形となりましたが“気負わずに走れていた。メンタル面でも成長している”と、小島茂師も目を細めていました。“極端なスローだと心配だけど”と前置きしながら、“相手云々ではなく、自分のリズムで走れれば、おのずと結果も出るはず”と、陣営はかなりの手応えを感じているようでしたね」

デスク「朝日杯2着のモンドキャンノは、やっぱり初の1800mが鍵となりそうだな」

西田「距離だけでなく中山コースも初めてとなるわけですが、私は4つのコーナーで巧く息が入るのではないかと見ています。ここは先に繋がる競馬を、という意味合いも強いとは思いますが、朝日杯では勝ち馬に寄られるシーンがなければもっと際どい差になっていたはずですし、あまり人気にならないという点でも狙って面白いのではないでしょうか」

細川「初距離については“もし距離が長かったとしても、能力の高さで対応してしまいそう”と、陣営はさほど不安視してませんでしたね。最大目標はNHKマイルCとのことですが、スタミナを要する舞台なので1800mもこなせるように調教を積んでいるようです」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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