選手層の厚さを確認した中国戦 世界一経験者・岩村明憲氏が解説

スポーツナビ
 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表は10日、1次ラウンドB組第3戦の中国戦に7対1と勝利し、4大会目にして1次ラウンド初の3連勝で1位通過を決めた。

 試合は初回に山田哲人の犠牲フライで先制すると、2回に9番打者・小林誠司が2ラン、3回には中田翔の2ランと序盤から加点。投げては先発・武田翔太が3回1失点も、藤浪晋太郎、増井浩俊、松井裕樹、平野佳寿、秋吉亮と小刻みな継投で中国打線の反撃を断ち切った。

  第1回、第2回大会でWBC日本代表に選出され、世界一へ大きく貢献した岩村明憲氏に中国戦を解説してもらった。

勝利のポイント:多くの選手を起用

 岩村氏が中国戦のポイントとして、今大会2連敗で無得点の中国という格下と見られる相手にしっかりと勝利をものにして、その中で「いろいろな選手を試せたこと」を挙げた。

 日本は過去2戦で先発オーダーに名を連ねていた青木宣親、坂本勇人をスタメンから外して、田中広輔、平田良介を起用。その後も選手を入れ替え、結果3試合を通して、野手15名のうち捕手の炭谷銀仁朗を除く14名を試合に出場させることができた。また、投手陣でも武田、藤浪、松井、増井を登板させ、投手陣は全員マウンドに上がった。

 この日は1番に入った田中が2安打を打つと、途中出場の秋山翔吾にもヒットが飛び出し、松井も1イニングを3者三振。2次ラウンドへ向けて選手層の厚さを確認できた試合となった。

小林は試合ごとに成長を見せている

以下は岩村氏の解説。

「9割以上勝って当たり前と見られる中国戦で、その中でしっかり勝つことができた。プラスいろいろな選手が使えたところが大きなポイントとなりました。

 まず小林君のホームランですが、会場内のみんながびっくりするようなきれいなホームランを打ってくれましたね。10日(現地時間)から開幕した1次ラウンドC組のドミニカ共和国の9番も逆方向にホームランを打っていましたけど(カスティーヨがカナダ戦で2ラン)、9番打者でも『舐めるなよ』『甘いところきたら打ちますよ』という部分を見せてくれました。ナイスバッティングでした。

 もちろん実力はあるんですけど、1戦目、2戦目といろいろな経験をして打席の中でも成長していると思います」

捕手として守備をアピールした大野

「厳しいことを言うのだったら、今日の中国戦はコールドで行ってほしいなという部分もありますが、序盤からしっかり点を取れて、久しぶりに試合に出た田中君も2安打を打ちましたし、途中出場した秋山君も打ったし、大野(奨太)君もキャッチャーとしていい働きをしていました。

 大野君がマスクをかぶってから三振の確率が高くなりました(4イニングで8奪三振)。ピッチャーの調子をよく見極めていたと思いますね。キャッチャーは打つよりも守り優先なので、ピッチャーの状態を把握するというキャッチャーとしての一番大事な部分をすごくアピールできたと思います。

 小久保(裕紀)監督にとっても、もし今後小林君に何かアクシデントがあったとしても選手層の厚さを確認できた試合でした。また、この日出場した選手たちが思い切って自分のパフォーマンスをアピールできたことは、2次ラウンドに向けていろいろなオプションが使えるという意味でも大きなプラスになりました」

オランダはアメリカと思って戦え

「3連勝で1次ラウンドを突破しましたが、選手の中での情報が少ない中で初戦にキューバと戦って勝利したことは2戦目以降をすごく楽にしました。まだWBCという雰囲気に慣れていなかった選手たちも自信を深めましたよね。2次ラウンドも中1日で3連勝の勢いに乗って戦えることはいいことだと思います。

 ただ2次ラウンドは、オランダにしても、イスラエルにしても、アメリカのベースボールを経験している選手が多いので、対戦相手のレベルが数段上がるのは確かです。

 オランダで言えば、バレンティンやバンデンハークとか日ごろ日本球界で対戦している選手はいるかもしれないですけど、サードで出場しているボガーツはバリバリのメジャーリーガーです。それにイスラエルだと思うと、『イスラエル?』って簡単に見てしまう可能性もある。どちらのチームも対戦するときは、アメリカと対戦するんだぐらいに思って戦ってほしいですね」

岩村明憲プロフィール

愛媛出身。宇和島東高から1996年ドラフト2位でヤクルトへ入団。2000年からレギュラーを獲得すると、04年には44本塁打を放つなどセ・リーグを代表する三塁手としてベストナイン2回、ゴールデングラブ賞6回を獲得した。07年から渡米し、4年間でデビルレイズなど3球団で活躍。11年から日本球界に復帰すると、楽天、ヤクルトでプレーした。15年からは独立リーグ・福島で監督兼選手として在籍している。WBCには第1回、第2回大会に出場し、2度の世界一に貢献。日本プロ野球通算1194試合、1172安打、193本塁打、615打点、打率2割9分。MLB通算408試合、413安打、16本塁打、117打点、打率2割6分7厘。
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